rokaさんのレビュー一覧

rokaさん

レビュアーランキング2

  1. 評価:5.0 73件
  2. 評価:4.0 75件
  3. 評価:3.0 63件
  4. 評価:2.0 22件
  5. 評価:1.0 15件
レビュー投稿数:248件
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参考になった割合:93%
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  1. 溺れる花火 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    溺れる

    主人公の男がクズだとかゲスだとか、まあ、異論はないけれども、男がみんな泳太みたいかどうかは別として、泳太が体現している「要素」は、多くの男が持っているものではないか、という気がする。
    それは、どうにも抑えられない性欲だったり、勘違いのロマンチシズムだったり、安っぽいヒロイズムだったり、自分でも気づいていないナルシシズムだったりで、その全てが否定されるべきものなのかも、難しい。
    いずれにせよ、若い男の極めて普遍的な弱さを結晶化したような泳太の造形は、見事だと思った。

    それに比べて、女は、という話だ。
    もう、強すぎるし、怖すぎる。
    別に初めて感じたことではないが、私のような男は、女には、絶対に勝てない。
    泳太を取り巻く女たちは、全員が別の種類の怖さを発揮していて、その多彩な描き分けが、素晴らしい。

    「闇金ウシジマくん」の中で、「ホストの寿命が儚くて短いのは、光り輝くホストより、女の闇が深く暗いからだ」という台詞があった。
    そのとおりだと私は思う。
    ときに、私たち男はただ、泳いでいるつもりで、溺れることしか出来ない。
    女たちによって作られた、深くて暗い、幻想の海の中で。

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  2. 生者の行進 へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    生きてゆく者たちのホラー

    正直、今どき「ホラー漫画」のネタなんて、あらかた出尽くしているんじゃないかと思う。
    そもそもホラーなんて、幽霊が怖がらせるか、化け物が怖がらせるか、異常な人間が怖がらせるか、ざっくり言えばその三択で、時代がこれだけ進んでしまえば、その中のバリエーションだって新鮮なものは減ってゆく。
    これはもう、仕方がない。
    私はホラーが大好きだから、このジャンルには頑張ってほしいのだけれど、難しいよな、とも思う。

    それでも作品として何とか刺激を生もうとするから、ホラーの表現は、どんどん過激になってゆく。
    これももう、仕方がない。
    しかし、「過激であること」で勝負しようとするホラーの多さに、ちょっと食傷気味ではないだろうか。
    ホラーファンは、特にだ。

    そんな時代の中にあって、本作は、とても爽やかで、優しいホラー漫画だと感じた。
    「いかに怖い死者を描くか」ではなくて、「死者に向き合う生者をどう描くか」という漫画だと思った。
    それは、誤解を恐れずに言えば、少年漫画の立ち位置として、とても正しいと思う。

    冷たく聞こえるかもしれないが、死者は、死んで、終わりだ。
    けれど生きている人間は、死を乗り越えていかなくてはならない。
    どんなに辛くても悲しくても、いつか死者たちに手を引かれる日が来るまでは、今日を、明日を、行進していかなくてはならない。

    オカルトホラーでありながら、これはあくまで生きてゆく者たちの物語なのだと、タイトルからそれを堂々と表明したこの漫画が提示した、ホラー漫画らしからぬ温かさや優しさが、私はわりに好きであった。

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  3. やれたかも委員会 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    あり得たかもしれない、もうひとつの人生

    あるロックスターは、子どもの頃とても貧しくて、遠足に持っていく弁当を準備できなかったという。
    そこで、新聞紙に包んだパンをひとつ持っていったら、皆に同情されてしまったそうだ。
    大人になった彼は世界的なロックスターになり、金は腐るほどある。
    しかし、ロックスターは言う。
    「俺が今どれだけ金を出しても、あのときの弁当を食べることは出来ないんだ」と。

    この漫画を読んで、そのエピソードを思い出した。

    「もしもあのとき…」
    「もしかしたらあのとき…」
    なんていうのは、基本的に、下らない思考であると思う。
    考えてもしゃーないことだからだ。
    いくら突き詰めて考えてみたところで、そこには何の生産性もない。
    私たちが何とかできる可能性があるのは未来だけであって、過去ではない。

    それにもかかわらず、人がときに、「あのとき…」という無意味な仮定を思い描くのは、やはりそこに、無視できない独特の輝きがあるからではなかろうか。
    それは、「今」が充実しているかどうか、とはあまり関係がない気がする。
    私たちがそこに見るのは、あり得たかもしれない、もうひとつの人生であり、その魅力と愚かさを、あり得ないくらい馬鹿馬鹿しく描いたのが、この漫画なのだと思う。

