rokaさんのレビュー一覧

rokaさん

レビュアーランキング2

  1. 評価:5.0 78件
  2. 評価:4.0 82件
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  4. 評価:2.0 23件
  5. 評価:1.0 17件
レビュー投稿数:265件
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  1. 機能不全家族 へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    何か、意味が

    作者自身の子ども時代を描いたエッセイ漫画。
    虐待する母親、「何もしない」という間接的な暴力を行使する父親、傷つけられ、追いつめられて、それでも親を嫌いになれない子どもたち。
    読んでいて、胸が痛んだ。
    客観的にはどんなに酷い親であろうと、ある時期の子どもにとっては、親が世界のほとんど全てなのだ。
    これほど悲しいことが他にあるか。

    私は、漫画の読者としては、この作品を評価できない。
    酷い言い方で申し訳ないが、この漫画を読んだことは、私にとっては、意味はなかった。
    こういう家族は世界中にいて、その中に一人として私が救える子どもなどいはしないのだという現実を、私はとっくに知っているし、そんなことをわざわざ漫画を読んでまで思い知る必要はなかった。

    しかし、だからといって、作品に何の意味もないか、と言えば、違う。
    つまり、「誰にとって」意味があったのか、という問題だ。
    それは、「作者にとって」だ、と私は思う。

    こういう種類の過去の傷は、おそらく、完全に癒えることはない。
    けれど、それを漫画として「表現」できた時点で、そこには何%かの救いが、既にあったのではないか。
    表現とはそういうものだと私は思う。

    私は、わがままな一人の読者だから、漫画の作者には、読者のことを考えてくれや、という身勝手な要求をする。
    しかし、この世には、どんな読者のためでもなく、まず作者のためにある、という作品も、あっていいのではないか、とも思っている。
    そういう場所から出発した作品が、巡りめぐって、作者と似た地獄を抱えた人に、光を当てることも、あるだろう。

    だから、この漫画には、あった、と思う。
    少なくとも、誰かにとっては、何か、意味が。

  2. 彼氏レンタル~1時間1万円の愛~ へのレビュー

    評価:1.000 1.0
    お前ら正気なのか

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    表題作と「妻の携帯を覗いたら…」の二つだけ読んだ。
    というか、よく二つも読んだ、と自分を褒めたい。
    どちらも、あまりの酷さに乾いた笑いが込み上げてきた。

    まず、表題作だが、てっきり、最近あるらしい彼氏ないし彼女レンタルのビジネスの話かと思ったら(誰だってそう思うだろ)、そうではなかった。
    容姿に自信のない主人公のOLが、憧れの課長(実はギャンブル狂いの横領犯)の時間を金で買う、という話。
    ラストは何やら美談めいた雰囲気を出しているが、金に困っている課長に対して「一時間、一万円で私とテレビを見てくれませんか」とソッコーで持ちかけたのは主人公の方であり、自己評価が低いとかどうとかいう次元を飛び越えて、完全にいかれている。

    二つ目の話は、主人公のサラリーマンが、同僚の密告を受けて妻の携帯を覗いたら、浮気が発覚して離婚するのだが、実は妻の浮気は同僚が「別れさせ屋」に頼んで仕組んだものだった、という話。
    衝撃的なのが、この同僚は自分が妻に浮気されて離婚した経験から歪んでしまい、他人の家庭を壊すためだけに次々に別れさせ屋を動かしていた、という点。
    おいおいおいおい。
    もう何から突っ込んでいいかわからないが、そんな動機で何百万も金を使う奴がいるわけねえだろ。
    反社会性人格障害とかいう次元を飛び越えて、パーフェクトにラリっている。
    この同僚は、魔人ブウやディオ・ブランドーやヒソカを超えて、私が読んだ全ての漫画の中で史上最悪の悪党である。
    だから何だよ。

    3人の方が「参考になった」と投票しています

  3. 無花果-イ・チ・ジ・ク へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    いつの時代も

    序盤から不快になったが、作品の性質上、読者をそういう気持ちにさせることも、一種の力なのだろうと思う。
    まあ、その不快を引き受けてまで読む価値のある何かがあったか、と言われると、正直、微妙なのだけれど…。

    私自身は、インターネットを通じての出会いには否定的である。
    危険性を考慮して、というよりは、単に、好みの問題としてだ。
    いずれにせよ、ネット上の出会いというひとつの大きな流れは、いくらその危険性が声高に叫ばれたところで、もう、変えられない気がする。
    出会い系だのマッチングアプリだの、時代に応じたキャッチーな姿を標榜しながら、今後も勢力を持ち続けるだろう。

    ネットがらみの事件は現代特有の問題だが、いつの時代でも、大人の寂しさにつけこむ犯罪は、必ず存在する。
    これだけ出会い系にまつわる事件が溢れている現代に、それでも常に一定の利用者がいるという事実は、人間という存在がいかに寂しさに弱いか、ということの証左かもしれない。

    この漫画の主人公も、何か決定的な動機があって、事件に巻き込まれたわけではない。
    人はそれを「出来心」とか呼ぶ。
    しかし、その出来心にこそ、狡猾な人間は網を張っているわけだ。
    そういう意味では、リアルな漫画だった。

    そのような落とし穴への防衛手段は、結局のところ、寂しさに強い人間になることくらいしかないように私は思う。

  4. 鉄鼠の檻 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    原作への愛情

    今まで、「原作あり」の漫画には、ほとんど星五つをつけてこなかった。
    当たり前だが、漫画は、絵と、話だ。
    その「話」の部分がオリジナルでない作品に対して、最上級の評価をするというのは、正直どうなんだ、と思っていたからである。
    しかし、これは文句なしに例外だ。
    素晴らしい。

    京極堂シリーズの小説は、「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」までは学生時代に読んだけれど、それ以降は、何しろ長すぎて、私の読むスタミナが落ちたこともあり、完全に脱落していた。
    未読の「鉄鼠」を漫画でクリアしてしまおう、という魂胆で読んだのだが、大当たりだった。
    小説版が喚起するイメージとあまりにぴったり合致したキャラクターたちがそこにいて、京極夏彦の小説を漫画化するならこれ以上は望めないだろう、という再現度の高い世界観がそこにはあった。

    それにしても、こんなの、よく漫画にしようと思ったな。
    「姑獲鳥」くらいならともかく、この「鉄鼠」は、難解な禅の世界、複雑極まりない仏教の宗派とその歴史がベースにあり、とても漫画として成立させられそうなストーリーではない。
    だいたい、次から次へ出てくる大量の坊主たちを、わかりやすく完璧に描き分けるだけでも大したものだ。

    正直、「原作あり」の漫画の中には、売れる題材を「利用」しているだけだわな、と感じられてしまうものもある。
    もちろん、商売だから、そういう面があって然るべきなのだけれど、原作のファンとしては、そんな思惑が透けて見えるような作品には、寂しさも感じる。
    だが、私が「鉄鼠」から感じたものは、全く違った。
    半端ではない原作への理解度の深さと、絶対にこの小説を再現してみせるのだという圧倒的な意志力が、紙面から立ち上っているようだった。

    この漫画を成立させたのは、当然、技術的な面もあるけれど、一番大きいのは、原作に対する漫画家の強烈な愛情、それ以外にはないと思う。
    その愛情の深さに、私は感動した。
    原作にとってこれほど幸福な漫画化の例を、私は他に知らない。

  5. 髑髏は闇夜に動き出す へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    未来なき強み、死に場所を探して

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    わずかな余命を宣告された孤独な老人が、ふとしたきっかけから家族の温かみを知るが、その家族が殺され…というところから始まる復讐劇。
    あまりに悲惨な設定に胸が痛むが、だからこそ、老人の凄惨な復讐を全面的に肯定できた面もある。

    また、「引っ張りすぎだろ」という漫画が巷に溢れる中、極めてコンパクトな尺に収めてある点も、個人的には評価ポイントだった。

    主人公はいたって普通の老人である。
    が、復讐というのは多かれ少なかれ、その後の自分の人生をも犠牲にするものだ。
    その意味では、老い先短い人間ほど、復讐に全てを賭けられる、と言えるかもしれない。

    「先のことなど考えない」は若者の専売特許であるように聞こえるが、状況的に考えれば、むしろそれは老人の強みであって、「未来なんかもうねえよ」というのは、ある意味、最強の開き直りである。

    この高齢社会にあって、漫画の読者層だって一定数は高齢化していくわけで、昔に比べて漫画というメディアの対象年齢が広がったことを考えるにつけても、今後、「未来なき強み」を持った老人を主人公に据えた漫画は、増えていくかもしれない。
    「少年」である読者が主人公の「少年」の活躍に胸を躍らせるように、「老人」の読者が主人公の「老人」の生きざまに胸を熱くする時代は、もうすぐそこに迫っているのかもしれない。
    あるいは、その時代はもう、始まっているのか。
    そのうち、「老人漫画」なんてジャンルが出来ちゃったりしてね。

