大石昌良インタビュー(前編):原作だけでなく、その向こう側まで!楽曲づくりのこだわりとは?“主人公・絶対主義”じゃない、リアルな野球漫画の魅力も語る!

大石昌良インタビュー(前編):原作だけでなく、その向こう側まで!楽曲づくりのこだわりとは?“主人公・絶対主義”じゃない、リアルな野球漫画の魅力も語る!

更新日:2019/01/10 10:00

TVアニメ「けものフレンズ2」オープニングテーマの作詞作曲を担当など、歌から作詞作曲まで大活躍のシンガーソングライター・大石昌良さん。リアルでも面倒な女の子が好きという大石さんのお気に入りのラブコメ漫画は? 原作はとことんリサーチ!という楽曲制作のこだわりもお聞きしました。

アニメソングを作る時は、原作の向こう側までとことんリサーチ!

大石昌良

大石昌良

――普段から漫画は読みますか?

少年誌が大好きなので、15、6歳の頃から「週刊少年ジャンプ」(集英社)「週刊少年マガジン」(講談社)は毎週欠かさずに読んでます。他には、お仕事を通じて新しい作品と出会うこともありますね。

――アニメのタイアップ曲を数多く制作されていますが、楽曲制作の際に初めて知った漫画は読みますか?

もちろんです。作品を作る時は、基本的には原作を読んでから曲を書いたり、歌を歌ったりしていますね。

――漫画から受けたインスピレーションをもとに作曲や作詞をしていくんですか?

インスピレーションというより、作品の世界観をそのまま描こうということが多いです。基本的には、原作者の先生やアニメの監督さんから、こういう感じの楽曲にしたいというご要望があって、その後に書き始めるんです。でもやっぱり言葉だけだと自分の中でイメージ膨らませきれないところもあるので、作品を読むことが大事になってきます。

それに、作品のファンにならないと書けないんですよ。その作品への愛がないと、どうしても隙ができてしまう気がするんです。だから後悔しないためにも、ちゃんと原作を読んで、ファンでいることを大前提として作るようにしていますね。

――アニメオリジナル作品より、原作がある作品の方が曲を作りやすいと感じますか?

個人的には、原作がある作品の方が書きやすいかもしれません。ちゃんとした世界観があれば、それを自分の感性で紐解いて作ってみて、違うと言われてしまったらもう一回書く…という感じで曲を作ることが多いです。原作があるものは、目指すゴールが決まっていて、それに向かって詰めていく感じなので、そうした意味ではやりやすいのかもしれませんね。

大石昌良

大石昌良

――漫画がアニメ化すると、漫画のイメージと合わない主題歌でショック…というようなファンの方もいるようですが、そうしたファンの思いは意識されますか?

その意見もすごくわかります。アニメの主題歌って3パターンあると思うんです。キャラクターが歌う“キャラソン”と呼ばれるものと、アニソンシンガーと言われる方々が歌うものと、アーティストのタイアップソングと呼ばれるもの。そのうち、キャラソンとアニソンシンガーが歌うものについては、原作にうまく着地することが多いんです。でもタイアップとなると、アニメ用に歌われていないものをアニメ側に持ってくることが多いので、どうしても違和感が生まれることもあると思います。

アニメ化や実写化に関しては皆さん本当にシビアなので、僕が曲を作る時は、原作ファンの方々もとことん調べています。どういうタイプの方がいらっしゃるのか、この作品以外だとどういう作品が好きなのか…全部調べてから書きます。

あとは原作を読んだ後、すぐに原作者さんのプロフィールを拝見したり、お顔を調べたりしています。挨拶ができそうだったら、スタッフさんに頼んで挨拶させていただいたりもしますね。

――原作ファンの方々についてもリサーチするのはすごいですね。

本当にいいものって、そういう細かいリサーチがもとで出来上がっていくと思うんです。だからそこには結構時間をかけていますね。

――そうしてとことんリサーチするからこそ、ファンの皆さんや関係者の方々に愛される曲が生まれるんですね。

でも、僕だってけちょんけちょんにリテイクが来るときもありますからね(笑)。この間も7回くらいリテイクがあって、かなり細かく指摘されました。だけど、そうしてより原作のイメージに近づけていくんです。だから自分が作る曲は大体作品に合ってるんじゃないかな、と自信を持っています。

大石昌良

大石昌良

魔法を使えないアスタが奮闘する姿に感動!

――今、何か気になっている漫画はありますか?

