5.0
拗らせ合戦、愛が重いのは?
異世界ファンタジーのむずキュン女王(勝手に命名)琴子先生作、究極のすれ違いラブファンタジーです。どこがすれ違いかって?それは、ヒロインシェリーが「大好きです!」と伝えている間は、ヒーローノエルはそれに応えることができず、ノエルが婚約を申し込んだときは、シェリーはそれを喜ぶことができず(制約魔法のせいですが)…この焦れ焦れ感、琴子先生、さすがです。
お話は、シェリー目線で語られるターンとノエル目線で語られるターンとで、交互に構成されていますので、読者は二人の気持ちを見誤ることなく、安心して読み進められます。ときには、二人の悩みや苦しみに、胸が締め付けられそうにはなりますが…。
それでも、この物語のキモは、やっぱり制約魔法後のノエルの溺愛っぷり。それまでの想いが一気に溢れたかのように、冷たくされても、すげなくされても、シェリーに想いを伝え続けます。まさに女の子の夢!
押して駄目だったわけではなく、引いて効き目があったわけでもないけれど、この制約魔法がきっかけで、お互いへの想いが深まったとしたら、結果オーライかな、シェリー?でも、より愛が重かったのは「君の一生を見届けたら すぐ、俺も後を追いますから」なんて真面目な顔をして言ってくる、ノエル様のほうかもしれませんね。星は楽々5超え、お勧めです!
- 10