「roka」さんの漫画レビューと感想(ネタバレ非表示)

rokaさんのレビュー一覧

rokaさん

レビュアーランキング4

  1. 評価:5.0 64件
  2. 評価:4.0 70件
  3. 評価:3.0 62件
  4. 評価:2.0 21件
  5. 評価:1.0 12件
レビュー投稿数:229件
ネタバレあり:11件
ネタバレ無し:218件
参考になった数:1748
参考になった割合:93%
全ての内容:全ての評価 1 - 10件目/全229件

※このページはネタバレ非表示のページです

ネタバレありのレビューを見る
  1. あいの結婚相談所 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    12人の方が「参考になった」と投票しています。

    新しいハッピーエンドの形

    打算的な結婚を求めたり、結婚に過剰な夢を抱く人々が、「笑うせえるすまん」的なノリで地獄を見る話かと思ったら、全く違った。
    何ともオリジナリティーに溢れる、変化球のハッピーエンドがそこにあった。
    現代は、難しい。
    ロマンチックな恋愛の延長としての結婚を描けば「現実的じゃない」「夢見すぎ」となるし、かといって、打算だけでは寒すぎる。
    そして、どっちを描いても、作品としての新しさは別にない。
    薔薇色の結婚は信じられない、鉛色の結婚は信じたくない、そんなワガママな現代において、「恋愛」から始まるのではない「愛」だってあるかもしれないぜ、という結婚の可能性を描いてみせたことには本当に価値があるし、素晴らしいと思った。

    12人の方が「参考になった」と投票しています

  2. 花園メリーゴーランド へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    9人の方が「参考になった」と投票しています。

    価値観クラッシャー

    「夜_這い」の風習が残る、前近代的な村社会に迷いこんだ少年を主人公にした作品。

    恐ろしい漫画である。
    読者の価値観に揺さぶりをかける、というか、ほとんど破壊しようとするほどの勢いだ。

    作中、村の生活を「おかしい」と言う主人公の少年に、一人の女性が答える。
    性なんて、腹が減ったら飯を食うのと同じ、生活の一部だ、と。
    この村の人たちはずっとそうやって幸せに暮らしてきた、何がいけないのか、と。
    これは、少年に向けられた問いであるのと同時に、読者に突きつけられたこの漫画の毒でもある。
    少年は、答えられない。
    私も、答えられなかった。

    一夫一妻の制度も、ロマンチックラブの観念も、不倫を悪とする価値観も、全て、私たちが後天的に知る、ある種の幻想に過ぎない。
    幻想もなめたものではない。
    その幻想が、私たちの存在を支えているからだ。
    しかし、である。
    この漫画は、読者に問いかける。
    あなたはこの村の風習を「異常だ」と感じるかもしれないが、仮にこの村に生まれたならば、あなたは村の性の自由さに疑問を持ったか。
    あなたを支えている幻想は、別の社会の幻想を見下したり切り捨てたりできるほど立派なのか。
    性が解放されている、というだけのシンプルな世界に生きることと、ろくに知りもしない他人の不倫報道に怒り狂ってネットで叩く人間に溢れた世界と、果たしてどちらが「異常」なのか。
    そんな、どこまでも根元的な問いを突きつけてくる漫画。

    嗚呼、恐ろしい。
    読み終えてしばらくは、何かにつけてこの漫画のことを思い出し、考え込んでしまうだろう。
    この先のあなたの人生に、よくも悪くも「残って」しまう漫画だと思う。

    優れた作品はいつも、答えではなく、問いを残す。

    9人の方が「参考になった」と投票しています

  3. 幽麗塔 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    9人の方が「参考になった」と投票しています。

    地獄を抱えて

    普通のサスペンスは、あくまでスリルや謎解きがメインで、それを彩るための「道具」や「舞台」を用意する。
    その道具や舞台が不気味だったり特異だったりすれば、それがサスペンスを飾るカラーやムードになる。
    そういう意味で、この漫画は完全に異色。
    度肝を抜かれた。

    主要な登場人物のほとんど誰もが少なからず「倒錯」しており、確かに、一種異様な雰囲気はある。
    でもそれは、サスペンスの雰囲気作りのための「装飾」ではない。
    トランスジェンダーを「イロモノ」扱いして、「一風変わった曲者たちが活躍するサスペンス」として描いたほうが、よほどノーマルだったろう。
    繰り返し、この漫画の着地点は、そこではない。
    むしろ、サスペンスを「道具」にしながら、何とか運命を切り開こうともがく人間の姿を描くことこそが、主眼なのではないかと感じた。

