5.0
切ない
何年か前にドラマで見て知ってはいた。その時は、「もしかして、同級生のあの子はそうだったのかな、だとしたら納得」くらいに思っていた。
でも出産育児も経験した今は、涙なしには読めない。
isであることに悩みと諦めとが共存し、仕方がない、普通になりたい、どうしようもないという思いを抱えながらなんとか社会に適応してきた主人公たち。ところが、どうしようもなく自分の性に真正面から向き合わなければならないのが、好きな人ができた時。
思春期の春君の話はとても複雑で、只々、苦しい。ありのままの自分でいたい。でもありのままが何なのかさえわからない。自分のことを知ってほしい、でも怖い。
2000人に一人の割合。今までの人生できっとどこかで出会っている。LGBTの方も含めて、理不尽に傷つけられることがないよう、彼らが堂々と生きていける世の中になることを願う。
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