4.0
邦画独特の陰鬱感が出てる!
「こどちゃ」の世界での映画、という設定ですが、一昔前の邦画ミステリーのジメジメした感じというか、空気感がよく出てるなぁと思いました。「こどちゃ」を読んでいたので「あの撮影シーンはこの部分かー!」と二度美味しかったです。
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「こどちゃ」の世界での映画、という設定ですが、一昔前の邦画ミステリーのジメジメした感じというか、空気感がよく出てるなぁと思いました。「こどちゃ」を読んでいたので「あの撮影シーンはこの部分かー!」と二度美味しかったです。
「こどものおもちゃ」では終始コメディモードだったけれど、この話はなかなかエグい…(いや、それでも時折小花節が飛び出るが)喧嘩したまま死に別れてしまう双子の姉妹が異様な形で再開する事に…想像するのも難しい展開でスリル満点です。
個人的にはわが子(の身体を使った人造人間)を自ら銃で打つというシーンが辛すぎた…
ヒロインが天然だけどイラッとしません。本当に心根が綺麗な子で…泣ける話はいくつもありますが、ヒロインがなぜ誰にでも敬語で話すのか…のくだりはボロ泣きしました。途中作者さんが手を患ったせいもあるのか、長期連載だからか、作画が最初と、最後で相当違います(笑)
大学のサークル棟の匂い(臭い?)まで感じそうな程雰囲気が細かく描かれています。斑目さんが物語が進むにつれどんどんかわいくなっていく。(作画の変化のせいもあるが)オタクの素晴らしきかな人生と痛々しさが見事に描かれています。
ちいちゃんことあきらがもう、思いっきりくらもちさんの描く男性って感じ。不安にさせまくっておきながらヒロインの事大好きなんですよ〜ズルい男だわ〜「怖い事教えてあげようか?」だったっけ?クラクラ来ますね(笑)
オムニバスドラマとそれを演じる俳優たちの物語が交互に繰り広げられるという面白い構成になっています。
嫉妬や劣等感等、主人公の人間らしさがリアルに描かれています。自分のキャラクターをそのまま役に当てられる天性の才能みたいなものを持つ人間、片や努力してもなかなか監督の望む演技に辿り着けない自分…コンプレックス感じちゃうでしょうね〜
歯痒いっ!!日本の(特に熟年の)夫婦ってのはどうしてこう、気持ちを表に出すのを恥としちゃうんでしょうね…( ̄▽ ̄;)お父さんもー…見かねてチビは一肌脱いじゃったのかしら(笑)「栗が好きなのは?」のくだりが凄く好きです。
一般的な「感動」「泣ける」と言われる漫画では、ワン●ースみたいにキャラクターが大コマを使って感情を爆発させたり“良い台詞”を言ったりっていうのが多いですが、この漫画ではそういう表現がほぼない。こういうのの方が心に響くという人も多いんじゃないかな?
しかし主人公(作者)の身近で性的な問題、虐待等が起こり過ぎて「治安悪かったのかな…」と思いました(^^;
多分10代〜未婚の頃に読んだら静子はとにかく恐ろしい母親だと思ったんだろうなぁ…でも人の親になった今読むと、異常さは感じるものの、静子のそこに至るまでの心理がよく分かってしまう。「惡の華」とかは思いっきりティーンエイジャー目線だったのに、この心理描写の違いは凄い。この作者さん、いったい何者…?
こういう“もしも”の設定にはどこか興ざめするツッコミポイントがあったりするけれど、この「死役所」はあり得ないけどなんか興ざめしないフィクション具合で上手く作られてるなぁと思いました。彼のキャラクターかな?彼の役員になるまでの過程が気になる…!!続話購入進めちゃおうかな…
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