rokaさんのレビュー一覧

rokaさん

レビュアーランキング  1

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  1. 消えたママ友 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    静かで怖い「普通の」群像劇

    以前、この作者の別の漫画を読んで、それはもう滅茶苦茶に非難するレビューを書いた。
    が、本作は素晴らしかった。

    ストーリーは、「消えたママ友」の周囲の人々(主にママ友三人)の視点で展開する。
    私はママ友の世界からは縁遠い場所にいるが、一人一人の登場人物やその関係性、日常のリアリティーが半端ではなく、一気に引き込まれた。
    また、三人の語りの視点の切り替えのタイミングとテンポのよさは絶妙で、一息に読まされてしまった。
    これはもう、群像劇として一級品だと思う。

    作品の雰囲気としては、日常の中にあるサスペンス、といった風情で、消えたママ友の謎を追う中で、ママ友、夫婦、嫁姑、それぞれの関係性における、秘密や暗部が少しずつ明らかになっていく。
    その描き方も、やたらスキャンダラスに暴き立てるのではなく、人間の繋がりのもろさや、表面的な付き合いの虚しさを静かに綴るタッチで、好感が持てる。
    誰もが「普通に」嘘や闇を抱えて、「普通に」生きている、その淡々とした提示が素晴らしい。

    正直、こういう「雑な絵」の漫画は好みではないのだが、悲しく不穏でうすら寒い作品のトーンと、シンプルで呑気な絵柄は、いい意味でのミスマッチになっているような気もした。

    特筆すべきはツバサ君の描き方で、大人の抱える悪意や歪みが「伝染」したかのようなその造形は、実に悪趣味で、怖い。
    子どもについて、何かがおかしいのに誰もその破綻をつかめていないし止められない、それは、目を背けたくなるような冷たい現実だ。
    特に、最終話でツバサ君が祖母と父親に放つ台詞は、いくぶん漫画的な寓意はあるにせよ、恐ろしく、素晴らしい。

    3人の方が「参考になった」と投票しています

  2. RISKY~復讐は罪の味~ へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    サブタイトルが…

    復讐モノは、復讐する側を応援できないと読んでいてつまらないが、その点は、十分。
    読者として「やったれ」というモードに入って、ノレた。
    復讐をエンターテイメントとするならば、復讐される側がこのくらい腐っているほうが気楽でよい。

    ただ、復讐の「方法」が、する側に明らかな傷を残す種類のものなので、今後(現在8話)、そのあたりとどう向き合っていくのかが、見所のひとつである。
    もっとも、全ての復讐は、本来、そうだろう。
    される側だけではなく、する側の人生にも、何らかの醜い傷を残してしまうものだろう。
    違うのは、傷の形や色だけで、その深さは、どんな復讐においても浅いものではない気がする。

    しかしまあ、些細なことかもしれないが、サブタイトルはどうにも気になった。
    「復讐は罪の味」って、そりゃそうだろ。
    「目玉焼きは卵の味」って言ってるようなもんだと思うのだが、もうちょっと何とかならなかったのか。

    962人の方が「参考になった」と投票しています

  3. ミステリと言う勿れ へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    ミステリと呼ばないで

    今まで読んだどんな漫画とも明確に違う。
    面白すぎてびびった。

    基本路線はミステリでありながら、話はどんどん脱線していく。
    主人公の整(ととのう)君が、関係ないことをしゃべりまくるせいである。
    事件の取り調べを受けている最中だろうが、バスジャックの人質になろうが、唯我独尊で脱線しまくる。
    何だこいつは。

    しかし、この脱線が、たまらなく魅力的である。
    本線から遥かに逸脱した会話が楽しい、という意味では、タランティーノの映画のような漫画である。
    とにかく整君の呑気なしゃべりが、いちいち鋭く、深い。
    人間や社会に対して、独自の視点でもって、目からウロコの核心を提示するその洞察の見事さは、私の文章ではとても説明できない。
    これはもう、読んでもらうしかない。

