「roka」さんの漫画レビューと感想(ネタバレ非表示)

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rokaさん

レビュアーランキング32

  1. 評価:5.0 45件
  2. 評価:4.0 44件
  3. 評価:3.0 40件
  4. 評価:2.0 18件
  5. 評価:1.0 11件
レビュー投稿数:158件
ネタバレあり:8件
ネタバレ無し:150件
参考になった数:295
参考になった割合:91%
全ての内容:全ての評価 1 - 10件目/全158件

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  1. マイホームヒーロー へのレビュー

    評価:4.000 4.0

    3人の方が「参考になった」と投票しています。

    ぶれる善悪

    ひょんなことから殺_人者になってしまった父親のストーリー。
    漫画の中では「ヒーロー」だが、やっていることは結構エグい。
    ただ、「普通の父親がそこまで出来るか?」という突っ込みどころを、「推理小説マニア」という設定で上手くかわしたところが巧妙である。

    マンションの風呂場で死体を解体して…なんていう事件は、実際、数年前にあった。
    そのニュースを見たときの苛立ちと嫌悪感を、私は覚えている。
    行為としては、この父親がやっていることも、同じだ。
    しかしおそらく、私を含めた多くの読者が、この父親サイドについて、応援したはずである。
    そういう「ぶれ」を、私たちの善悪の意識は含んでいる。
    「許せない」とか感じたはずの行為を、「娘のため」というちっぽけな(と言っていいかは難しいが)「理由」や「事情」や「大義」さえあれば、あっさり許して応援すらしてしまう、というような、ぶれ。
    それを、計算ずくで提示しているような漫画だと思った。
    そういう意味では何とも底意地の悪い、怖い漫画である。

    私は、善悪のぶれを、全否定するつもりはない。
    それが、人間らしさというものかもしれない。
    ただ、思うのは、自分たちの善悪の基準なんて非常に曖昧なものだ、という事実に対して無自覚なのは、とても危険なことだ。
    私たちはいつの間にか、適当に誰かの「行為」を取り上げて、むやみに断罪してはいないだろうか。
    そこにあったかもしれない、「理由」や「事情」や「大義」を無視して。

    日馬富士の引退会見を見ながら、私はこの漫画を思い出して、そんなことを考えていた。

  2. あいの結婚相談所 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    11人の方が「参考になった」と投票しています。

    新しいハッピーエンドの形

    打算的な結婚を求めたり、結婚に過剰な夢を抱く人々が、「笑うせえるすまん」的なノリで地獄を見る話かと思ったら、全く違った。
    何ともオリジナリティーに溢れる、変化球のハッピーエンドがそこにあった。
    現代は、難しい。
    ロマンチックな恋愛の延長としての結婚を描けば「現実的じゃない」「夢見すぎ」となるし、かといって、打算だけでは寒すぎる。
    そして、どっちを描いても、作品としての新しさは別にない。
    薔薇色の結婚は信じられない、鉛色の結婚は信じたくない、そんなワガママな現代において、「恋愛」から始まるのではない「愛」だってあるかもしれないぜ、という結婚の可能性を描いてみせたことには本当に価値があるし、素晴らしいと思った。

  3. 幽麗塔 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    5人の方が「参考になった」と投票しています。

    地獄を抱えて

    普通のサスペンスは、あくまでスリルや謎解きがメインで、それを彩るための「道具」や「舞台」を用意する。
    その道具や舞台が不気味だったり特異だったりすれば、それがサスペンスを飾るカラーやムードになる。
    そういう意味で、この漫画は完全に異色。
    度肝を抜かれた。

    主要な登場人物のほとんど誰もが少なからず「倒錯」しており、確かに、一種異様な雰囲気はある。
    でもそれは、サスペンスの雰囲気作りのための「装飾」ではない。
    トランスジェンダーを「イロモノ」扱いして、「一風変わった曲者たちが活躍するサスペンス」として描いたほうが、よほどノーマルだったろう。
    繰り返し、この漫画の着地点は、そこではない。
    むしろ、サスペンスを「道具」にしながら、何とか運命を切り開こうともがく人間の姿を描くことこそが、主眼なのではないかと感じた。

