みんなのレビューと感想「帰郷」(ネタバレ非表示)

帰郷
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  1. 評価:5.000 5.0

    冒頭から「むしず」が走ってます

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    伯父さん は全国至る所に居る気がします。

    忖度して機嫌取らないと、地域に居られなくなるから、誰も逆らえず、封建領主的な支配構造が出来ています。

    食事の世話から酒の酌まで女性にやらせ、親戚の進路に口出しし、支配構造を盤石なものにしようとします。

    私は男性ですが、こういう男性、本当に気持ち悪いです。

    伯父さん にとって主人公は、自分より優秀な学校を卒業し、都会で成功した、自分の支配関係に置くことが出来なかった女性です。

    「お前が憎くて言ってるんじゃない」

    これは明らかな嘘ですね。ずっと支配したかったのに、叶わなかった、支配者にとって憎さ百倍の相手です。母親を人質にして、無理矢理地元に戻し、自分に屈服させたかったはずです。

    支配欲の塊で、本当に気持ち悪いです。人の人生を破壊しようとする本性。虫唾が走ります。

    伯父さん が居なくならないと、日本は良くなりません。

    • 311
  2. 評価:5.000 5.0

    興味が無いこと、、

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    これはど田舎の話ではなく、地方都市では日々起こっている文化の話です。
    共感できない女性がいたとすれば、日本の女性の中では恵まれた土地と人間関係だったと、思った方がいいくらい、根強く残っています。

    やっぱり生まれ育った土地が良い、とか
    こういう時だからこそ一致団結して、とか
    そんなに田舎が素晴らしいなら、なぜ人が減るのか?
    ビジネスなら、問題点を総括し人が増える努力をするでしょう。
    ですが、田舎は変わることなく、ただただ昔のまま従えという。

    主人公が都会に戻り言う
    「誰も私たちに興味が無いんだよ」
    そういう世界を知ることなく死んでいく友。
    でもそこで生まれ支配されて育ち、もうそこでしかしか生きられなかった、のかもしれません。

    田舎が不幸だとは思いません。
    が、この話のように都会で生きていく人を非難したり帰ってこない事を大勢の前で責め、親を巻き込み謝罪させるなど、どこまでも幼く、遅れていると感じます。

    田舎に住む、男性の支配欲みたいなものに
    一様に従う女性達も問題があります。
    間接的には、そういう男性を助けてしまっているということを、自覚しないと、いつまでも田舎は田舎のままでしょう。
    田舎が人が減っていき困るのは、出て行く人が悪いのではありません。

    問題提起させる漫画だと思います。
    田舎の図書館などに寄付したらいいんじゃないかな。

    • 426
  3. 評価:5.000 5.0

    短編小説のようです

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    じんわりと、やりきれなさと切なさが胸に沁みる良作でした。
    掘り下げてないとか、何が言いたいのかわからない、というレビューもありましたが、描かれていない部分を想像させる為に、それによって読む側の心に残りやすく、馴染みやすくするために敢えて全てを描き込まずにお話を作られているのではないかと感じます。
    むしろ、たった2話でここまで、読む者に様々な余韻を残せるのはすごい事だと思います。
    ただ、行間を読む事や想像力を持って読む事が苦手だったり、派手な展開、全てを説明してくれる物語が好きだ、というタイプの方には向かないのだと思います。

    私は東京者ですが、母は地方の出なので、地方の封建的で閉塞感のあるあの感じ、とてもよくわかります。
    東京でも、地域によっては似た感じのところがあるかもしれません。
    どの地域であるにせよ、人から教育の機会を奪う事は許されません。
    せっかく衣食住の心配のない環境に生まれたというのに、自由に生きる権利をあらかじめ奪われていて、しかもその事に気づいてすらいないなんて、辛すぎます。

    絵のタッチは柔らかいのに無理解や慇懃な表情がきちんと伝わるように描かれていたり、会話もモノローグも語りすぎないのに感情が伝わるところ、とても引き込まれました。
    思い出のキーホルダーを燃やすのは、それすらも、まきと自分を土地の因習に縛り付けているものだったと、主人公が感じたからなのだろうと思いました。
    まきのような子が、1人でも減るといいな。

