5.0
美しい、の基準て国や時代でコロコロ変わりますよね。でもそれに執着して追い続ける女心はきっといつの時代も変わらないんだろうなぁ。
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美しい、の基準て国や時代でコロコロ変わりますよね。でもそれに執着して追い続ける女心はきっといつの時代も変わらないんだろうなぁ。
岡崎京子の代表作として有名で映画化もされました。
興味があったので読みましたが、とても面白かったです。時代背景が古いですがいま読んでも古さを感じさせません。
一気に読みました。映画をみて気になっていたのですが、原作も面白いです。様々な要素が組み込まれていて読みごたえがあります。最後まで、ドキドキしながら読みました。
絵柄がどうこうとかいう問題ではない
好みの画風と正反対
なのに…
苦しく悲しく重い
美への憧れを抱く一般大衆のカリス
マになったりりこ
でも、りりこ本人は、美への憧れなどという軽いものより、もっと切実な貧困や醜さによる惨めさから逃れたい…誰にも愛されたり注目されることなく無の存在として扱われ続け
てきた劣等感をぬぐい去りたかっただけなんじゃないか…と思えてくる
その場にとどまっていることが出来ない心の居場所の無い苦しさ。
本当の自分が抱いてしまったほのかな恋心、家族への素朴な想いが切ない
でも、これはハッピーエンドだと私は思った
りりこの美がニセモノと知っていてもついて来てくれた人生のパートナー達。
本当に美しいモデルに、ある意味で負けを自覚させた。
その人たちを傷つけることなく、ただひたすら本能のままに。
へルタースケルターは、しっちゃかめっちゃかと表現されているけど、ビートルズのその曲を聴いてほしい。
単なる滅茶苦茶でなく、激情や無我夢中なニュアンスが伝わると思う。
時々入るナラティブが、電子書籍ならではの効果も出しており、一話も比較的長くて内容も濃い。
忘れ去られて欲しくない傑作だと思った。