    登場人物たちは、皆、屈折している。
    倒錯している。
    一面を見れば、そうだ。
    でも、よくよく考えてみれば、私たちの誰もが、自分の内に地獄のひとつや二つ、抱えているのではなかろうか。
    それが、時代性や社会性の中で、特殊なものとしてクローズアップされるかどうかの違いがあるだけで。
    その地獄を抱えて、それでも地獄には落ちまいと、懸命に運命に抗う人間たちの姿に、胸が熱くなった。
    本作の財宝は、その地獄に光を当てるための手段なのだ。
    これほど美しく、価値ある「宝」を、私は他に知らない。

    この漫画は、サスペンスの姿をした、人間讃歌だと思う。
    ここまで書いて気づいたが、何かそれって、「ジョジョ」みたいじゃん。

  4. 血の轍 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    4人の方が「参考になった」と投票しています。

    祭りの前の怖さ

    今のところ、だが。
    幽霊も吸血鬼も出てこない。
    狂った、というほど異常な人間も見当たらない。
    何より、まだ、何も起きていない。
    なのに、怖い。
    平坦にすら見える日常が、怖い。
    そこに、どうにも破綻の予感がして仕方がない。
    何かとんでもなく不幸なことが、いずれ起こるに違いない、という予感的な怖さ。
    不穏、という言葉が一番近いのか。
    でも、それでも足りない。
    これは、漫画でしか描けない種類の怖さである気がする。

    この作者は、「漂流ネットカフェ」や「ハピネス」のような、現実の枠を超えたストーリーよりも、日常を舞台にする方が、本領発揮となるのではないかと感じた。

    余談だが、群馬県出身の私にとっては、登場人物たちの群馬弁はすっと入ってくるし、郷愁を誘われるものであった。
    ちょっと得をした気分である。
    だが、その郷愁すら、うすら寒い恐怖を連れてくる。
    何てことだ。

    この怖さは、素晴らしい。
    これからきっと、何かが起こるのだろう。
    そうなったときにも、どうか素晴らしい漫画であってほしい。
    「祭りは準備をしているときが一番楽しい」などというが、それを超える祭りがこの先にあることを願ってやまない。

  5. 惡の華 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    4人の方が「参考になった」と投票しています。

    歪んだ「スタンド・バイ・ミー」

    映画「スタンド・バイ・ミー」を観るといつも思う。
    そこにいる少年たちは、自分の少年時代とは絶対的に違うのに、そこにある何かは、絶対的に自分の少年時代のものだな、と。
    この漫画に対しても、同じことを感じた。

    私の、というか多くの読者の思春期は、さすがにここまで歪んではいなかったはずだ。
    にもかかわらず、この漫画にあるのは、私の歪みであり、あなたの歪みである。
    「黒歴史だよね」なんて飲み会で笑って話せるレベルではない思春期の記憶を持つあなたに、この漫画は、きっと刺さる。

    今さらどうにもならない、甘くて苦い記憶を、感傷を、行き場のなさを、顕微鏡並みの倍率で誇張して見せつけたような作品であって、だから私は、この漫画を無視できない。
    恐ろしく歪んだ「スタンド・バイ・ミー」のような名作。

  6. 刑事ゆがみ へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    2人の方が「参考になった」と投票しています。

    だまされた

    本格的な刑事モノかと思って読み始めた。
    ところが、ゆるい絵柄、登場人物たちのふざけたネーミングなどは、完全にギャグ漫画のそれだった。
    (人が転落したマンションの名前が天楽マンションって…)
    だまされた、と思った。

    ただまあ、それこそ振り込め詐欺じゃないけれど、だまされる方もアレか、ということで、しばらく読み続けた。
    そしたら、おいおい、である。
    現代の犯罪の裏側や、警察内部の動きの描写なんかは実に丁寧で、完全に「本格」のそれであった。
    何より、表面的にはふざけた刑事が見せる人間に対する洞察の鋭さと深さ、心に秘めた哀愁、そして犯罪者とのドラマチックな関わりは、クラシックと言って差し支えない完成度で、うっかり感動してしまった。

