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みんなのレビューと感想「マトリズム」(ネタバレ非表示)

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  1. 評価:5.000 5.0

    クスリのない人生

    作品の最初の方は、そこまで特別なリアリティーを感じず、首を捻った。
    言い方は悪いが「報道番組程度のリアリティー」であって、多くの読者が「知っている」範囲の情報の量と質なのではないか、と思ったのだった。

    しかし、読み進めるうちに、見方が変わった。
    この漫画の強みは、「単発」のリアリティーのインパクトではなくて、むしろその「積み重ね」にあるのではないか、と感じた。
    つまり、クスリを巡る様々な人々のリアリティーの、多様さである。
    大学生、主婦、フリーター、教師…色々な社会的立場にある人間たちが、どうやって道を踏み外していったのか。
    そこにあるのは、クスリの危険性や恐怖の問題だけではなく、日々の中で、人がいかに迷い、悩み、苦しみ、悪魔と手を繋ぐに至るのか、という人生の落とし穴の様々な形であって、それを多彩に描き分ける取材量と力量には、感心させられた。
    この漫画で描かれた全ての落とし穴と絶対に無縁で生きられる、と断言できる読者は、おそらく、あまりいないのではないか。

    個人的には、教師の話と、漫画アシスタントの話が好きだ。
    この二つのエピソードを読んで、作品の見方がまた変わった。
    この漫画は、ただ「クスリによって破綻した人生を描く」だけではなく、「クスリのない人生をどう生きるか」ということにも、きちんと向き合っているのだった。

    そこには、当然なら、唯一絶対の答えはない。
    何にもすがらず生きるには、ときに人生は、あまりにハードモードかもしれない。
    ただ私は、この漫画を読んで、クスリに頼らず生きる人生の方が、少しだけ、美しいような気がした。
    それは作品の意図に誘導された、ガキっぽい感想である。
    だが、読者がそう感じ得る作品であるというだけで、クスリを扱った漫画としては、既に成功しているのではなかろうか。

    by roka
    • 57
  2. 評価:5.000 5.0

    怖かった

    誰もが体験しているような日常生活の中で、当たり前のようにスッと出てくる薬物使用者、売人。
    薬物なんてものは、都会の悪い人がやっている別世界のものだと思いながら、●イッターの使用者のレビューなんかを興味本位で読んだこともありますが。
    身近にいそうな人たちの、薬物に関わるまでのきっかけやその後についてをこの漫画で読んでいると、すごくリアリティがあり、他人事でないことがわかる。自分は大丈夫?では夫は?子供は?家族は?親戚は?
    人生が台無しになる。後戻りができない、とんでもない薬が当たり前のように内密にやりとりされていることに怒りを覚えます。
    薬物、ダメ。ゼッタイ。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    私も薬に手を出すところだった

    私は、アメリカが薬を合法化したことで実際に安全かどうかとても気になったからです。YouTubeではやり方も載っているし、実際に吸ってもそこまで悪影響ない人ばかりのYouTubeを見て、どんどんしたくなったのです。 そのうち私は大病を患い、全身麻酔したのでその時の麻酔の様子を言うと、音や映像がゆっくりで自分が病室に入る時から時が戻った映像が見えました。そして麻酔が切れかかった時に死ぬほどの痛みと恐怖とゆっくりなぐるぐる回る映像が流れて、最後呼吸を吸うところと映像が一致してそのまま普通に戻ったのです。 正直もう味わいたくないです。そして、薬の安全を歌ってた人達は亡くなったり、大量殺戮したりしていました。老化も早い。この漫画は一般的な人が薬にはまり、落ちるところまで落ちる漫画です。手を出さなくて良かった。そう思える漫画です。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    日常に潜むリアル

