みんなのレビューと感想「ハクバノ王子サマ」（ネタバレ非表示）

分かる

自分の実体験に通じるものがあって、思わず一気読みしてしまいました。
ちなみに、私はカオリの立場でした。

環境が変わると、自分の視点も変わる。
今まで一緒の世界にいた人と物理的に離れてしまうと、気持ちも噛み合わなくなってくる。
どうしても、同じ世界を共有する人と、心の距離が近づいてしまうのは仕方ないのかも。

何か相手からアクションがあればその「意味」をひたすら考えようとする面倒臭さも、ダメだと口では言いながらもズルズル進んでしまうだらしなさも、でもいざとなると鬱陶しいくらいに躊躇してしまうもどかしさも、大人の恋愛のダメなところが色々あるあるすぎて、とても面白かったです。

強く儚い私たち

昔、coccoの「強く儚い者たち」という歌があった。
誓い合ったはずの愛の不確かさを綴った、悲しい歌だった。
この漫画を読んで、それを思い出した。

バカリズムのコントで、「運命の人というのは、そのときたまたま好きになった人」なのだ、というくだりがあった。
ロマンチックラブを皮肉った、素晴らしいコントだった。
この漫画を読んで、それを思い出した。

確かに、そうかもしれない。
私たちは弱いから、いや、強く儚いから、意外にあっさり運命的な恋に落ちたり、別の運命的な恋に流されたりするのかもしれない。
その過程を、とても丹念に、ひどくリアルに描いた、実に嫌な漫画であった。

でも、ねえ。
頭ではわかっているのだけれど、理性は「愚かだ」と叫ぶのだけれど、どうせ強くて儚いならば、愛なるものの「強さ」の方を、私なんかは信じてしまいたくなるのだが。

皆さんは、どうですか。

結局…

全話買ってしまった…(´・ω・`)
このもどかしい二人。もどかし過ぎてイライラするのに、気になって気になって…。で、読みきってしまう位面白かったです。

優柔不断な小津先生

距離や心情が近づく様子をジワジワ描かれていて感情移入してしまった

婚約者側からの側面だと横恋慕、浮気と
なるんだろうが、婚約者の行動、言動には
共感できなかった
妹も然り


友人の今村のセリフが鋭く的を得ていて
読んでいて胸にストンと落ちた

読後感はスッキリ
この作者さん好きだなぁ

泣きました

本当に一生のことなので！
本当に本当にこの結末でよかったです。途中から泣きながら読んで、読み終わって大泣きしました。
絵も好きです。表情が、とくに、キスして離れて互いの目を見て、またキスして、また目を見て、というシーンに痺れました。
嫌な人が一人もいないのもいいですね。登場人物の全員が好きです。私は多香子さんとカオリさんのどちらの立場も経験していますし、男の人たちにもそれぞれ共感できました。
でもやっぱり多香子さんが好き！　私が男でも多香子さんはほうっておけないと思いました。あれ、逆か。晃太郎くんにぐいぐい来られたらもう無理だと思いました。とにかく主人公二人が素敵です。
二人がずっと敬語で話しているのも可愛くて、まさに小津監督・原節子さん主演の映画ですね。
素敵な作品をありがとうございました。

必ず揺さぶられるので中盤まで読んでほしい

何気なく無料だしーと思って、読み始めたのに、、、すごい。すごいのは、作者の引き込み方がえぐい！！あんなに何も本人同士には起こらないのに日々の日常からささいな接点やら感情の揺れやらにちょこちょこドキドキさせられる。そここらの少しの進展がもう、どっちに感情移入しても心臓飛び上がるくらいのドキドキ感を味あわせてくれます。変にスピード感あるわけでもなく、じわじわと何かをお互いに期待してしまう感じがリアルで好きです。課金してしまう気しかしない。

無料分だけ、と思ったのが、なんだかんだで最後まで読んでしまいました。
小津先生にはとてもイライラします。が、原先生サイドから読むととても切なくリアルで、読むのが止まらなくなりました。
イライラしたと言いつつ、私も小津先生の立場になった経験あります..あの時は相手の人にはこんな辛い思いさせてしまってたんだよなぁ、と、今さらながら反省しました。
でも気になってしまうもの、惹かれてしまうものはどうしようもなかったなーと思い返されます。
それから妹の琴美が非常に鬱陶しいかったです。兄が優柔不断でシャキっとしてないから妹にこんなでしゃばらせてるんですよね。現実にこんな妹いたら鬱陶しくて仕方ないなーと思いました。
そして、このお話の一番の被害者？である婚約者の人には、なぜか全然同情できませんでした。なんかヘラヘラしてて、自己中で、本当なら一番可哀想な立場の登場人物なはずなんですが、、、
すごく薄っぺらくてしょうもない女にしか見えませんでした。

見いってしまう！

どんどんひきこまれる、、、心の描写がリアルです。。。タカコサマと今同い年としてはそのときそのときの心情に共感することも多くて、なんだか小津先生とのことを応援してしまいたくなる、、、きゅんと切なくて、でも温かくてなんだか読んでると恋してる錯覚に陥る。笑　ケータイの絵的にいつの話だろうと思ってたら2005年くらいだったんですね、でも全く違和感ないですね。それくらい繊細に人間模様が描かれています。タカコサマ自分を持ってがんばれ！笑

秀逸な心理(情景)描写

タカコサマがなぜ若造の小津先生に惹かれるのかが分からない、というレビューがあったのですが、それこそが恋のコワさなのかなあと思いました。
タカコサマ自身が、自分の気持ちに戸惑って、なんとか押しとどめようとしているのが健気でした。
所有欲、嫉妬、性欲(比重最大?)、さびしさ、ナルチシズム、自己顕示欲、駆け引き、それらの総称が恋なのだと思い知らされます。
コントロール出来そうなのに出来ない。
だらしなく、卑怯さをさらけ出しながら「恋｣を選択してしまえる人に対して、嫌悪感と共感と、両方突きつけられて複雑な感情です。
‥立場が違えば迷惑この上ない人たちですけども。
仕事がある日常の細部の描写はかなりリアルなので、それがゆえに嫌悪感を読者に催させることもあると思います。そこも込みでおすすめしたいです。

心の声

タカコサマの心の声や葛藤振る舞いに、共感。
20代には20代の、30代には30代の恋愛の仕方がある。
だから勢いだけで突っ走れなかったりする。諦めようと脳ミソで理解しても気持ちが止められなかったりするのが恋心。
年下男子の真っ直ぐなところ、考えているのかいないのかわからないけど、キュンとさせる行動にドキドキした。
リアルな人間模様で、いろんな職業にあてはめることができるところがあってゾワゾワした。