    登場人物たちは、皆、屈折している。
    倒錯している。
    一面を見れば、そうだ。
    でも、よくよく考えてみれば、私たちの誰もが、自分の内に地獄のひとつや二つ、抱えているのではなかろうか。
    それが、時代性や社会性の中で、特殊なものとしてクローズアップされるかどうかの違いがあるだけで。
    その地獄を抱えて、それでも地獄には落ちまいと、懸命に運命に抗う人間たちの姿に、胸が熱くなった。
    本作の財宝は、その地獄に光を当てるための手段なのだ。
    これほど美しく、価値ある「宝」を、私は他に知らない。

    この漫画は、サスペンスの姿をした、人間讃歌だと思う。
    ここまで書いて気づいたが、何かそれって、「ジョジョ」みたいじゃん。

    9人の方が「参考になった」と投票しています

  4. 羊の木 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    9人の方が「参考になった」と投票しています。

    異常なほど独特

    正直、星を五個つけている他の漫画ほど気に入ったわけではないし、人に薦めようとも思わない。
    しかし、あまりに独特な作品の空気に、半ば強引に引っ張られてしまった。

    元受刑者たちのキャラクター造形の巧みさ。
    現実にいたらどう考えても一緒にいたくない人間さえ、何となく許せたり、可愛らしく見えたりしてしまうところに、フィクションとしての力量を感じた。

    「本音と建前」を描いた漫画なのだという。
    そういう側面は確かにあるが、個人的には、読者に対してとても挑戦的な、悪く言えば、意地の悪い作品だと思った。
    だって、考えざるを得ない。
    元受刑者たちが来るのが、自分の町だったら、と。
    「嫌だよ、勘弁してくれよ」という自己保身のエゴと、「生き方によっては許されるべき過ちもあるのではないか、必死で真っ当に生きようとする人間すら拒絶するのか」という倫理の間で、揺れる。
    登場人物が、ではない。
    読者が、だ。
    登場人物は、そんなにマジで葛藤していない。
    だってこれはギャグ漫画なのだ。
    よりにもよってギャグ漫画が、読者の良心や倫理観を試そうとする。
    そんなのありか。

    そして、ギャグ漫画でありながら、「何かとんでもないことが起きるんじゃないか」という不穏な空気が、ずっとある。
    暴力や破綻への嫌な予感が、静かな不安感が、絶えずある。
    繰り返し、よりにもよって、ギャグ漫画の中で。
    私は笑いながら、怯えていた。

    いやほんと、何なんだ、これは。

    9人の方が「参考になった」と投票しています

  5. ROUTE END へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    5人の方が「参考になった」と投票しています。

    ストーリーで勝負

    奇抜な設定や一発ネタに頼るでもなく、美麗な作画で魅了するわけでもなく、あくまでストーリー一本で勝負だ、という実に硬派な漫画である。

    話として面白いことはもちろん、それぞれに何かを背負った登場人物たちの描写が丁寧で、しかも説明しすぎず、バランス感覚が絶妙である。
    ぞくぞくするほど引き込まれた。
    「続きが気になる」とはよく聞くが、自分は、読み始めてしまえば、大抵の漫画でそうなる。
    しかし、本作の「続きが気になる」のレベルは群を抜いている。
    「気になる」なんて次元ではない。

    個人的に、ストーリーに偏った漫画は、「なら小説でいいじゃん」と思うことが多いけれど、ここまで見事にやられると、そんな考えは吹き飛ぶ。

    解かれていない謎や伏線(らしきもの)は豊富にあるが、「大丈夫か、ちゃんと回収されるのか」という不安は湧かない。
    「きっと上手くやってくれる」という期待が圧倒的に大きい。
    そんな信頼感すら抱かせる、見事な漫画である。

    5人の方が「参考になった」と投票しています

  6. 惡の華 へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    5人の方が「参考になった」と投票しています。

    歪んだ「スタンド・バイ・ミー」

    映画「スタンド・バイ・ミー」を観るといつも思う。
    そこにいる少年たちは、自分の少年時代とは絶対的に違うのに、そこにある何かは、絶対的に自分の少年時代のものだな、と。
    この漫画に対しても、同じことを感じた。

    私の、というか多くの読者の思春期は、さすがにここまで歪んではいなかったはずだ。
    にもかかわらず、この漫画にあるのは、私の歪みであり、あなたの歪みである。
    「黒歴史だよね」なんて飲み会で笑って話せるレベルではない思春期の記憶を持つあなたに、この漫画は、きっと刺さる。

    今さらどうにもならない、甘くて苦い記憶を、感傷を、行き場のなさを、顕微鏡並みの倍率で誇張して見せつけたような作品であって、だから私は、この漫画を無視できない。
    恐ろしく歪んだ「スタンド・バイ・ミー」のような名作。

    5人の方が「参考になった」と投票しています

  7. 刑事ゆがみ へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    4人の方が「参考になった」と投票しています。

