5.0
80年代!
これもあれも80年代、ちょうど「鬼龍院花子の生涯」なんて小説と映画が喜ばれていた。あれが「かっこいい男」「健気な女」の最高モダンな限界だった。少女漫画は男の子からもお父さんからも無視されて、理想のイケメン・理想のお転婆を作り上げた。結局2020年代、残っているのはこちら。槇村さとるは今でも読めるのに、当時の少年漫画が古びたことと言ったら。
- 0
レビュアーランキング 35779位 ?
5 | 36件 | |
---|---|---|
4 | 15件 | |
3 | 29件 | |
2 | 11件 | |
1 | 2件 |
11 - 20件目/全34件
これもあれも80年代、ちょうど「鬼龍院花子の生涯」なんて小説と映画が喜ばれていた。あれが「かっこいい男」「健気な女」の最高モダンな限界だった。少女漫画は男の子からもお父さんからも無視されて、理想のイケメン・理想のお転婆を作り上げた。結局2020年代、残っているのはこちら。槇村さとるは今でも読めるのに、当時の少年漫画が古びたことと言ったら。
初版ではありません。大島先生は私より30歳年上でおありにあります。こちらで漫画を読まれているお忙しい平成生まれの皆さんからすれば4、50歳年上の人かもしれません。でも、その4、50年の間、大島弓子に代わる人はただの一人も、漫画界であろうが文学界であろうが映画であろうがネットフリックスであろうが、出ていないという事実、ご承知ください。
漫画家の独特な語り方に惹かれて読み始めました。押川さん本人の原作なんですね。実際にこんな仕事があるなんて知りませんでした。ウシジマくん的落ちるところまで落ちた人たちが出てきますが、どんな描写をされていても、卑しさよりも必死さが漂ってくる人間群像です。押川さんはやしきたかじんを思い出させます。昭和の下町のドンでしたね。
妹と一緒に読んでいました。昭和の時代、女も上を目指せば必ず社会は応えてくれる、と信じている世代がまだ現役だった。外国では女性の権利がどんどんと獲得されて、21世紀に入れば欧米で専業主婦は恥ずかしいことになってしまっていましたが、日本では今でも立派な女性の進路。保守的ロマンスの全てがここにあります。
紛れもなく、面白い。つまり、血湧き肉躍る面白さ。活劇の面白さと人間喜劇の面白さ。デュマの面白さであり、少年探偵団の面白さであり、漫画の真骨頂。作者の天才だけじゃないと思う。時代が生み出した物語だと思う。カリカチュアになってしまった現代では、この時代の漫画の底力は残っていないと思う。
暗い古い高度成長時代の日本。戦争の記憶、呪われた家系、復讐の人生。楳図かずおはジャーナリストとしても素晴らしい仕事を残したと思う。おろちのネーミングがどこから出てきたのか、教えてほしい。文化史に残る優秀ネーミングだと思う。しかもその具現化が美少女というのも。。。
今ではもう名人芸。デッサンの確かさ。日常の細部の観察。小さな仕草の隅々までキャラが生きている。立っているんじゃなく、生きている。こういうなんでもない話から始まるのが私小説で、日本の文学の伝統でした。昭和の時代には女性漫画家がそれを受け継いでいたんだなと思います。
幼い頃、胸躍らせて読んだ活劇ヒロイン・ロマン。今のネットフリックスより、アマゾンプライムより、テレビのドラマより、なんだか色気づいた漫画より、ずっとずっとワクワクする勇敢で美しいヒロインの物語。クラシックなストーリーテリングはどこへ行ってしまったのか。
バブル最中の日本の六本木、渋谷、港区!この時代の若者たちは、いつか繚乱日本が歴史的記念物になるなんて思いもしなかった。特に女性。ただただ、母親と一緒の人生は嫌だった。ロックもジャズも、西海岸も、彼女たちの服だった。
少女漫画が竹宮惠子から内田春菊へ移る実験期。作家性が模索されていたけど、共有の物語は失われていた。新しいトレンドを無国籍と形容するのが流行ったけれど、それは単に歴史がないというだけのことだった。吉野朔実は痛々しかった。
設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています