4.0
設定の巧妙さ
孔明が現代日本にタイムスリップする、というシチュエーションコメディ。
設定一発の作品だが、巧みなのは、場違いな孔明、という設定それ自体ではなく、孔明に売れない歌手のプロデュースをさせる、というポジショニングの方だと思う。
この発想が絶妙である。
実際、作品として、歴史上の人物が現代に、というのはさして目新しくもないが、その人物に「何をさせるのか」というのはなかなか難しく、その点、本作は成功していると思った。
プロデュースの戦略も、実際の孔明のエピソードを上手く絡めていて、作者の孔明愛、三國志愛が感じられる。
私は三國志に明るくないが、詳しい読者は、さらに楽しめるのではないかと思う。
- 6