    作者さんの作品が好きでこちらも読んでみましたが、想像以上にリアルでした。
    一見どこにでもいそうな主婦、真面目そうな教師、普通の日常を送っているようにしか見えないサラリーマン…。
    人間誰しも常に安定した心で過ごせる訳ではないし、自覚していない脆い部分もあるだろうから、苦しくなったり追い詰められた時などに条件が揃ってしまえば…ということもあるかもしれない。
    もう20年以上前の話だが、当時私が小学生だった時にかつてそちら側の人間だった方を招き、薬物の恐ろしさや勧誘を断る方法を聞く機会があった。その方曰く、しつこく薬物を勧められたらどんなにあり得ない言い訳でも良いから理由を作って断り続けなさい、こいつはダメだと分かったら相手も引くから、ということだった。
    今は当時と違ってネットで売買が出来てしまうのでこういう対処法は効かないかもしれないけれど、一言だけ薬物は手を出してはいけないもの、と言われるよりも実体験をした方の話は重く、時間が経過した今でも忘れられない。
    中学生頃からすでに薬物に手を出したり、興味を持つ人たちもいるようなので、小学生くらいの早いうちからこのような漫画を用いながら警鐘を鳴らしていくことはとても意味があると感じた。

    by 匿名希望
    • 1
  5. 評価:5.000 5.0

    完読しました。

    少しずつ購入して本日完読。
    クスリがテーマですが、人間の悲喜こもごもが描かれてました。
    自分の生活圏内からは遠い出来事のようでも、実は身近にあるのかもしれない。
    もしかすると顔見知りから突然当たり前のように勧められることがあるのかもしれない…なんて、読みながらとてもリアルに感じました。
    自分には関係ない、興味もない、と思っていてもクスリの恐ろしさを知っておくことは大事だと強く思いました。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    自分とは別とは言えない危険を理解した

    全く関わらないように生きていきたいと思うほどに周りの落とし穴にハマることはあると思う。痩せる、健康になる、気分が落ち着くなど私たちの周りにはいつもあの手この手でサプリメントが普及していて、ある日知人からという日が来るのかもしれない。もしかしたら身近な人が既にそうなどもあり得てしまう。それって恐怖だし漫画の中で終わって欲しい。そう願いながら読んでいます。

    • 1
  7. 評価:4.000 4.0

    独特のリズムに慣れました。

    作家買いです。スマホでスクロールだと、緻密な、というか、舐めるような、というか独特のリズムがさらに効果を増すように思います。批評家の意見を聞いてみたいです。なぜこんなところをここまで詳しく描くのか?!と思われるコマの多いこと。ウシジマくんの作者に似た偏執狂的なデッサンですが、それでもずっと暖かい。多分、偏執的な人格障害に親近性のある作家だと思います。それだけに、細部に降りていく昆虫の視線がいつか人間の運命を見る視線に変わっている。

    • 1
  8. 評価:4.000 4.0

    胸が苦しくなるけど

    この作家さんの別の作品も途中まで読んでますが、苦しくなることが度々あるので私は一気読みが出来ません。それでも読んでしまうのは何故なんだろう。
    ほぼノンフィクションなんだろうと思うんです。自分とは関係のない世界だと思っているのは間違い、すぐそばにあるんだよと言われているみたい。ほんの一瞬の隙にぬるっと入り込んでくるのかな。道徳観が揺らいでしまう程疲労していたり満たされない人が増えているということなんだろうか。

    • 1
  9. 評価:4.000 4.0

    奈落への入口はすぐそこにある

    しっかりとベースがあり、それでいて物語として大きく見せようとし過ぎていない、ドキュメンタリー、もしくはモキュメンタリーに限りなく近い空気感が全編にわたって続きます。

    【薬、ダメ、絶対】なんてキャッチコピーのポスターをバシバシ貼ったり、テレビやネットで芸能人の○○が捕まった、だかれクスリは恐ろしい、という報道をするよりもこの作品を読んだ方がよっぽど勉強になりますし、絶対クスリなんてやらないと心に誓えます。
    教材として採用されていいレベルの作品だと思います。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    絵は下手で、好きではないです。
    内容は、面白いです。
    警察24時みたいな感じが好きな方は、ハマると思います。

    普通に生きていて、薬物なんて縁のない世界に生きているつもりだったのに、ふとした瞬間に足を突っ込んでいる。と言うことが、実際にあるんだろうなと思いました。

    ちょっとした好奇心、疲れ、現実逃避など、身を滅ぼす原因になりえるんですね。

    自分は絶対に大丈夫!と思っていますが、電車で隣に座った人がやっていないとは限らない、怖い世の中なんだと身震いさえしました。

    • 1
ネタバレ無し:全ての評価 1 - 10件目/全1,029件

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