    それでいて、「本線」のミステリ部分も、「脱線」を邪魔しない程度にサラッとしていながら、パリッと筋が通っている。
    このバランス感覚の素晴らしさ。

    ミステリのようで、ミステリではない。
    ミステリではないようで、ちゃんとミステリでもある。
    ミステリ、と呼ぶのは何かピンとこない、ミステリじゃない、と切り捨てるのも何かもったいない。
    ミステリが好きな人にも、苦手な人にも薦められる快作。
    誰にでも迷わず薦められる漫画なんて、私にはほとんどない。

    418人の方が「参考になった」と投票しています

  4. あなたがしてくれなくても へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    イーブン

    夫婦に限らず、男女の関係は、一見すると「そんなの夫が(ないし妻が)悪いじゃん!」という物事も含め、その責任は、イーブンなのではないか、と思う。
    というか、イーブンということにするべき、ではないかと思う。
    どうであれ、お互いに、お互いを、選んだ、という責任がそこにはあるから。
    だから、作品として夫婦の問題を描くならば、そこには本当は「双方の視点」が反映されていないと、フェアではないのかもしれない。
    そういう意味で、この漫画は素晴らしかった。

    妻に共感する人が多いだろうと思う。
    かといって、この漫画は「夫が悪い」と断罪しているわけではなく、夫婦がそれぞれの思いや価値観を抱えながら少しずつすれ違っていく様を、丁寧に、丁寧に描いている。
    目に見えて近づく破綻が、やけに静かで、悲しい。
    手っ取り早く読者の注目を引くなら、妻をさらっと不倫に走らせて、性的な描写をさっくり入れればいい(昨今の多くの漫画がそうするように)のだが、そういう安直な手段に流れていない。
    そこに、作品としての気概みたいなものを感じたし、非常に好感を持った。

    私は一人の夫であるが、幸い、この漫画のような問題からは遠い場所にいる。
    ただ、ひとつ思ったのは、この漫画の夫にとって致命的なのは、性生活の問題以上に、「向き合おうとしない」ことではないか、ということだ。
    要するに、彼は「向き合いたくない」人間なのだと思う。
    そしてその姿勢は、夫婦の関係として、別に間違っているわけではない。
    なぜなら、夫婦とは多分、正面から「向き合う」ための存在ではなく、「横に並んで」歩いてゆける相手だからだ。
    本質的には、文字どおり「向き合って」することよりも、横に並んで眠ることのほうが、大切なのかもしれない。
    けれど、その歩みが、ずれてしまった場合には。
    どちらかが進みすぎたり、遅れたりした場合には。
    立ち止まって、歩み寄って、向き合わなければならないときも、来るだろう。
    きっと、そこから逃げてはいけないのだ。
    少なくとも、愛している、と言いたいならば。

    669人の方が「参考になった」と投票しています

  5. 花園メリーゴーランド へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    価値観クラッシャー

    「夜_這い」の風習が残る、前近代的な村社会に迷いこんだ少年を主人公にした作品。

    恐ろしい漫画である。
    読者の価値観に揺さぶりをかける、というか、ほとんど破壊しようとするほどの勢いだ。

    作中、村の生活を「おかしい」と言う主人公の少年に、一人の女性が答える。
    性なんて、腹が減ったら飯を食うのと同じ、生活の一部だ、と。
    この村の人たちはずっとそうやって幸せに暮らしてきた、何がいけないのか、と。
    これは、少年に向けられた問いであるのと同時に、読者に突きつけられたこの漫画の毒でもある。
    少年は、答えられない。
    私も、答えられなかった。

    一夫一妻の制度も、ロマンチックラブの観念も、不倫を悪とする価値観も、全て、私たちが後天的に知る、ある種の幻想に過ぎない。
    幻想もなめたものではない。
    その幻想が、私たちの存在を支えているからだ。
    しかし、である。
    この漫画は、読者に問いかける。
    あなたはこの村の風習を「異常だ」と感じるかもしれないが、仮にこの村に生まれたならば、あなたは村の性の自由さに疑問を持ったか。
    あなたを支えている幻想は、別の社会の幻想を見下したり切り捨てたりできるほど立派なのか。
    性が解放されている、というだけのシンプルな世界に生きることと、ろくに知りもしない他人の不倫報道に怒り狂ってネットで叩く人間に溢れた世界と、果たしてどちらが「異常」なのか。
    そんな、どこまでも根元的な問いを突きつけてくる漫画。