    何だよこれ。
    二回もだまされた。
    途中でやめなくてよかった。
    こういう変な出会いがあるから、漫画って、いいな。

  7. ギャラリーフェイク へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    2人の方が「参考になった」と投票しています。

    隠れた名作

    レビューの件数からすると、あまり知られていないのだろうか。
    「贋作」をモチーフにした、心踊るミステリである。
    基本的に一話が短く、どんどん読めるし、やめどきが難しいくらい引き込まれる。
    作品のキモはディテールで、古今東西の美術にまつわる作者の丁寧なリサーチには頭が下がる。
    それでいて、一般読者がついていけないようなマニアックな次元まで走ることはない、そのバランス感覚も絶妙だ。
    また、実在の美術品をアイテムに使いながら、事実を上手に広げたり膨らませたりしてエンターテイメントとして成立させる手腕には脱帽する。
    まるで秘匿された美術品そのもののような、隠れた名作。
    是非、多くの人に読んでほしい。

  8. モンキーピーク へのレビュー

    評価:4.000 4.0

    3人の方が「参考になった」と投票しています。

    見所の多いサバイバル

    映画でも漫画でも、サバイバル系は、「メインの敵」以外に焦点があると面白い。
    そういう意味で、この漫画は成功している。

    その1…VS猿。
    これがもちろんメインだが、「本当に猿なのか?」という謎もあり、一筋縄ではない。

    その2…内部の人間の裏切り。
    自分が生き残るために、仲間を売る奴らとの攻防。

    その3…内部犯の可能性。
    何と内部の人間に猿の仲間がいる可能性あり。
    敵が人間ならともかく、猿の仲間??
    謎めいた展開。
    上手く回収してほしいけど。

    その4…「山」の脅威。
    舞台が険しい山なので、猿の他に、自然との戦い、という側面もある。

    その5…疑心暗鬼からの仲間割れ。
    誰も信じられなくなり、登場人物たちが正気を失ってゆく、という王道パターンだが、生命維持に不可欠な「水」の問題を絡めることで、この展開に説得力を与えている。

    ということで、なかなか見所の多いサバイバルホラーになっていると思う。

  9. 社畜と幽霊 へのレビュー

    評価:4.000 4.0

    2人の方が「参考になった」と投票しています。

    それどころじゃない

    ブラック企業の会社員と、かまってほしい幽霊の漫談的なコメディ。
    一貫して「それどころじゃない」という主人公のスタンスがいい。
    一般的なホラー作品では、幽霊が出てくることが一大イベントで、そのイベントを中心に作品が回る。
    でも、「この書類を上げるまでは、幽霊どころじゃない」というのは、現実的には、結構あり得る状況だと思う。
    そういう意味で、「普通の」ホラーの「お約束」に対するアンチ・テーゼみたいな漫画でもあるし、幽霊すら優先できない日本の企業社会ぶりに対する風刺みたいな漫画でもあって、なかなか含蓄は深いと思う。

  10. 最底辺の男-Scumbag Loser- へのレビュー

    評価:4.000 4.0

    11人の方が「参考になった」と投票しています。

    ジャンル変貌の妙技

    スタートで「こういう話かな」と思っていたのを、いい意味で、かなり裏切られた。
    「フロム・ダスク・ティル・ドーン」というジャンル崩壊映画があるが、それをちょっと思い出した。
    この手の作品は、ジャンルの切り替えが上手く決まらないと「何やねん」という悲惨な出来になるが、なかなかバシッと決まっていたと思う。

    また、基本的にはリアリティーもクソもない話だが、主人公のキモい男の「最底辺だけは嫌だ」という信条は、その是非はともかく、現代の価値観としてなかなかリアリティーがあったし、何より、漫画の主人公の価値観として新しさを感じた。
    個人的には、「僕たちがやりました」のトビオの「普通でいい」という価値観と双璧である。

    そして、この魅力もクソもない主人公でどうすんだよと思いきや、人間に対する観察眼の鋭さや、常人離れした嗅覚という設定を巧みに生かして、意外とカッコよく見せた手腕は、見事と言う他にない。

    惜しむらくは、まあ、表紙がひどい。

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