    だまされた

    本格的な刑事モノかと思って読み始めた。
    ところが、ゆるい絵柄、登場人物たちのふざけたネーミングなどは、完全にギャグ漫画のそれだった。
    (人が転落したマンションの名前が天楽マンションって…)
    だまされた、と思った。

    ただまあ、それこそ振り込め詐欺じゃないけれど、だまされる方もアレか、ということで、しばらく読み続けた。
    そしたら、おいおい、である。
    現代の犯罪の裏側や、警察内部の動きの描写なんかは実に丁寧で、完全に「本格」のそれであった。
    何より、表面的にはふざけた刑事が見せる人間に対する洞察の鋭さと深さ、心に秘めた哀愁、そして犯罪者とのドラマチックな関わりは、クラシックと言って差し支えない完成度で、うっかり感動してしまった。

    何だよこれ。
    二回もだまされた。
    途中でやめなくてよかった。
    こういう変な出会いがあるから、漫画って、いいな。

    4人の方が「参考になった」と投票しています

  8. ハピネス へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    3人の方が「参考になった」と投票しています。

    押見修造への謝罪

    以前、一巻だけ読んで、放っておいた。
    そのときは、押見修造という作者は、「惡の華」みたいに、「現実枠」の中のストーリーの方がいいな、なんて思ったのだ。
    私が阿呆だった。
    サスペンスとしてもスリラーとしてもラブストーリーとしても一級品、という稀有な名作である。

    登場人物たちは皆、それぞれの痛みを抱えながら必死に生きようとしていて、誰に、というか、ほとんど誰も彼もに、私は感情移入してしまった。
    現在六巻、この先に果たして、どんな「ハピネス」があり得るのだろう。
    でもどうか、決死の覚悟で生き延びた人々を待つのが、ハピネス、であってほしい。

    押見修造は、この漫画の中で、ある意味、「惡の華」と同じことを描こうとしているのではなかろうか。
    過去にとらわれて生きる人々の必死のもがきと悲しみ、そして、どうやっても「普通」に生きられないことの悲しみ。
    それはまさしく、「惡の華」で私が魅了された要素だった。
    キャラクターは全然違うけれど、「惡の華」の仲村さんと、「ハピネス」のノラが、私にはだぶって見えた。
    「普通」でいられない存在の魅力と美しさと危うさを、押見修造は、バンパイアというメタファーに落とし込んで、見事に描き出した。
    それは新しい挑戦であり、冒険であったのだと思う。
    それを真摯に受け止めなかったいい加減な読者としての過去を、押見修造に謝りたくなった。
    ごめんなさい。
    素晴らしい作品です。

    3人の方が「参考になった」と投票しています

  9. ギャラリーフェイク へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    3人の方が「参考になった」と投票しています。

    隠れた名作

    レビューの件数からすると、あまり知られていないのだろうか。
    「贋作」をモチーフにした、心踊るミステリである。
    基本的に一話が短く、どんどん読めるし、やめどきが難しいくらい引き込まれる。
    作品のキモはディテールで、古今東西の美術にまつわる作者の丁寧なリサーチには頭が下がる。
    それでいて、一般読者がついていけないようなマニアックな次元まで走ることはない、そのバランス感覚も絶妙だ。
    また、実在の美術品をアイテムに使いながら、事実を上手に広げたり膨らませたりしてエンターテイメントとして成立させる手腕には脱帽する。
    まるで秘匿された美術品そのもののような、隠れた名作。
    是非、多くの人に読んでほしい。

    3人の方が「参考になった」と投票しています

  10. 名探偵コナン へのレビュー

    評価:5.000 5.0

    2人の方が「参考になった」と投票しています。

    もう「殿堂入り」でいい

    学生時代はとても楽しく読んだし、今読んでも好きなエピソードはある。
    子どもでもついていける明るいトーンでありながら、時々、ギクッとするくらい人間のダークサイドや運命の残酷さに切り込んでくる、妙なバランス感覚が好きだ。
    「金田一少年」のように「復讐」に偏った犯人像ではなく、保身、金銭欲、誤解、奇妙なこだわりなど、動機が多岐にわたるのも見所がある。
    ときには「これ、コナン君だよな?」と思うような哀愁や切なさが犯人に滲む回があり、それが大好きだった。
    個人的には、「クモ屋敷」のエピソードがイチオシ。
    何より、殺/人事件という、一般に健全とは見なされがたいモチーフを、漫画の一ジャンルとして、あり得ないほどポップな地平に押し上げたその功績は、もう「殿堂入り」と言って然るべきではないだろうか。

    2人の方が「参考になった」と投票しています

全ての内容:全ての評価 1 - 10件目/全229件