3.0
ゲームでいいんじゃないか
それなりに面白く読んだのだが、あまりにも「ゲーム」だ。
感覚としては「プレイできないゲームを読んでいる」ないし「グラフィックの綺麗なゲームを他人がプレイするのを見ている」というのに近かった。
正直、これなら自分でゲームをプレイしていたほうがいいんじゃないか、と感じてしまった。
ただ、作者のゲームに対する愛着は伝わった。
- 3
レビュアーランキング 1位 ?
5 | 143件 | |
---|---|---|
4 | 201件 | |
3 | 221件 | |
2 | 123件 | |
1 | 36件 |
471 - 480件目/全498件
それなりに面白く読んだのだが、あまりにも「ゲーム」だ。
感覚としては「プレイできないゲームを読んでいる」ないし「グラフィックの綺麗なゲームを他人がプレイするのを見ている」というのに近かった。
正直、これなら自分でゲームをプレイしていたほうがいいんじゃないか、と感じてしまった。
ただ、作者のゲームに対する愛着は伝わった。
「怨み」というおどろおどろしいテーマに反して、作品の手触りは軽く、爽やかですらある。
ひとつには絵柄のせいもあるだろう。
このアンバランスな軽さを、どう感じるかで、好みが分かれそう。
読みやすくてポップだ、と肯定的に思うか、物足りないと、感じるか。
個人的には、もっとどろどろしたものが欲しかった気もする。
以前、この作者の別の漫画を読んだときは、とんでもない力量の持ち主だと感じた。
人物の造形が異様なほどリアルで、そして、怖かった。
それは、上手く言えないが、「怖い人間を描く」というようなことではなく、人間がどれほど恐ろしくなり得るかを、冷徹に見つめる、ということであるように感じた。
私はどこか「そういうもの」を期待して読んでしまったせいで、本作には正直、首を捻った。
あの北九州の事件をモチーフにした漫画。
怖いし、残酷だ。
しかし、その怖さも残酷さも、全ては現実世界で起きた実際の事件によるものだ。
そこを出発点にして、この漫画が何かを「作り上げた」のかとなると、正直、疑問符がつく。
「現実に負けている」。
それが、私がこの漫画に対して抱いた率直な感想だった。
もちろん、別に漫画は、現実と「勝負」するものではない。
しかし、現実の悲劇をフィクションがただ「なぞるだけ」に終始するならば、それはフィクションの力を放棄することにしかならないのではないか、と私は思う。
サラッと読めてスカッと出来る、と言いたいところなのだが、イマイチ気分が晴れないのはなぜだろう。
個人的な趣味の問題だが、私は「条件」でパートナーを「検索」して、「ヒット」した相手を獲得する、というような発想が、どうしても好きになれない。
きっと、私は古いタイプの人間なのだろう。
異論・反論、受け入れるが、「条件で相手を選ぶつもりなら、条件に騙される覚悟は持っておきなさいよ」と思っている。
だから、この漫画の主人公に心から共感も同情も出来なかった。
別に「ざまあ見ろ」とまでは思わないけれど、主人公の復讐に両手を挙げて喜ぶことも難しく、まあ、一種の「化かし合い」に興じる中で、「お互い様」だろう、というくらいの気持ちにしかならなかった。
単純に「巨大な虫が…」というパニックでごり押しするのではなく、政府、製薬会社の思惑と、自衛隊、一般市民の動きを丁寧に描こうとしている点には、非常に好感を持った。
ただ、いかんともしがたいのは画力で、漫画である以上、どうなんだ、と。
ストーリーが丁寧に作り込まれた生物パニック映画でも、モンスターのCGが浮きまくりだったら、やはり冷めてしまう。
申し訳ないが、私はこの芸人を面白いと思ったことは一度もない。
裁判の傍聴は興味深いかもしれないが、この芸人がやっていることは結局のところ「紹介」に過ぎず、「紹介」は「芸」ではない、と思うからだ。
漫画も全く同じで、もともと芸になっていないものをそのまま焼き直しているに過ぎず、それこそ、芸がない、としか言いようがない。
ベースは仏教界なのだが、そこに、昔話から現代ジャパニーズホラーまで飲み込んで、ごった煮にした不思議な世界が広がる。
滅茶苦茶のはずなのに、しっかりバランスがとれていて、とっちからったカオスでありながら、漫画としてちゃんとまとまっている。
こういうのをセンスというのかな。
その絶妙な世界観が楽しい。
よくも悪くも、普通。
普通の怪談話。
それ以上の何かを求めて読んだのか、と問われれば答えはノーなのだが、それにしても、普通。
そんな本作に捧げる星は、三つ。
いわゆる「実話怪談」テイストで、こんなものと言えばこんなものなのかもしれないが、私はやはり、「普通ではない何か」を求めてホラーを読む、という夢を捨てられない。
都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。
レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。
まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。
設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています