4.0
「いとなみ」という題材の扱い方
無料分を読み進めてる途中ですが、お互いを大好きな描写は可愛いし分かります。だけれどもこれほど愛しいと思うなら夜は澄さんが清にすり寄るくらいは直ぐにあってもいいんじゃないかなと思う。清も奥手と言うにはありえないほど手出ししない。結婚前で相手が未成年なら大事にしてるんだなって感想もあるけど結婚後だから読んでて拍子抜けする。
澄さんが求めるけど清が出来ないとかでモヤモヤするとか、やっと清が頑張っても澄さんが意地になるとかそういうちょっとすれ違うとかあったら面白いのに、と思います。
それにしても健康な2人が夜は清(澄)まして何ヶ月も並んで寝るのに気持がもつなんてフィクションすぎる。
触れあえば更にお互いに安心ホルモンが出て絆も深まっていくのに。読んでる側はほんのりほんわかするけど幸せにならない、物足りないと思ってしまいます。
お互いに好きで結婚したのに触れられないなんて、まるで書類夫婦、おままごと。夫婦になって本当に相手を知りたいなら相手の体温を感じたいと思うし、もっと近くで皮膚が邪魔に思えるくらい1つになりたいって求め合うときがあるハズ。
例え実際出来たとしてもその先に次々と乗り越えなきゃ行けない壁は2人の前に現れるし、お互いの自分でも知らなかった素の姿が次々と露わになるのが2人で育てる「いとなみ」だし唯一無二になっていく手段にもなりうる深いもの。その過程で本当の「いとなみ」をしたいと心理的な模索するとかそういう展開にならなかったら軽いし、引き伸ばし引き伸ばしに見えるんじゃないかと思う。
この先も恥ずかしいから、緊張しすぎるからできない、トラウマがあるとかでもなく、経験ないから怖い?というような理由しかないんだったら読み応えはないと思います。
その人を好きなのに出来ない、求められないとなると夜中泣くくらい悩んで落ち込むと思うんだけど、澄さんにはそれがない。なんとなくこの先薄っぺらい作品になるんじゃないかと読み進めるのが心配です。
営みイコール気持ちいい快楽行為としてしか扱えないならこの2人のゴールの描写が陳腐になる恐れもあります。
ほんわかした雰囲気で絵のバランスも奇麗だしセクシーシーンも描ける作者さんなので幸せな営みを是非書き出してほしいです。
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