    嗚呼、恐ろしい。
    読み終えてしばらくは、何かにつけてこの漫画のことを思い出し、考え込んでしまうだろう。
    この先のあなたの人生に、よくも悪くも「残って」しまう漫画だと思う。

    優れた作品はいつも、答えではなく、問いを残す。

    59人の方が「参考になった」と投票しています

  6. ブスの鍵

    えー、昔から、「男は度胸、女は愛嬌」などと申しまして、女性というのは多少、見てくれはアレでも、立ち居振る舞い、雰囲気次第では魅力的に見える、とまあ、こういうことなんであります。

    なんて書き始めてはみたけれど、それにしたって限度があるだろ。
    というレベルのブスである。
    そのブスが、実にたくましく世の男性たちを手玉に取る、というストーリー。

    彼女が男性をゲットするテクニックは、胃袋をつかむとか、上手く焦らすとか、まあよくある話で、そこまでの説得力はないのだが、核心は、そういう小手先の技ではない。
    最大のキーポイントは、「自信」ではないかと思う。

    主人公の女性は、「私って男性から見て魅力的に映るかしら?」などと疑わない。
    かといって、「私って美しいわ」と勘違いしているわけでもない。
    だってブスなんだから。
    ただ、自分がブスであるという事実に、人生をコントロールされていない。
    彼女にとって外見はアドバンテージではないけれど、コンプレックスでもない。
    そんなもの、「どうでもいい」のだ。
    外見が武器にならないなら、別の武器で勝負すればいい。
    そして、必ず勝つ。
    然るべき技術を行使すれば、男は必ず自分にひざまずく。
    そういう絶対的な、自信。
    その自信こそが彼女の核であり、そういうブスの描き方は、なかなか面白いと思った。

    十年くらい前に、首都圏で「婚活殺_人」なんて呼ばれた事件があって、男を次々とたぶらかしては殺して財産を奪った女が逮捕されて「毒婦」などと称されていたが、どんな美人かと思って見てみたら、それはもうアレな感じだった。
    ただ、法廷での彼女の言動からは「なぜにそこまで」という自分の魅力に対する圧倒的な自信が感じられた。

    男を虜にするブスの鍵には、案外、共通点があるのかもしれない。

    144人の方が「参考になった」と投票しています

  7. 呪いの招待状 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    「お約束」の拒否

    読み始めると、止まらなかった。
    何ポイント献上したかわからん。
    私がオムニバスを好きなこともあるが、それにしても、毎回、見事な安定感、そしてテンポのよさ。

    何が凄いって、作品として、一貫して冷徹にルールを守っているところだ。
    主人公は依頼人の寿命と引き換えに呪殺を請け負う死神みたいな存在だが、あくまで漫画の主人公だ。
    だから普通は、もうちょっと融通が利く。
    つまり、ルールを破る。
    漫画の展開として、都合のいいことをやる。
    具体的に言えば、「いくら何でもこの人が死ぬのは可哀想だろ」という人は、殺さない、とか。
    言い方は悪いが、「死んでもいい」と読者が感じるようなキャラを、被害者に設定する、とか。
    一度は請けた依頼でも、それが依頼人にとってあまりに悲劇的な結末(例えば勘違いによる呪殺など)をもたらす場合には、それを教えてやってキャンセルさせてやる、とか。
    そういう展開は、基本的に、ない。
    そういう甘さが、この漫画にはない。

    物語としてサクッと感動を演出できるはずの「お約束」よりも、冷徹にルールを守ることを選んでいる。
    そのぶれない姿勢は、作品として、とても美しいと思った。

    27人の方が「参考になった」と投票しています

  8. 幽麗塔 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    地獄を抱えて

    普通のサスペンスは、あくまでスリルや謎解きがメインで、それを彩るための「道具」や「舞台」を用意する。
    その道具や舞台が不気味だったり特異だったりすれば、それがサスペンスを飾るカラーやムードになる。
    そういう意味で、この漫画は完全に異色。
    度肝を抜かれた。