    • 122
  4. 評価:5.000 5.0

    女と言う呪縛

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    私も田舎から上京しました。
    田舎ではなるべく外に出さない様に、子供の時から"都会は冷たい。都会は怖いところ"と教えられます。
    私の母親もお婆ちゃんもそうです。
    何の疑いも持たないよう。口答えしないよう。親や親族の面倒を見させる為だけに育てます。
    地域差や血の呪縛、兄弟の有無によって度合がことなりますが、大体はどの家庭でもあります。
    長男、長女はその呪縛が一番強く出るように厳しく育てられます。
    田舎では、長男や長女が重要とされます。

    本当に辛いです。田舎にいても地獄。都会にきても後ろ指刺される辛さ。
    遠回しに縛ろうとするのもよくあります。

    そして、やはり都会にでて思ったのが、田舎の女は都会の男からもよくモテます。
    当たり前ですが、男に都合よく躾けられた女性が多いです。
    それを好む男性は今でも多いです。
    それに気がつかない男は沢山います。気付かない女性も沢山います。
    気付かないのは、自分で考えることを辞めてしまった人や流される人が多い気がします。

    田舎の呪縛、悪しき習慣は都会でも根強く残っていると感じます。

    そして、やはりどうすることもできない。
    やるせない感じだけが残る表現を上手く描写した心に刺さる作品です。

    • 241
  5. 評価:5.000 5.0

    人の心残り

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    内容ははっきり言って暗いです。
    明るく光がさすような救いもない。
    ただ、こういう経験をするかたは、確かにこの日本には存在するのだろうなと思いました。

    子供の頃に感じたこと、大切にしていたもの。
    当たり前に持っていたもの。
    そして抱いた感情。
    どれもこれも本人にとっては本物なのに、周りの環境がそれを許さない。
    主人公は、幼い頃から思春期を共に過ごした従姉妹を、ケンカ別れしたまま亡くします。
    大人になって振り返っても、あの環境から従姉妹を救うのは難しいのだということを、再確認するしかない。
    子供だからできなかったわけではなく、大人になったからこそさらにわかる薄暗さです。

    • 92
  6. 評価:5.000 5.0

    理由なんてなんでもよかった

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    私も田舎育ちで都会で暮らしている1人です。バリバリ働いて、というほどでもないですが、仕事があり家族があり田舎の生活より都会の生活の年数の方が長くなりました。
    身につまされる内容も多く、結婚がなくともきっと私も田舎に帰らなかったろうと主人公と自分を重ねながら読みました。
    「死因が分からない」という感想も多く見られましたが、死因なんて本筋とはさほど関係なく、何でも良かったんだと思うんです。縛られていた社会から突然ポン、と脱出する、したことを表現する方法として分かりやすくするための「死」だと思いました。だから何で死んだかは関係ないと。生きて縛っていた人たちとの繋がりはそこでプツンと切ることができた。「死」で表現した事で出た側と出られなかった側の対比がより明確に感じられました。
    最後のキーホルダーを燃やして弔う場面は、抜け出したいという思いを一番分かっていた主人公が(本人の気持ちの上で)連れ出せたという安堵なのか、贖罪なのか。
    女性が田舎から抜け出すには、高校や大学でそれなりの進学をするか外の人と結婚するか、おそらくそのぐらい。余程の大きなことがなければ出るのが難しい人は少なくないのでは。(最近はどうなんでしょうか?)

