5.0
桃子〜桃色天国〜桃色ヘヴン〜未来色
「女は港、男は船」言い得て妙、桃子と蘭丸の関係を、こんなに分かりやすく表した言葉もないでしょう。自分を見失わず、真っ直ぐな気持ちで生きてきた桃子だからこそ、蘭丸も心を開き、信じるようになったのかもしれません。それにしても、桃子の包容力というか、許容範囲は相当広い。愛人つくって借金残して死んだ父親のことも許しちゃっているし、蘭丸が他の女とイチャついても、怒りはするが結局許しているし…。でも、桃子の母桜子さんの、旦那さんの全てを受け入れ、思い出を大事にする姿を見て育てば、相手を全肯定できるようになるのかな。このお話の中で、最も凄い人は桜子さんかもしれません。
誠実さにおいては殆ど信用できない蘭丸ですが、それでも桃子と結ばれた68話以降は、ギリギリのところで誠実なようです。まあ、何だかんだ言ってもきちんと付き合うまでは、桃子にも手を出さなかったし、勿論初恋の人莉緒に迫られても、何もなかったし…。結局、本気の相手には誠実だったということですかね。
最終話(番外編です)で、生まれた我が子を抱き、指を握られたときの蘭丸の表情が秀逸です。ああ、この人に、やっと本当の家族ができたんだなあ、そんな風に思わせてくれるラストシーンでした。桃子と蘭丸、そしてbaby がどんな色で家族の風景を描いていくのか、いつかその画を見てみたいと願っています。
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