3.0
稀有な世界観。ゆえに繊細。
作品の名前は知っていたけれど、読む事はなくて、アニメを機会に内容を知りました。漫画自体は「アフタヌーン」という主に男性的向けの漫画雑誌に連載されてますが、女性が活躍するのは凄いと思います。また、毎度ではありますが「アフタヌーン」の、一風変わった名作を見つけて世に出せる審美眼には驚かされます。
作品は、美しい宝石と仏教的な絵柄を織り混ぜた、今まで見た事のない独特の世界観だと思いました。また、ほんの少しだけ宝石の勉強も出来ました💎✨。
全話は読んでませんが、繊細な漫画家だと思います。ゆえに、長期連載は難しいのではと思いました。以下は、沢山漫画を読んでる自分の独断と偏見に基づく考えになります。
今まで誰も見た事のない様な圧倒的な世界観と想像力を持った漫画家は、最初の内は安定しているのですが、人気が出てくると、どうしても出版社の意向等々の理由で話を長く続けないといけなくなってくる。
つまり、場合によっては「才能」という、ほんのわずかな原液に大量の水を足して、量を多くしないといけなくなってくる。そうなると、キャラ設定が最初の頃より大幅に(大体は悪く)変わってきたり、話にほころびが出てきたり、なかなか進まなくなってくる。読者は話の続きが気になって仕方ないのだけれど、漫画家のモチベーションが続かなかったりする。ゆえに、体調を崩される漫画家さんもおられるのではと思います。
漫画家によっては、人気が出ても体調を崩さず、作品を持続出来る人はいるとは思いますが、そういう人は、実際には、なかなか少ないのではと私は勝手に思ってます。何処かで「妥協」しているのではないかと。何故なら、毎回、自分の描きたい漫画=売れる漫画とは限らないからです。つまり、自分が本来描きたい部分をおさえて、大衆受けする「売れる」話に軌道変更しているのではないかと。
誰だって、自分の「好き」を作品に投入し続けて行きたい。でも、人気が出てくると、それが出来なくなってくる場合がある。これは難しいとは思いますが、一番良いのは、例え話が短くても、漫画家が作品への本来の情熱を失わない内に、作品を完結させるのが一番、漫画家にとっても読者にとっても良いのかもしれません。
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