    ロックスターに限らず、おそらく私たちの誰もが、「あのとき食べられなかった弁当」のひとつや二つ、持っているはずだから。

  4. 大人の問題提起シリーズ かわき へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    奇妙なリアリティー

    パパ活、婚活、という現代的な題材を扱った漫画だが、そのリアリティーは、ちょっと独特である。
    ただ現実をなぞって、その暗部を晒す、というような漫画ではない。

    特に、一話目のパパ活のエピソードは、本当に単純なリアリティーを追求するならば、この展開は「ナシ」だろ、と思った。
    「現実のトラブル」の顛末としては凝りすぎているし、練りすぎている。
    現実はもっと単純に醜悪であり、そうであるがゆえに、恐ろしい。

    しかし、である。
    見方によっては、現実に既に起きていることを模倣して描くだけならば、フィクションとしての価値なんてどこにあるんだ、ということになるかもしれない。
    あくまで、フィクションならではのことをやりながら、それでもリアリティーを損なわない、というのが、作者の腕の見せ所なんじゃないかしら、と。
    この漫画からはそんな意気を感じたし、それは全面的に支持したいと思った。

    そして、フィクションにおけるリアリティーとは何なのか、ということをあらためて考えた。
    少なくともそこには、「出来事としてのリアリティー」を超えて、現実を生きる人間の感情や本質を切り取る正確性が不可欠なのだろうと思う。
    そういう意味では、間違いなく、リアルな作品だった。

  5. 復讐女がそばにいる へのレビュー

    評価:2.000 2.0
    タイトルが…

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    内容はもう、「因・果・応・報!起・承・転・結!」と呪文でも唱えればそれで終わり、というような代物で、特筆すべき点もないが、大きな破綻もない。
    ただ、それをダラダラ引っ張らず、2話完結でサクッと読めるのは評価点。

    しかしまあ、タイトルはもう少し何とかならなかったのか。
    確かに本編に大したサプライズはないけれど、それにしたって、タイトルの段階で完全にネタバレしているのもどうかと思う。
    最後まで読んで、「ああ、やっぱりね」と感じるのと、「いや、知ってたし」と思うのでは、やはり、だいぶ違う気がする。

    3人の方が「参考になった」と投票しています

  6. 特装版 親なるもの 断崖 へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    渾身の名作

    青森から室蘭の幕西遊廓に「売られていった」少女たちを主人公に、日本の近代化の中で目覚ましい発展を遂げた「鉄の街」室蘭の裏歴史を描く、一大巨編。

    私たちのほとんどが詳しくは知らない北海道開拓の時代背景を語る「大きな」ストーリーと、そこに生きた女たちの「小さな」ストーリーのバランスが絶妙である。
    大きなストーリーが主人公たちの描写にリアリティーと説得力を与え、小さなストーリーが歴史の解説に悲哀と情緒を与える。
    この相互補完が見事に決まり、単なる史実を超えた、圧倒的な物語がそこに立ち現れている。

    姉への複雑な思慕から、芸妓の世界を蹴って、自ら女郎として生きる道を選んだお梅。
    没落した公家の娘という偽りの姿を演じ続け、芸妓として成り上がる武子。
    器量の悪さから下働きをさせられ、女郎に憧れる道子。
    決して報われない愛情を秘め、冷徹なまでに静かに振る舞う番頭の直吉。
    個々のキャラクターの造形も素晴らしい。
    私は、直吉が感情を爆発させる場面で涙をこらえられなかった。

    作中、室蘭が作者の故郷であることが明かされる。
    「残酷な性は知らされることなく、私たちは大人になった」。
    その思いを胸に、作者はペンをとった。
    そこにあったのは、何だったのだろう。
    義務か、責任か、欲求か。
    私が感じたのは、そういう言葉では説明のつかない、室蘭に生まれた漫画家として「描かねばならぬ」という圧倒的な熱量と、鬼気迫るほどの意志力であった。

    渾身、という言葉がこれほど相応しい漫画を、私は他に知らない。

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  7. 夫婦別生 へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    現代版「まんが日本昔ばなし」

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    SNSを題材にした「転落モノ」の漫画は最近よくあるが、わりに楽しく読めた。

    寒々しいのは、この漫画に出てくる全員が醜い、ということだ。
    インスタで幸せをアピールする妻、ツイッターで愚痴る夫、そして、その両者を見世物として嘲笑う妻の友人たち。
    全員醜悪。
    北野武の「アウトレイジ」という映画は「全員悪人」がキャッチコピーだったが、全員悪人の方が、まだマシである。

