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超高級ホテル:カニンガムホテル東京のハウスキーパーである陽子は25才にして恋愛経験が皆無。恋愛よりも社員であることを隠して、勤務先のクラブフロアに宿泊することが何よりも好きだからだ。
年若い女性が1人で、1泊5万円をくだらない部屋に宿泊するのが気になり、良からぬことに使っているのではと様子を見ていた社長の天宮。
背が高く誰をも注目させてしまう容姿、若くして経営手腕を発揮し、超高級ホテルの社長を務める天宮に言い寄る女性は多い。
陽子は真面目で努力家であり、身の丈というものを知っている。金銭感覚も常識的だ。だからこそ、天宮の周囲にいる人間さえも陽子に恋愛を仕掛けるのを心配した。
しかし、天宮ほど何でも持っている人間には、女性のバックグラウンドなんて気にならないのだと気づく。欲しいものは己が能力で得ることが可能だからだ。
ゆえに天宮の真意をはかりかねている陽子に、腹心の社長秘書である添島でさえ、天宮の援護射撃をするようになる。
慎重に恋愛を進めようと試みるも、いつも想像を超える陽子の態度に翻弄されてしまう天宮。陽子の初心で素直な対応に、今まで出会った女性の誰をも凌駕する魅力となっていることが、読んでいても伝わる。
2人が一気に激情に駆られる描写は、エロテックで想像力を掻き立てられる。色々な意味で2人の相性は良いのだろう。
天宮と陽子、ついでに社長秘書の添島夫妻(零士とアリス)のその後が気になる。続編を希望する。
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