ブラッククローバー」 (田畠裕基/集英社) です。今読んでいる全作品の中で、一番続きが気になっている漫画です。魔法騎士団という組織が平和を守っている世界のお話なんですけど、この世界では魔法がすべてなのに、主人公のアスタは生まれつき魔法が使えなくて…。でも魔法を使う騎士になりたい! と奮闘するんです。そのアスタの頑張りやひたむきさが読んでいて気持ちいいんですよね。アスタが頑張ることによって、漫画が展開していく感じにすごく惹かれます。

魔法が使えない主人公・アスタ

魔法が使えない主人公・アスタ

ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社

絵柄やストーリー性はもちろん、次の展開の読めなさとか、必殺技の少年心をくすぐるような感じだったりとか、そういうの全部がよく出来ているんです。全体的に、かなりステータスが高い漫画だと思います。

魔法使いの頂点である魔法帝を目指し努力するアスタ

魔法使いの頂点である魔法帝を目指し努力するアスタ

ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社
魔法使いの頂点である魔法帝を目指し努力するアスタ

魔法使いの頂点である魔法帝を目指し努力するアスタ

ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社
  • ブラッククローバー
  • 魔法がすべての、とある世界――。生まれながらに魔法が使えない少年アスタは、己の力を証明するため、そして友との約束を果たすために、魔道士の頂点“魔法帝”を目指す! 少年魔法ファンタジー、ここに開幕!!

“主人公・絶対主義”じゃないからこそ燃える

――好きな漫画として挙げていただいた「ダイヤのA」 (寺嶋裕二/講談社) はアニメ主題歌を担当されたんですよね。

ダイヤのA」 (寺嶋裕二/講談社) は、僕がアニメに関らせていただくきっかけになったコンテンツなので、それこそ1巻から読み漁りました。今は「ダイヤのA act2」 (寺嶋裕二/講談社) で第2幕としてもスタートしているんですけど、とにかく長い漫画なんですよね。

大石昌良

大石昌良

でも原作者の寺嶋先生がアニメの打ち上げでスピーチされた時に「高校1年間を描写するのに、単行本で40巻くらいかかっていまいました。でも皆さん思い出してみてください。高校生活の1年間って、それくらい長く感じませんでしたか?」とおっしゃったんです。それを聞いた時、背筋がゾクゾクしました。そうだ、高校生活って、それだけ描写しても足りないくらい、楽しくて濃い時間だったな、と思い出したんです。

物語の舞台となる青道高校野球部は甲子園に何度も出場している名門校

物語の舞台となる青道高校野球部は甲子園に何度も出場している名門校

ダイヤのA
(c) 寺嶋裕二/講談社

ダイヤのA」 (寺嶋裕二/講談社) は甲子園を目指す物語なんですけど、一筋縄ではいかないんです。主人公・絶対主義じゃないので、そこがすごく燃えると言うか、リアリティがありますよね。

最初はベンチ入りどころか走り込みばかりの主人公・沢村栄純(さわむら えいじゅん)

最初はベンチ入りどころか走り込みばかりの主人公・沢村栄純(さわむら えいじゅん)

ダイヤのA
(c) 寺嶋裕二/講談社
  • ダイヤのA
  • 中学全国大会を目標としていた沢村栄純(さわむら・えいじゅん)。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間とともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに! 名キャッチャーの呼び声高い御幸一也(みゆき・かずや)との…

この漫画は男の子が読んでも面白いんですけど、本当に甲子園球児を応援しているような気持ちになれるので、女の子の読者は頑張っている推しキャラを見つけて応援する、というのも楽しみ方の一つかもしれないですね。

今「ダイヤのA act2」 (寺嶋裕二/講談社) でもすごく面白い展開になっているので、まだ読んでいない方はぜひ読んでいただきたいです。

  • ダイヤのA act2
  • 俺は今、この場所に立っている───。2年生となった沢村栄純が、ついにセンバツ甲子園のデビューを果たす! 目指すは全国の頂点のみ!! 名門復活へ。青道高校野球部の快進撃が始まる!!
大石昌良

大石昌良

写真:原恵美子
ヘアメイク:瓜本美鈴

プロフィール

大石昌良(おおいし まさよし)

2001年「Sound Schedule」のVo,Gtとして、メジャーデビュー。ミュージックステーションなどのTV音楽番組や多数のフェスに出演。2008年「大石昌良」としてソロデビュー後、次世代サウンドプロデューサーTom-H@ckとのユニット「OxT」を結成。TV アニメ「オーバーロード」や「SSSS.GRIDMAN」の主題歌を担当。また、アニメ・ゲーム関連の歌手活動などでは「オーイシマサヨシ」として活動。作詞、作曲を担当したTVアニメ「けものフレンズ」の主題歌「ようこそジャパリパークへ」が大ヒット。2019年1月放送開始のTVアニメ「けものフレンズ2」のオープニングテーマ「乗ってけ!ジャパリビート」の作詞作曲も担当など、今大注目のシンガーソングライター。

◆大石昌良 公式サイト

https://014014.jp/

◆Sound Schedule 公式サイト

http://www.soundschedule.net/

◆OxT 公式サイト

http://www.oxt-music.com/

◆大石昌良 公式Twitter

https://twitter.com/masayoshi_oishi?lang=ja

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作者

ヘルシー鮫

ヘルシー鮫

ヘルさめです。“女子”と呼ぶのに疑問を感じ始めた20代女子。胡散臭い当て馬キャラや昭和臭ただようチャラ男キャラが大好物です(※ただしイケメンに限る)。2次元と2.5次元の間を行ったり来たりする狭く浅いオタク。自己アピールが苦手な世代なので、こういうスペースに何を書けばいいのかわかりません!

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