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みんなのレビューと感想「ヘルタースケルター」(ネタバレ非表示)

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  1. 評価:4.000 4.0

    ついつい読んでしまう

    映画で有名な作品ですが、原作はやはりスゴい。ヌードがどうこうと騒がれていましたが、ストーリーは奥深いです。
    一般人ではあり得ないような心の葛藤ですが、きっと華やかな世界を生きてたら、少なからずこういう気持ちが共感できるんだろうなー。
    都合上絵は作者さんの100%ではない画力だと思いますが、逆に書きなぐったかのような絵にりりこの心情や、狂気さを感じました。エロさ云々ではなく、この役を演じた女優さんもスゴいと思います。
    話数ありますがついつい読んでしまう作品です。

    • 12
  2. 評価:4.000 4.0

    ヘルタースケルターって…

    ネタバレ レビューを表示する

    日本で言うオ*ムに当たるインチキ新興宗教の教祖、チャールズ・マンソンが信者に説いた教えの事だから(内容があまりにも滅茶苦茶な為にヘルタースケルター=しっちゃかめっちゃかとも訳される)、
    そっちのお話かと思いきや、舞台は日本で、全身整形した元デブスのりりこの葛藤や苦しみ、悲しみ、孤独、苛立ち、生まれつき美しい後輩モデルへの妬み嫉み憎しみ、
    りりこをかつて若くて美しかった頃の自分そっくりに整形させた社長の心の闇(過去の美貌を思えば漫画の絵より映画の桃井かおりの方がしっくり来る)
    悪どいやり方で永久に客を掴み大金を巻き上げる整形外科医、
    嫌になる程、負の感情が作品の中を所狭しと渦巻いている
    だが、マネージャーとその彼氏の献身ぶり、妹との姉妹愛など、強くて確固たる絆の温かさに癒される事も出来る
    この作品は、読んでハイ終わりではなく、読み終わった後もずっと頭の中をぐるぐると色んなシーンが浮かび、自分だったらどうするだろう、自分だったらどうすべきなのだろう、と色々考えさせられる
    元々物事を深く考えるタイプの人は勿論、刹那的で深く考える事に慣れていない人達にも、是非この作品を読んでニンゲンの業の深さと愛情の強さをじっくり噛み締めてみて欲しい

    by 匿名希望
    • 10
  3. 評価:5.000 5.0

    埋められない喪失

    漫画を読んでいて、「よくこんなものを表現できるな」と衝撃を受けることがある。
    それは、人間の感情だったり、本質だったり、生き様みたいなものだったり、その美しさや醜さや強さだったり、まあ、言葉で表せないものも多いのだけれど、私がこの漫画から感じたものにもし言葉を与えるなら、それは、人間の、業、ということになると思う。
    善とか悪とか、そういうものを飛び越えて、それを背負って生き抜いてゆくしかない、という種類の、業、である。

    現代を舞台にした漫画を読んだはずなのに、私は、例えば仏教の説話とか、クラシックな寓話を読んだような気持ちになった。
    この漫画には、「特異な」人々も出てくるけれど、特殊の中に紛れもない普遍がある、という作品だと感じた。
    そのような作品こそが、やがてクラシックになってゆく。

    読み終えた後で、作者の岡崎京子が、不慮の事故によって、漫画を描けなくなったことを知った。
    これほどの才能が、どうして奪われなければならなかったのか、私はそこに何の救いも必然性も見出だせなかったし、ただただ、その事実を悲しむことしか出来なかった。
    漫画の世界がこの作者を失ってしまったのだという決定的な喪失感は、程度の差こそあれ、多くの読者にとって、完全には埋まらない種類の空白なのではないか、とすら感じた。
    それほどに強烈な作品であり、非凡な才能だった。

    しばらく前に好きになったバンドの曲に、こんな歌詞があった。

    「繕いもせずに
     産声をあげる赤ん坊のように
     成りたくて 成りたくて
     初めて手にした
     岡崎京子のPinkを理由にするには
     十分過ぎた」

    そんなふうにして、本物は語り継がれ、生き残ってゆく。
    しかし、それをもって何かの救いにするには、私という人間は、未熟に過ぎた。

    by roka
    • 6
  4. 評価:5.000 5.0

    苦しく重いきらびやかな闇

    絵柄がどうこうとかいう問題ではない
    好みの画風と正反対
    なのに…

    苦しく悲しく重い
    美への憧れを抱く一般大衆のカリス
    マになったりりこ
    でも、りりこ本人は、美への憧れなどという軽いものより、もっと切実な貧困や醜さによる惨めさから逃れたい…誰にも愛されたり注目されることなく無の存在として扱われ続け
    てきた劣等感をぬぐい去りたかっただけなんじゃないか…と思えてくる
    その場にとどまっていることが出来ない心の居場所の無い苦しさ。

