【ネタバレあり】マトリズムのレビューと感想（2ページ目）

好奇心や安易な気持ちで手を出す人が多いんだろうなぁと思っていたけど、旦那が浮気した、子供のいる主婦の話は読んでいて心が痛かった。
旦那が家出して奥さんは精神的にボロボロなのに、子供との生活を守るため頑張ろうと気を張ったのが辛かったんだろうな…と思う。そんな中、頼った相手がたまたま薬を持っている人で……本当にたまたまだったのかもしれないけど、そんな身近な場所にまで薬は蔓延していると思うと恐ろしい。
どんな時・どんな状態でも手を出さない強い意志を持たなければいけないと思う。
薬物に手を出すきっかけって現実も案外こんななんだろうなぁと思って読みました。

こわい

薬物にとりつかれた人たちの生き方や背景が描かれています。一度手を出したら人間じゃなくなるという現実は、意外にわかりません。
自分が高校生くらいまでは一定期間に何回か先生たちからの注意喚起がありましたが、オバサンになると捕まった人のニュースしか目にしません。漫画なら読みやすく頭に残ると思うので、一度の誘惑が人生を壊すということを中学生の子に読ませてわかってほしいです。

社会問題にメスを入れる。

鈴木マサカズ先生は、ひきこもりなど、社会問題をテーマにした漫画が多い。
普段は知らない世界であっても
それは、身近な問題であることが漫画を通して伝わってくる。

薬物の問題も、きっかけは「疲れ」「親子や、夫婦間の不和」など
原因はどこにでもあることが、改めて判る。
私達は弱い生き物なので、入口は沢山ある。
そのことを作品を通して知っておきたい。

クスリは怖いよって話

知らない世界の話を読むのが好きで、読み始めて…生徒から取り上げたものを吸ってしまう先生の話の途中まで読みました。そこまでは興味深く、怖いな、薬ってここまで人生をめちゃくちゃにしてしまうんだな…と思いながら読んでいたのですが、この話で急に読むのがしんどくなり…。先に進めなくなってしまいました。

なんでだろう。私はもちろんやったことありませんが、なんか読んでて気分が悪くなりました。

でも薬って怖いよね、ということと、ちょっとした好奇心が人生崩壊に繋がることがよく描かれている作品だと思います。

堕ちていく姿

主婦の回の、堕ちていく姿が怖かった。
旦那が愛人の所から帰って来ず、貯金も使い込まれ、不安から逃げるように薬物に手を出す。いたたまれなく、気の毒。
せっかくの子供の貯金も薬物に注ぎ込まれる。
最後に、子供の手を引き帰って行く旦那。一応子供の元に旦那は戻ってきた事にはなるが、、この夫婦はもうダメだろうな。
しね馬鹿旦那と言いたい。全部お前のせいだ

ジワジワと、怖くなってきます。

はじめは、しょせん他人事、と思って読んでいましたが、
だんだんと、これは自分にもあり得るんじゃないか?っ思えてくる。
そのうちに、薬に嵌まっていない今の人生はタマタマラッキーだっただけなんじゃないか？
ラッキーが一つでも欠けていたら、登場人物達と同じようになっていたのではないか？と、思えてくる。
怖いです。

先生が自首してくれて良かった

薬物に手を出してしまった人達別に話が分かれていて、サクサク読みやすいです。
途中、高校教師が生徒が持っている薬を興味本位で使ってしまい、薬物中毒になってしまった話があるんですが、生徒と話すことによって先生が「おかしいのは自分だ」と気付き、自首したのは本当良かったと思いました。

考えさせられる作品です。

日常に

すぐそこに潜む危険…。一見深く見えないけれど、落ちてみると底なし沼。
そちら側に落ちないように普段から気をつけていても、ほんのちょっとの心の隙間にそっと入り込んでくる恐怖がリアルに描かれていると思います。

意外とおもしろいです。

絵は好みではありませんが、人が何をきっかけに、手を出してしまうのかをいろんなパターンで知ることも出来ました。こんなに人を思ってくれるマトリがいるかはわかりませんが、理解してあげることは自然と相手を救うことにもなるかも…とも思い、考えながら読んでしまいます。
高校の先生の話は、なんだか切なくなりました。

この作家の他の作品を読んだことがあるので、こちらもためし読みしました。
なんだろう。。この作家さんの描くおかしい人は、本当にリアルだ。
お化けより怖いなと思える。
目が特徴的で。
1～2話ごとなので、読みやすいと思います。