    ①幸福を他人の尺度を借りてはかろうとすると、ろくなことはない。
    ②お互いをコントロールしようとするような夫婦は、幸せにはなれない。
    というわかりやすい教訓談であり、変な言い方だが、現代版「まんが日本昔ばなし」みたいな話だと思った。

    他人を極端にコントロールしたがる人間が私は怖いし、出来るだけ関わりたくない。
    だが、そういう種類の人間は一定の割合で必ず存在するし、出会ってしまったら、速やかに逃げるしかない。
    恐ろしいのは、この漫画の夫婦は離婚「しない」だろう、ということだ(少なくとも、しばらくは)。
    妻は、子犬を手のひらで転がしていたつもりが、いつの間にか、悪魔の手のひらの上で踊っていたのだ。
    そして、踊り続けるのだ。
    まあ、結婚する相手をコントロールしようなどとすると、バチがあたるぞ、ということで。

    132人の方が「参考になった」と投票しています

  8. 闇都市伝説 へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    「都市伝説」ってのは

    イメージ的には「笑ゥせぇるすまん」とか「Y氏の隣人」とか「アウターゾーン」の現代版、という感じ。
    一話完結でサクッと読める。
    よくも悪くもライトなホラーで、この手軽さを魅力と感じるか、物足りないと感じるかは、読み手によると思う。

    そもそもだが、「都市伝説」というのは「現代発祥の、根拠不明の噂話」だから、厳密にはこの漫画の話は「都市伝説」でも何でもない。
    そういう意味では、タイトルに違和感がある。
    しかし、皆が知っている「既存の」都市伝説をモチーフにした漫画はたくさんある中で、新規のストーリーを「都市伝説」として語るその姿勢には、要らん深読みをすれば、「ここから新しい伝説を作ってやるわよ」という意気が感じられないこともない。

    もしかしたら、数十年後、この漫画の中の話が「都市伝説」として語り継がれているのかもしれません……信じるか信じないかは、あなた次第です。

    なんてね。

  9. 「あるがまま」の、その先に

    「サイドA」と「サイドB」があるが、要するに「1巻」「2巻」なので、ご注意を。

    自分らしく、とか、飾らずに、とか、あるがままで、とか、ありのままに、とか、何でもいいのだけれど、全部同じで、本当に苦しみ抜いている人間には、そんな言葉、何の役にも立たないと私は思う。
    そして、自分として生きるということは、そんな二束三文のキャッチ・フレーズで何とかなるほど単純なものではないとも思う。

    でも、そういうメッセージはとにかくキャッチーでリーズナブルだから、いとも容易く社会に溢れかえる。
    そんな時代に、だ。
    この漫画が放ったメッセージは、真逆だ、と私は思った。
    さんざん「自分らしさ」を追い求めながら、この作品が辿り着いた境地というのは、「自分らしく生きるばかりが能じゃないぜ」という地点だったのではないか、と私は受け取った。

    そして、誰かのために微笑みながら自分らしさを捨てられるような場所に行き着いたとき、逆説的ではあるけれど、そこに、また別の「自分らしさ」みたいなものが紡がれるのではないか、と思った。

    そういう全て、この漫画を読まなければ、考えなかったことかもしれない。
    出会えて、本当によかった。

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  10. 生きづらさ、そして、カートのこと

    別サイトで読んだ、同じ作者の「センコウガール」が素晴らしくて、この漫画に飛んできた。

    女装癖とか同性愛とか、そういうことは多分、作品の本質ではなくて、核心にあるのは一種の生きづらさ、なのではないかと思う。
    なりたい自分、なれない自分、求めていたはずの「自分らしさ」すら、見出だしたはずの「本当の自分」すら、いつの間にやら見誤っていた気がする自分、ぐちゃぐちゃに絡まったまま、それでも生きてゆくしかない自分。
    そんな若い魂の痛みが、ひりひりするくらいに伝わってきて、胸が痛んだ。

    タイトルは明らかにニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」をもじっているけれど、カート・コバーンという人もまた、強烈な生きづらさを抱えていた。
    瞬く間にロック・スターに成り上がってしまったという現実と、「こんなものになりたかったわけじゃないのに」という無い物ねだりの相克の中で、カートは生き、死んでいった。
    そんなカートの姿が、この漫画の登場人物たちにだぶって見えた。

    もう少し、書きたいことはあるのだけれど、続きは、「サイドB」で。

    1人の方が「参考になった」と投票しています

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