5.0
第一話目
伊藤博文の妻・梅子夫人のお話を全て読みました。
大変勉強になりました!
歴史の影に女あり。
いえ、歴史を作っているのは女なのかもしれません。
幕末から明治末期にかける動乱の時代を
一身に背負って、現在の日本という国の基礎を築いてくれた
伊藤博文さんにとても感謝しております。
偉大だと思います。
そしてその伊藤さんを必死に支えた奥様の梅子さんは
もっと偉大だと痛感しました。
本当によく出来た人だなぁと思います。
伊藤博文の女性関連の乱倫ぶりは知っていました。
女性を一人の人間として扱わない、道具としてしか見ていない
彼のやり方には怒りを覚えます。
しかしこの時代、
前代未聞の、実に様々な事件や戦争があったんですよね!
普通の精神状態ではいられないでしょうね。
明治維新が終わったのも束の間、次は対外戦争の脅威にさらされる、
いわゆる帝国時代へ突入。
例えば、大津事件。
この事件で日本全体が大きく揺らぎました。
ロシア帝国との戦争の危機を誰もが危惧したでしょう。
一介の巡査がロシア帝国の皇太子に斬りつけて重傷を負わせた。
この伊藤さんのストレスは想像を絶するものだったと思います!
この時、加害者である巡査を極刑にしたかったのに、
法律では無期懲役にしかできないと司法が判断したんです。
国家あっての法なのか?
法あっての国家なのか?
このような重大な問題を背負い込んで、
伊藤さん達は色々大変な思いをして、事態を乗り越えようとして
くれていたんですね。
恐慌状態に陥って乱行に走る伊藤さんを
なだめ慰め、叱咤激励し続けた梅子さん。すごいです。
女性の力、侮ってはなりませんね。
女性は実にたくましい。
最後は涙が出てきました。
良かったです!
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