    本作は、あり得ないくらい不幸な物語だが、皮肉なことに、一人の老人が「これ以外にない」というくらいの死に場所を見出だす物語でもある。
    どう死ぬかを見出だすことは、多分、どう生きるかを見出だすことと同じくらい、難しい。
    結末には、確かな救いがあった。
    私には、始めから、老人がどこにもない死に場所を探しているように見えたから。

  6. 横浜線ドッペルゲンガー へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    相棒は自分

    タイムスリップした先で過去の自分を相棒にする、という設定は斬新に感じた。
    「自分のことだからこそわかる」という仕組みを上手に利用した展開もあり、なかなか巧みだと思った。

    ストーリーは、過去の自分の冤罪を晴らすため、真犯人を追う、というのが基本線。
    異様な犯行、テンポのいいミスリード、二転三転する真相と、サイコサスペンスの映画のようで、気になる破綻もなく、かなり引き込まれた。

    ちょっと気になったのは台詞回しで、いくら漫画とはいえ、「そんなこと言うかいな」という部分がかなりあった。

    ただ、ストーリーが魅力的だったのは確かで、これだけのサスペンスをオリジナルで組み立てられる技量は、大したものだと思った。

  7. あなたのことはそれほど へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    問答無用の傑作

    まず、登場人物たちの細かな描き込みが素晴らしい。
    自在でありながら完璧に計算し尽くされた時系列の操作は、彼らのバックグラウンドを雄弁に映す。
    誰もが過去を背負って現在を生きている。
    当たり前のことなのだが、その当たり前を漫画の中で豊かに描くのは、容易ではない。

    繊細なキャラクターの描写は圧倒的なリアリティーを生み、また、彼らの紡ぐストーリーにも、複雑な陰影がある。
    そりゃ、不倫をした二人が悪いんだ、と責めるのは簡単なのだけれど、そういう問題でもない、というか、そういう漫画ではない、と思った。
    本作は、責任の所在とか、そもそもの原因みたいなものを、意図的に、曖昧にしているようにも見える。

    私たちの人生は裁判でも勧善懲悪モノの映画でもないから、簡単に諸悪の根源を設定することなんか出来ない。
    誰もがちょっとずつ愚かで、弱くて、ずるくて、罪深いのだけれど、そんなの、私たち大体みんな、そうじゃんか。
    私はこの漫画の誰のことも憎めなかったし、軽蔑も出来なかった。
    むしろ、歪で、拙くて、狂気すらはらんでいる登場人物たちが、何だか愛おしく思えてしまった。

    不倫を扱ってはいるけれど、描かれているのは、もっと普遍的なことだ。
    それは、それぞれの物語を背負って人が生きてゆくときに、ときにどうしようもなく生まれてしまう悲劇であったり、確かなものに見えていた関係性の儚さであったり、互いが出会う前に蓄積された、絶対にゼロには出来ない過去という膨大なログの重さであったり、生まれ変わったようにまた歩き出す強さであったり。

    そして、いやー、怖い。
    何が怖いって、この漫画で描かれているのは、「異常な人間」の怖さではない、ということだ。
    いざとなれば、人間は、元の自分がどうだったかがわからなくなるほど、醜くも、怖くもなれてしまう可能性がある。
    そのトリガーこそは、ときに愛であるかもしれない。
    愛は、難しすぎて恐ろしい。

    丁寧に編み上げられた精巧なヒューマン・ストーリーであり、哀れな私たちのラブ・ストーリーであり、ある意味で一級品のホラーでもあるという、もう、何と表現していいのかわからない、問答無用の傑作。

    嗚呼、タイトルが素晴らしい。

  8. 堕ちる へのレビュー

    評価:1.000 1.0
    杜撰な闇

    おそらく東電OL殺_人事件を下敷きにしているのだろう。
    「エリート検察官がなぜ?」というつかみはなかなか吸引力があったし、それに引っ張られて最後まで読んでしまった。