    本当の自分が抱いてしまったほのかな恋心、家族への素朴な想いが切ない

    でも、これはハッピーエンドだと私は思った

    りりこの美がニセモノと知っていてもついて来てくれた人生のパートナー達。
    本当に美しいモデルに、ある意味で負けを自覚させた。
    その人たちを傷つけることなく、ただひたすら本能のままに。

    へルタースケルターは、しっちゃかめっちゃかと表現されているけど、ビートルズのその曲を聴いてほしい。
    単なる滅茶苦茶でなく、激情や無我夢中なニュアンスが伝わると思う。

    時々入るナラティブが、電子書籍ならではの効果も出しており、一話も比較的長くて内容も濃い。
    忘れ去られて欲しくない傑作だと思った。

    by 真早
    • 6
  5. 評価:5.000 5.0

    中身はごく普通の女子のリリコ

    ネタバレ レビューを表示する

    ありふれた漫画に飽きた人には凄く勧めたいです。
    リリコはお金と時間をかけて綺麗になり、芸能界の頂点を極めた。
    でも常に心の中では普通の女の子で自分の実力ではないと虚しい感情を呟いてる。
    ほぼ寝れなくてプレッシャーも大きく、多忙な仕事。枕営業、全身整形の副作用に苦しみ崩壊していく姿がなんとも痛ましい作品です。
    でも、これが人間だ!とも思えるし、芸能界のことも何となくリアルに近く描かれてる。

    凄くドキドキハラハラしつつもリリコの人間らしさにホッコリもして感情が常に動かされる作品です。私は好き。

    • 2
  6. 評価:5.000 5.0

    みんなりりこ

    何十年経っても色褪せない名作のひとつだと思います。
    スケールは全然違いますが、私は今以上にデブで自意識過剰の性格の悪い一重瞼のデブスでした。20歳で一念発起し、15キロの減量に成功しました。
    どうしようもないデブスはブタもおだてりゃ木にのぼる状態でどうしようもなかったです。
    多かれ少なかれ人間、りりこの欠片を持って生まれてきて、死ぬまで付き合っていくのではないでしょうか。欠片の形、大きさとつきあい方が違うだけで。
    怖いもの見たさで何度も読んでしまいます。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    これぞ岡崎作品

    読み終えたらものすごい疲労感に襲われました。りりこの人生を疑似体験したような… 華やかで誰もが憧れる笑顔の裏に潜むどす黒い転落の恐怖に真っ向から体当たりするりりこ。「最初からわかっていたこと」とはいえ、なりふり構わず自分や他人を傷つけていく姿は壮絶で痛々しいほどなのに目をそらすことができない。これが作者の描きたかった「ひとりぼっちの女の子のおちかた」なのだとすれば、まだ続くであろう「タイガーリリーの奇妙な冒険」をぜひ見届けたいと思わずにはいられない。

    • 0
  8. 評価:4.000 4.0

    美への執着!

    女なら美への憧れは誰にでもあるはず。
    でも、一線を踏み外してしまう凶器さがスゴい!
    弱いが上に狂暴にもなる、りりこは、怖くて悲しく見えます。
    これを映画にして、りりこ役にハマり過ぎて体調崩してしまうのも納得。
    エロさより、女の欲望が強く描かれていた様に感じました。
    その後の、りりこが見てみたいです。あれで終わる様な女性ではない様な気がします。

    • 3
  9. 評価:4.000 4.0

    絵がもっとキレイなら良かった

    このマンガの実写版でよくあの配役を思いついたと感心する
    あのダメ彼氏に綾野剛とかマネジャーの羽田ちゃんとか
    芸能界の人間模様や人間の欲についての話だけでよかった、事件の話、刑事は必要なかったかな、捜査の話が途中割り込むと邪魔だった
    確かに人は欲と噂、流行りのかたまりな気がする
    流行りを追いかけ、ついていけないと省かれたり、時代遅れと言われたり、キレイになりたい、お金持ちになりたい、あれ欲しい、これ欲しい。人間の欲は尽きない。
    確かに芸能人はキレイを保つ為にお金をかけたり整形したりどんなに人気者だったとしても消えればすぐに忘れられる
    悲しいかもね

    by ku-tan
    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    読んでよかった!

    映画を見てから読んだので、二度面白かったです。

    しかも皮肉なことに、映画で主演をつとめた沢尻エリカが薬物所持で逮捕されるという、現実の後日談つき。

    映画の方が重苦しい雰囲気に包まれていて、こちらの方が絵柄のライトさもあってサラッと読めるけれど、やっぱり闇の深いお話です。

    続き...きっと無理だろうけれど読んでみたいな。岡崎先生のご健康をお祈りしています。

    • 0
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