rokaさんのレビュー一覧

rokaさん

レビュアーランキング  2

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  1. ハートを打ちのめせ! へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    誰のハートを

    ある時代にしか絶対に味わえない種類の痛みが、強烈に蘇った。
    そういう意味では、リアルタイムの思春期の少年少女以上に、そこを通り過ぎた大人にこそ、刺さる漫画ではなかろうか。

    作中の誰一人、私にもあなたにも似ていないとしても、そこにあるのは、かつての私の痛みであり、あなたの痛みである。
    そういう普遍性を持った漫画であり、作風もストーリーも全く違うけれど、私は「惡の華」という漫画を思い出した。

    読み終えた後で、ちょっと考えてしまった。
    「ハートを打ちのめせ!」
    さて、打ちのめされたのは、誰のハートだったのだろうか。
    それは、作中の誰のハートよりも、読者のそれではなかったか。
    そのくらい、この懐かしい痛みに、私は撃ち抜かれた。

  2. 前科者 へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    罪と許しと無償のサムシング

    まず、元受刑者の造形がいい。
    この漫画は、不運にも犯罪者になってしまった善人と、その社会復帰を支える保護司の人情物語、ではない。
    元受刑者は、極悪人ではないにせよ、読者が全面的に同情できるような悲劇のヒーローでもない。
    微妙だ。
    気の毒ではあるが、正直、「そんなザマやから犯罪者になんねん」と言いたくなる面もあり、その微妙さが、罪と、それを許すことの難しさや複雑さを、私たちに問いかける。

    また、この漫画で、保護司は無償なのだと知り、愕然とした。
    はっきり言って、私なんか、百万回生まれ変わっても、そんな仕事を無償ではやらない。
    そんな大切な仕事がボランティアに依存しているとは、知識もない中での感情論で申し訳ないが、国家のシステムとしてトチ狂っているとしか思えない。

    ただ、主人公の「無償なのにやる、ではなく、無償だからやる」のだ、という主張には、ハッとした。
    読んだところまで(13話)ではまだ明らかになっていないが、この主人公自身もおそらく、何かの罪を抱えているのではなかろうか。
    それが、社会的に裁かれる罪かどうかは別にして。

    「無償なのに」ではなく、「無償だから」。
    そういう生き方も、あるいは、償い方も、あるのだろう。
    繰り返し、私は百万回生まれ変わっても、そんな生き方は出来そうにないのだけれど。

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  3. ヘルタースケルター へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    埋められない喪失

    漫画を読んでいて、「よくこんなものを表現できるな」と衝撃を受けることがある。
    それは、人間の感情だったり、本質だったり、生き様みたいなものだったり、その美しさや醜さや強さだったり、まあ、言葉で表せないものも多いのだけれど、私がこの漫画から感じたものにもし言葉を与えるなら、それは、人間の、業、ということになると思う。
    善とか悪とか、そういうものを飛び越えて、それを背負って生き抜いてゆくしかない、という種類の、業、である。

    現代を舞台にした漫画を読んだはずなのに、私は、例えば仏教の説話とか、クラシックな寓話を読んだような気持ちになった。
    この漫画には、「特異な」人々も出てくるけれど、特殊の中に紛れもない普遍がある、という作品だと感じた。
    そのような作品こそが、やがてクラシックになってゆく。

    読み終えた後で、作者の岡崎京子が、不慮の事故によって、漫画を描けなくなったことを知った。
    これほどの才能が、どうして奪われなければならなかったのか、私はそこに何の救いも必然性も見出だせなかったし、ただただ、その事実を悲しむことしか出来なかった。
    漫画の世界がこの作者を失ってしまったのだという決定的な喪失感は、程度の差こそあれ、多くの読者にとって、完全には埋まらない種類の空白なのではないか、とすら感じた。
    それほどに強烈な作品であり、非凡な才能だった。

    しばらく前に好きになったバンドの曲に、こんな歌詞があった。

    「繕いもせずに
     産声をあげる赤ん坊のように
     成りたくて 成りたくて
     初めて手にした
     岡崎京子のPinkを理由にするには
     十分過ぎた」

