4.0
全部読みました。
私は2年前に流産を経験しました。
せっかく私を頼って来てくれた赤ちゃんを産んであげられず、自分をずっと責めてきました。
この作品とは内容を知らずに出会いましたが、産婦人科に訪れる色々な境遇の女性たちを見て、楽になったとは言えませんが、初めて人に話すことができたような気持ちになりました。
赤ちゃんが戻ってくることはもうありませんが、きっとあの子の命には意味があった、私の心の一部になったんだと思って生きていきたいと思うことができました。
作品の構成の部分の感想を述べると、内容が内容だけにゆるい感じの絵でうまくバランスがとられています。
作家さんが昔働いていた産婦人科で起こったノンフィクションのような構成で最初は始まったのに、話数が増えるにつれて、それは一個人の知り得ることではないのではないかと思うこと(想像で描いたと思われること)が見られるようになり、作品の取っていた基本的なスタンスに生じたブレに少々の違和感はありました。
最初は「こんなつらい思いをした人もいるんだ…」と思って涙ぐみながら読んでいましたが、最後の方は「こんなこと本当にあったかどうか…」といる気持ちで読んでしまいました。
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