    主要な登場人物のほとんど誰もが少なからず「倒錯」しており、確かに、一種異様な雰囲気はある。
    でもそれは、サスペンスの雰囲気作りのための「装飾」ではない。
    トランスジェンダーを「イロモノ」扱いして、「一風変わった曲者たちが活躍するサスペンス」として描いたほうが、よほどノーマルだったろう。
    繰り返し、この漫画の着地点は、そこではない。
    むしろ、サスペンスを「道具」にしながら、何とか運命を切り開こうともがく人間の姿を描くことこそが、主眼なのではないかと感じた。

    登場人物たちは、皆、屈折している。
    倒錯している。
    一面を見れば、そうだ。
    でも、よくよく考えてみれば、私たちの誰もが、自分の内に地獄のひとつや二つ、抱えているのではなかろうか。
    それが、時代性や社会性の中で、特殊なものとしてクローズアップされるかどうかの違いがあるだけで。
    その地獄を抱えて、それでも地獄には落ちまいと、懸命に運命に抗う人間たちの姿に、胸が熱くなった。
    本作の財宝は、その地獄に光を当てるための手段なのだ。
    これほど美しく、価値ある「宝」を、私は他に知らない。

    この漫画は、サスペンスの姿をした、人間讃歌だと思う。
    ここまで書いて気づいたが、何かそれって、「ジョジョ」みたいじゃん。

    22人の方が「参考になった」と投票しています

  9. あいの結婚相談所 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    新しいハッピーエンドの形

    打算的な結婚を求めたり、結婚に過剰な夢を抱く人々が、「笑うせえるすまん」的なノリで地獄を見る話かと思ったら、全く違った。
    何ともオリジナリティーに溢れる、変化球のハッピーエンドがそこにあった。
    現代は、難しい。
    ロマンチックな恋愛の延長としての結婚を描けば「現実的じゃない」「夢見すぎ」となるし、かといって、打算だけでは寒すぎる。
    そして、どっちを描いても、作品としての新しさは別にない。
    薔薇色の結婚は信じられない、鉛色の結婚は信じたくない、そんなワガママな現代において、「恋愛」から始まるのではない「愛」だってあるかもしれないぜ、という結婚の可能性を描いてみせたことには本当に価値があるし、素晴らしいと思った。

    15人の方が「参考になった」と投票しています

  10. 花園さん、結婚するんだって へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    きっと誰もが、呪いと地獄を

    主人公=花園さんの姿を敢えて見せず、花園さんによって何かしらの影響を受けた周囲の人々にスポットを当てて展開してゆく前半が、まず、とても魅力的だった。
    この描き方は、花園さんを直接描写する以上に、花園さんのイメージを雄弁に語っていると思った。
    花園さんをどんなに美しく描いても、描いた瞬間、それは描いた以上のものではなくなる。
    しかし、直接描かない限りにおいて、私たちの想像の中で、花園さんの美しさと神秘さは無限だからだ。

    周囲の人々のエピソードの中では、演劇部の話が一番好きだった。
    恋でも愛でもない、友情や尊敬でもない、憧れともちょっと違う、ただ、誰かが美しいというそれだけのことが、あまりに決定的に人を魅了してしまうことがある、という瞬間の説得力とリアリティー、けれど、せっかく気づいたその感情がもはやどこにも繋がっていけないという切なさと、それでも何もせずにはいられなかった若くて瑞々しい力、拙い垂れ幕に込められた本物の気持ちには、涙が溢れた。

    後半では、花園さんもまた、彼女なりの呪いと地獄を抱えていたことが、わかる。
    どんなに美しくても、皆から憧れられても、羨まれても、恵まれているように見えても、生きてゆくということは、ただそれだけで、多分、ハードモードなのだ。
    天才も凡人も、善人も悪人も、きっと誰もが、自分の内には、何かしらの呪いや地獄を抱えて生きているのだ。
    私はそう思うから、いくらストーリーが非現実的な展開に見えようと、この漫画が描いた、人の美しさの内に秘められた呪いと地獄のリアリティーは、本当に素晴らしいと思った。

    12人の方が「参考になった」と投票しています

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