    もちろん田舎も悪いことばかりではないし、都会は都会で嫌なことも多いですが、記憶の中にある幼かった自分を思い出すと田舎暮らしには戻れないな、と今は思っています。

    • 72
  7. 評価:5.000 5.0

    真に迫ってる

    まさしく、田舎の悪しき風習。
    女は黙って男を立ててろと。
    このマンガを読んでると嫌な記憶がふつふつと蘇りました。
    東京に住んで出身地を答えると管理職クラスのオジサン方に異様に気に入られます。
    それは自分も地方育ちの親近感からというより暗黙の男を立てることを知っている都合のいい人間を見つけた感じの好意です。
    でも私はバカのフリして空気を読めないことをズケズケと言うキャラを田舎でも都会でも演じてきました。
    それはときには母を助けもしたし、恥をかかせもしました。
    でも賢く振る舞ってたら田舎じゃいいように扱われるだけなんですよ。
    誰にも興味を持たれない開放感は東京に出るまで味わえませんでした。
    それでもズカズカと距離感なく心を踏み荒そうとするのは大抵が地方出身のオジサンです。

    by 匿名希望
    • 67
  8. 評価:5.000 5.0

    田舎で育ったからこそわかる

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    この作品は田舎の閉鎖的な人間関係をよく表現しているなと思いました。

    子供は親の面倒を見るのが当たり前、子供は親の言いなりになるのが当たり前、子供は地元の人間と結婚して子供を産んで当たり前、男の(父親の)言うことを聞くのが当たり前。

    それが女の幸せ。

    そしてそれが当たり前の様に刷り込まれた女が(母親が)また、子供を縛り付ける。

    主人公の様に1度でも外の世界を体験すればもう二度とここには戻りたくないと思うのは当然である。

    1人で都会で自活すれば生意気。
    1人で田舎で自活すれば行き遅れ。
    結婚しても子供産まなきゃ石女。

    もう1人にしてくれって本当に思う。

    田舎でスローライフとか移住とか言って居心地が良いのはその周りの人も外から来た人だから。外から来て悪しき風習を変えてくれたから。

    もし、完全にガチガチに固められた因習だらけの田舎に来たなら居心地は悪い。主人公の田舎はまさにそれ。

    女と言う呪縛。
    長男、長女という呪縛。
    自分たちは外に出られなかったのだからと言う呪縛。

    後味は悪いけど、主人公の気持ちはよくわかる。陰鬱とした描写がとても上手い。

    主人公の大学卒業~地元に戻らない選択をした時のいざこざ(←絶対揉めたはずだから)や従姉妹の高校卒業~亡くなるまでの葛藤も読んでみたいなぁと思う。

    by 匿名希望
    • 60
  9. 評価:5.000 5.0

    リアルな会話

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    地方都市で育った従姉妹同士。

    法事では、男の子の従兄弟は遊んでいるのに、女の子は台所仕事でこき使われる。
    封建的な狭い地域社会の息苦しさが、リアルに描かれていた。

    親が娘の進路を当然のように決め、生活圏も否応なしに狭められる。
    亡くなった従姉妹は、地域社会を脱出できないままだった。
    主人公は、県外の大学に進学してそのまま帰郷はせず、自活している。

    二人の人生がどのように交差していたのか、また主人公はどのような未来を選ぶのか。

    「地方都市あるある」の光景をリアルにドラマにすることで、従姉妹の死が息を飲むようなサスペンスもののように感じられた。

    続きがとても気になります。

    • 60
  10. 評価:5.000 5.0

    共感しかない

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    今も残る、「田舎」のコミュニケーション。
    法事などの親戚イベントでは、女性は裏方おさんどん、男性は何もしない。
    おさんどんが終わり席に着いたら、こんどは「結婚はまだか」攻撃。
    反論すると場が白けるところまで。

    謝罪を迫る伯父さんのようなストレートに横暴な人はなかなかいないかもしれない。しかし、「偉くなったね」など真綿で首を絞めるような物言いは、どこにでもあるのではないか。

    結婚を機に故郷を離れた母が、「自分はとにかく故郷を出たかった」と言っていたことや、とにかく波風立てずにやり過ごし、巣立ちの機会を捉えて「脱出」し、二度と帰らない(親戚の行事に出るぐらい)のが肝心と、主人公の姿を見て思い出した。

    主人公と従姉妹のすれ違いが、胸に刺さる。おそらくお互いを盟友と思っていたが、理解しあえないところもあることに気づいた時の、「生きる世界」が違うことに気づいてしまった時の、寂しさ。

    ※長すぎると思い全面書き直し。

    by 匿名希望
    • 54
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