3.0
死んだ人助け
死者の声が聞こえる主人公が、「死んだ人助け」をする話。
「死者の無念を晴らす」とよく言うが、現実世界において、基本的にそれは「生者のため」のものであり、死者はただ死んでいるだけである。
しかし、本作はあくまで「死者のために死者を救う」物語である。
このあたりは正直、もう少し踏み込んでほしかったけれど、「多重人格探偵サイコ」の大塚英志が絡んでいるだけあって、「死を徹底して描く」ことにはしっかりエネルギーを使っている。
主人公の仲間たちも、死体限定ダウジングの天才、アメリカ帰りのエンバーミング(死後処置)の資格保持者、宇宙人と交信できるチャネリング青年、とバラエティー豊かで、なかなか楽しい。
個人的には、もう少し現実に寄せてほしかった気もするが。
あとは、これだけ死を描きまくる漫画でありながら、絵柄の問題か画力の問題か、死体の描写がちょっと迫力に欠けるのは気になった。
- 5