みんなのレビューと感想「脂肪と言う名の服を着て」（ネタバレ非表示）

古さを感じない作品

20年ぐらい前の作品なのに、ケータイが出てこないこと以外は全然時代を感じさせられないのがすごい。
それだけ女のマウンティングというものは今も昔も変わらないんだろう。

私も20代の頃、55キロ近くあった体重を45キロぐらいまで減らしたことがある。

タイトな服が着れて、クラブに行けば馬鹿な男たちにチヤホヤされて、夜のバイトではみんなから細いと言われて、変な自信に満たされていた。
でもつるんでいた派手な友達のマウンティングに耐える日々と、イケメンで優しくない彼氏との不毛な恋愛に、幸せを感じることはなく、どうして私はこんなに痩せてて綺麗なのに幸せになれないのかと不思議でたまらなかった。

30代になり、また50キロぐらいまでリバウンドした。
それでもあの頃に比べると幸せを感じる日々をすごせている。

痩せれば綺麗になれる、痩せれば幸せになれる、痩せてるほうが偉い。
そんな洗脳をされてる女性に読んでほしいです。

★幾つつけるか難しい…

これは…どこに重点を置くかによって評価が全く違ってくる作品ですね。

心の闇や醜さ弱さ、逆にそれらを回避するための逞しさ‥抉るように赤裸々に？寧ろ作り込まれたダークな精神世界？というか。

主人公、彼氏、会社の同僚、上司、謎の老人‥皆が皆クセのある人ばかり。
全員の心情を理解するのは困難だし読んでいて気分が悪い事が多いし好きじゃない。
なのに読む手が止まらない深い作品であることは確かです。

スッキリする結末を求めて読むとモヤモヤが残るかもしれませんが、私としてはエステティシャンの最後の台詞がこの話の全てかなと思います。
その辺りの解釈も読み手によって違ってきそうですね。

きっと大丈夫

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ゲンジツから目を反らし、不安を食べることで解消したツケは限りない自己嫌悪。泥沼に咲く蓮の花のように気高くは生きていけず、心はズブズブと沈むばかり。何が楽しくて生きているのかわからなくなる日常を照らしていた恋人もまた自己肯定が苦手な似た者同士。そんな恋人を自分の価値を下げることで繋ぎ止める。そんな関係は長く続くはずがない。恋人の職場のイヤな同僚との浮気で何かが壊れていく。やせれば、恋人も戻ってくると信じた、食べることを拒否していく。ただただ救いのない話かもしれないけれど、体を壊すまで痩せたあげく、去った恋人の結婚というトドメできっと主人公は、前をむいて歩いていけるのだと思う。

人間の弱さ

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登場人物すべてが、弱い部分を持っておりバランスを保つ為に、主人公に関わっている。また主人公も関わってもらうことで、自分の存在意義を確立させている。安野先生のメッセージ深いなと思います。上っ面だけの関係になんとも言えない虚しい気持ちになりますが、自分だってそう、誰だってそうなんだと納得する気持ちもあります。
承認欲求が、強ければ強いほど外見に固執するのかもしれませんね…

リセットダイエット

昔ジムに置いてあった著者の「リセットダイエット」をエアロバイクを漕ぎながら読んでいました。
その本の中にこの漫画が出てきます。
私もリセットダイエットで1週間で4〜5キロくらい減りましたが、なかなか辛くめまいや動悸など体調を崩すこともあり断念。
今は「ゆる糖質ダイエット」で無理のない減量をしています。
『痩せたい、綺麗になりたい』は女性の永遠のテーマですが、サジ加減が重要。
そして何より心の持ち様が大切だと思います。
この本も参考になさって心身共に健康で幸せな女性が増えますように♡

心がデブ...

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読んでいて、イライラしました。ハッピーエンドを望みましたが、そうはならない事にリアルを感じました。
主人公は心の病気だと思います。それを誰かが気付かせて、心身共に健康に幸せになって欲しかったです。
私自身はやったことはないのですが、心のどこかで、最終手段として食べても吐けば良いと安易に考えていました。スリムでいたい、なりたいという願いの解決すべき本質的な問題は自分の心にあることに気付かされました。

シュールです

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痩せたい願望に潜む様々な事情や思惑、人間関係などが結構リアルに描かれていて、素直に喜べません。もちろん痩せたいという気持ちは女性の永遠のテーマなのでしょうが、行きすぎるといろんなものが壊れてしまう。恐らくこれが真実なのかも。自分に強くあること、信念を持ち続けること、それがないとダイエットに限らず何も成功しないのかもしれません。

考えさせられる内容でした

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さすが安野先生ですね。斬新な切り口と発想力で他の作家さんには真似できない感性の作品でした。

確かに人の幸せは平等にやってきません。ですが、努力でカバーできる部分は多少なりともあるというのが自分の考え方です。

このお話の主人公は痩せる努力はしましたが、結局幸せになりませんでした。太っていても痩せていても結局のところ不幸になる思考回路だったのでしょうね。
ただただ主人公が可哀想だったので、漫画として読むなら、努力によるハッピーエンドの方が自分的には夢があって良いかな。と思いました。

ほとんどの登場人物が極端に嫌なヤツだったり病んでいたりします。でもエステティシャンの人は、きついけど健康な精神の人だなあと思って彼女が出てくるとほっとしました。
主人公の心の動きや行動は、ダイエットに取りつかれた女性がうっかり陥ってしまいそうな落とし穴をデフォルメしているようで、怖くなりました。自分も「痩せればすべて上手くいく」って考えることがありました。
問題は体型じゃない。その事にみんな気づこうよ！って、言いたいです。

心に刺さる

デブ女子がヒロインになる話は、最近でこそチラホラ出てきたけど、この話がでたのは最初のほうだったはず。
かなり前に読んでインパクトがキョーレツだった。忘れられなくなるくらい。
ヒロインは気が弱くて、容姿にも、全てに自信がなくて、彼氏がたった一人の心の拠り所…。その設定には、キラキラしただけの夢見がちなマンガとは違うものを感じる。
現実そのものが描かれてて、心に刺ささります。