    しかし、その「なぜ」に対する答えが、あまりに杜撰すぎる。
    歪んだ親子関係も、制御できない性欲も、あまりに浅薄で、何となくセンセーショナルでヤバそうな題材を並べただけであり、何のリアリティーも説得力も迫力もない。
    こんなもので人間の「闇」を描いているとでも言うのなら、はっきり言って、ちゃんちゃらおかしい。

    闇を描くには、覚悟が要る。
    ニーチェが言ったように、私たちが深淵を覗き込むとき、深淵もまた、私たちを覗き込んでいるからだ。
    その覚悟もないまま、深淵の表面だけをなぞって、人間の暗部を語るような作品が、私は嫌いである。

    たとえ漫画の中であろうと、あまり人間をなめてはいけない。
    彼らの、あるいは私たちの抱える闇は、こんなに浅くない。

    25人の方が「参考になった」と投票しています

  9. マトリズム へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    クスリのない人生

    作品の最初の方は、そこまで特別なリアリティーを感じず、首を捻った。
    言い方は悪いが「報道番組程度のリアリティー」であって、多くの読者が「知っている」範囲の情報の量と質なのではないか、と思ったのだった。

    しかし、読み進めるうちに、見方が変わった。
    この漫画の強みは、「単発」のリアリティーのインパクトではなくて、むしろその「積み重ね」にあるのではないか、と感じた。
    つまり、クスリを巡る様々な人々のリアリティーの、多様さである。
    大学生、主婦、フリーター、教師…色々な社会的立場にある人間たちが、どうやって道を踏み外していったのか。
    そこにあるのは、クスリの危険性や恐怖の問題だけではなく、日々の中で、人がいかに迷い、悩み、苦しみ、悪魔と手を繋ぐに至るのか、という人生の落とし穴の様々な形であって、それを多彩に描き分ける取材量と力量には、感心させられた。
    この漫画で描かれた全ての落とし穴と絶対に無縁で生きられる、と断言できる読者は、おそらく、あまりいないのではないか。

    個人的には、教師の話と、漫画アシスタントの話が好きだ。
    この二つのエピソードを読んで、作品の見方がまた変わった。
    この漫画は、ただ「クスリによって破綻した人生を描く」だけではなく、「クスリのない人生をどう生きるか」ということにも、きちんと向き合っているのだった。

    そこには、当然なら、唯一絶対の答えはない。
    何にもすがらず生きるには、ときに人生は、あまりにハードモードかもしれない。
    ただ私は、この漫画を読んで、クスリに頼らず生きる人生の方が、少しだけ、美しいような気がした。
    それは作品の意図に誘導された、ガキっぽい感想である。
    だが、読者がそう感じ得る作品であるというだけで、クスリを扱った漫画としては、既に成功しているのではなかろうか。

  10. 花園さん、結婚するんだって へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    きっと誰もが、呪いと地獄を

    主人公=花園さんの姿を敢えて見せず、花園さんによって何かしらの影響を受けた周囲の人々にスポットを当てて展開してゆく前半が、まず、とても魅力的だった。
    この描き方は、花園さんを直接描写する以上に、花園さんのイメージを雄弁に語っていると思った。
    花園さんをどんなに美しく描いても、描いた瞬間、それは描いた以上のものではなくなる。
    しかし、直接描かない限りにおいて、私たちの想像の中で、花園さんの美しさと神秘さは無限だからだ。

    周囲の人々のエピソードの中では、演劇部の話が一番好きだった。
    恋でも愛でもない、友情や尊敬でもない、憧れともちょっと違う、ただ、誰かが美しいというそれだけのことが、あまりに決定的に人を魅了してしまうことがある、という瞬間の説得力とリアリティー、けれど、せっかく気づいたその感情がもはやどこにも繋がっていけないという切なさと、それでも何もせずにはいられなかった若くて瑞々しい力、拙い垂れ幕に込められた本物の気持ちには、涙が溢れた。

    後半では、花園さんもまた、彼女なりの呪いと地獄を抱えていたことが、わかる。
    どんなに美しくても、皆から憧れられても、羨まれても、恵まれているように見えても、生きてゆくということは、ただそれだけで、多分、ハードモードなのだ。
    天才も凡人も、善人も悪人も、きっと誰もが、自分の内には、何かしらの呪いや地獄を抱えて生きているのだ。
    私はそう思うから、いくらストーリーが非現実的な展開に見えようと、この漫画が描いた、人の美しさの内に秘められた呪いと地獄のリアリティーは、本当に素晴らしいと思った。

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