    そんなふうにして、本物は語り継がれ、生き残ってゆく。
    しかし、それをもって何かの救いにするには、私という人間は、未熟に過ぎた。

  4. 殺人オークション へのレビュー

    評価:2.000 2.0
    フィクションのキャパ

    殺_人オークションサイトのアイデア自体は面白いと思った。
    競り落とされるのはあくまで殺_人の「方法」であって、殺_人を行うかどうかをオークションの参加者が決定するわけではないから、上手い具合に罪悪感が軽減され…ということなのだろうが、そのあたりの掘り下げは浅く、単にアイデアを放り出した感が強い。
    しかしまあ、新しいには新しく、「殺害方法を選べる、というだけの権利に億単位の金を払う人間がいるわけねえだろ」というツッコミは、ひとまず飲み込んだ。

    しかし、ストーリーの整合性のなさはひどいもので、特に終盤の展開は必然性もクソもない、典型的な「どんでん返しのためのどんでん返し」の羅列であり、悲惨なほどである。
    こうなると、先にこらえたツッコミが復活して、細かいことにも腹が立ってきた。
    映画「セブン」や、別の漫画「ミュージアム」をかなり参考にしているはずだが、そのことにも腹が立ってきた。

    根本も末端も破綻しすぎている。
    いくらフィクションとはいえ、これを許容できるほどのキャパは、私にはない。

  5. 月光 へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    その罪が愛ならば

    表題作「月光」と「LOVER SOUL」の二本立て。

    「よろこびのうた」を読んだ後、本作を読んだ。
    「よろこびのうた」では、認知症、老老介護、児童虐待、といった現代の問題が題材だったが、本作では監_禁、殺_人、そして即身仏である。
    やはり、ポップな絵柄からは想像しにくい、ヘビーなモチーフを描いている。

    共通するテーマは「罪」ではないかと思った。

    「よろこびのうた」も「月光」も「LOVER SOUL」も、登場人物たちは皆、罪に手を染める。
    それは、現代の日本の法律の中では確かに「罪」なのだけれど、読む人がその罪を簡単に否定できないような世界を、この作者は漫画の中に構築する。
    その罪が、優しさであるとき。
    その罪が、慈しみであるとき。
    その罪が、使命であるとき。
    そして、その罪が、愛であるとき。
    私たちはそれを、どう感じ、どう受け止めるのか。
    そんなことを、ずしりと重く、それでいてポップに、読者に提示するこの作者が私は好きだし、今後どんな作品を届けてくれるのか、とても楽しみである。

  6. よろこびのうた へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    これが愛じゃなくて、何なのだ

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    実際の「福井火葬場心中事件」を基にした、いい意味で、極めて現代的な漫画。
    心が震える傑作である。

    認知症、老老介護、児童虐待、という現代社会のヘビーな諸問題を題材にしており、ある意味では悲壮な物語であるけれど、シンプルでポップな絵柄が、絶妙なバランスを生んでいる。
    これは、漫画だから出来る素晴らしい表現のひとつだと思う。

    興味深かったのは、この漫画で描かれる、日本の古い共同体の姿である。
    閉鎖的な限界集落で、八つ墓村的というか、今の時代、こんな共同体に魅力を感じる人間はまずいないし、私自身、否定的なイメージをずっと持っていた。
    しかし、主人公の妻が犯した罪を、地域の住民皆が協力して隠し通そうとする姿には、胸が熱くなった。
    悪く言えば、そういう隠蔽体質というのは、日本の古い共同体のネガティブな側面そのものなのだけれど、それを真逆から描いてみせたような抜群の切り返しには、思わず唸った。

    生き方を選ぶということは、ある意味で、死に方を選ぶことと等価であると私は思う。
    これは、老夫婦が死に方を選択する物語であり、そして、究極のラブストーリーでもある。
    結末は、悲しくて悲しくて、でも、これ以外もこれ以上もきっとないんだ、と思って、涙が溢れた。
    だって、これが愛じゃなくて、何なのだ。

