3.0
出発点と着地点
「童貞あるある」みたいなネタを軸にした下らないトーンのギャグ漫画なのだが、作品の出発点としては、結構、志の高い漫画だったんじゃないかと思う。
それは例えば、時代性をとらえたブラックユーモアとか、固定観念に対するアンチテーゼとか、社会の風潮に対して一石を投じるとか、そういうことだ。
ただ、志を持って飛んではみたものの、作品としての着地点を上手く見つけられなかったような気がする。
全く別のジャンルだが、「多重人格探偵サイコ」という漫画が陥った事態に似ていると思った。
その志や、よし。
だが、行く先は、と。
別の道もあり得たと思うのだが、どうにも平凡なラブコメに帰着してしまった印象が拭えず、残念であった。
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