  7. 妖怪の飼育員さん へのレビュー

    評価:5.000 5.0
    妖怪と現代

    動物園のように妖怪を展示する「妖怪園」を舞台にしたコメディ。

    私のような妖怪オタクには素晴らしい拾い物だった。
    妖怪園、行きたい。
    マジで行きたい。

    かつて、水木しげるが「妖怪保護区のようなものを作りたい」と話していた。
    時代の変化とともに妖怪は絶滅の危機に瀕しており、保護する必要がある、というのが水木しげるの主張だった。
    冗談のように聞こえるが、マジな主張だったのではないかと私は思う。
    そして、動物園の役割が、時代とともに、単なる「見世物」ではなく「保護区」も兼ねるようになってきた(パンダなんかはその典型だろう)みたいに、この漫画の妖怪園も、そんな保護区として感じられ、心が温まった。

    基本的にはコメディで、それぞれの妖怪にからめた時事ネタの使い方が、実に上手い。
    爆笑、というより、微笑みがいっぱい、というタイプのコメディである。

    時代が変われば、人も変わる。
    妖怪も変わる。
    水木しげるが言ったように、現代の夜は明るくなりすぎたし、妖怪たちはもう、江戸時代のような姿では、私たちの前に現れてはくれないだろう。
    それでも、妖怪という素敵な存在は、その姿を自在に変えながら、この国で、ずっと生き残っていてほしい。
    私はそう思うから、その生き残り方のひとつの形を、この漫画の中に見たような気がして、何だか感動してしまった。

    2人の方が「参考になった」と投票しています

  8. 巷説百物語 へのレビュー

    評価:3.000 3.0
    比較の問題として

    京極夏彦の原作の雰囲気をなかなか丁寧に表現しているとは感じたのだが、残念ながら、この漫画の直前に読んだ「鉄鼠の檻」(作画は別の作者)が凄すぎた。

    短編と長編の違いもあるから、単純な比較はフェアではないけれど、それにしても、原作の空気の再現度、登場人物の造形の巧みさ、世界観の厚み、表現のインパクト、どれをとっても「鉄鼠」が圧倒的であり、本作は完全に霞んでしまった。

    そういうことで、評価は厳しめになってしまったが、決してつまらない漫画ではなかった。

  9. フルーツ宅配便 へのレビュー

    評価:4.000 4.0
    諦観のリアリティー

    ふとしたことから地方のデリヘルで雇われ店長を務めることになった青年を主人公に、彼を取り巻く風俗嬢たちの人間模様を描いた漫画。
    絵柄が苦手で、最初はちょっと腰が引けたが、読み進めるうちに、なかなかに引き込まれた。

    作品のタッチは淡々としていて、性的な描写はなく、過度にドラマチックな演出もなく、どちらかといえば、作品は意図的に抑制されているように感じた。
    その抑えたリアリティーに好感を持ったし、簡潔な一話の中に、風俗で働くことを選んだ女たちの実情の厳しさや感情の機微が、巧みに表現されていると思った。

    女性たちの描き方には優しさも感じるが、作品の根本にあるのは、突き放したような冷たさと、極めて現実的な諦観ではないかと思う。
    「あんまり店の子に感情移入すんな…おれらに人なんか救えない」。
    その諦観が、この漫画にリアリティーを与えているのではないか、と。

    そして、その諦観にはまだ染まれない、よくも悪くも「素人」である主人公の存在が、ともすれば寒々しいトーンになりかねない作品にとって、ちょうどいい清涼剤になっている気もした。

  10. 東京伝説 へのレビュー

    評価:2.000 2.0
    スベるスベる

    原作の小説は未読だが、ホラー漫画としては、もうスベりにスベっている。
    あまりにぶっ飛んだ表現方法は、原作では成功しているのかもしれないが、漫画としては、痛々しいだけである。

    また、話の内容も内容で、オカルトではなく、人間というか、現代社会に潜む恐怖が題材なのだけれど、その内容があり得ないくらい薄っぺらで、嘘臭い。
    どのくらい嘘臭いかといえば、関暁夫の語る都市伝説や陰謀論の五倍は嘘臭い。
    つまり、ほとんどストーリーの体裁をなしていないレベルである。
    これなら、風呂場に週5でフレンドリーな美人の幽霊が出るとか、UFOにさらわれて手術を受けたら視力がよくなったとかいう話の方が、まだ信じられる。
    まあ、そんな話、読みたくもないけれど。

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