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作品レビュー
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171 - 180件目/全498件

  1. 評価:5.000 5.0

    飽き飽きしているあなたに

    正直、「ゲームもの」の漫画には、飽き飽きしていないだろうか。
    「またそういう系ね」と思いつつ惰性で読んでしまう自分に、うんざりしていないだろうか。
    そんなあなたに、「今際の国のアリス」。

    とにかくひとつひとつのゲームがよく練られていて、完成度が高い。
    緊張感も半端じゃない。
    子どもの頃のかくれんぼに感じたような、無邪気なドキドキを思い出した。
    アイデアの数々と確かなクオリティーでもって、最近の「ゲームもの」への失望感を完全に蹴散らしてくれた。
    感謝したいくらいである。

    結末は賛否両論あると思うが、私はこれ以上のオチも浮かばないし、特に文句はない。
    ただまあ、途中のスピンオフはちょっと多すぎる気もする。

    そして、いかんともしがたい、「今際の国」への憧れ。
    学校や職場や家庭がそれなりに充実していたりして、「まあ、幸せだよな」と感じていたりなんかして、決定的な不満や致命的な欠陥が日常にあるわけでもなくて。
    それでも。
    心の片隅に、魂の奥底に、もしかしたら、潜んでいないだろうか。
    現実の日常の秩序が全て崩壊した世界に対する、ないものねだりの妄想や、渇望が。
    私にも、もしかしたら、あなたにも。
    そんなあなたに、「今際の国のアリス」。

    • 8
  2. 評価:5.000 5.0

    別格の恐怖

    ホラー漫画は結構読んだが、サイコものとしての怖さは、ちょっと別格なんじゃないかと思う。
    一種の正体不明性と、突っ放したような後味が絶妙に嫌だ。

    何がホラーって、座敷女の行動原理が、根本ではさっぱりわからない、ということだ。
    例えば、「面白半分で肝試しに行ってひどいめに遭う」とか、「新種のウィルスが蔓延した結果、街にゾンビが溢れる」とか、「過去のちょっとした罪を怨まれて復讐される」とか、そういうある種の因果関係みたいなものが、この漫画にはない。
    主人公はただ、運が悪かっただけだ。
    正体不明の何かが唐突に現れ、私たちの日常をあっさり崩壊させる。
    本当のホラーって、そういうことなんじゃないかと思う。

    訳がわからないというのは、とても恐ろしい。

    • 8
  3. 評価:3.000 3.0

    地雷だらけ

    「何をやったら死ぬかわからない」というシンプルなルールだが、どこに地雷が埋まっているかわからない面白さはある。
    ただ、その設定の面白さを活かしきれていない気もする。
    「そうきたか!」という感動が薄い。
    また、登場人物たちにいまいち共感できないのもマイナス。
    最近、「犯人」サイドが同情に値するせいで、「主人公」サイドに乗っかって応援しにくい、という漫画が多くないか?

    • 11
  4. 評価:1.000 1.0

    この罰当たりが!

    漫画に限らず、創作において現実の事件や風習を(それと明言せずに)下敷きにするのはよくあることで、それ自体はまあ、別に問題ないんじゃないか、と私は思っている。

    しかし、いくら何でもこれはまずいだろ。
    本作の奇祭「ボド祭り」の造形は、明らかに、というかあからさまに、宮古島の祭り「パーントゥ」をパクっている。
    姿形ばかりではない、「泥を塗る」という祭りの内容までパクった上で、幼稚なホラー設定を勝手に付与している。
    いいのかこれ?
    いやいやいやいや、いいわけない。
    祭りというその土地の神聖なものに対して、よりにもよってホラー漫画の低レベルな悪役みたいに描いて泥を塗る(まさにね)など、あっていいはずがない。
    ていうか自分の漫画に出てくる祭りの内容くらい少しは自分で考えろ、阿呆か。
    これがイスラム教だったら冗談抜きで制作者サイドの人間は暗殺されているし、日本だって訴訟起こされたら負けるぞ。
    宮古島の関係者、誰か訴訟やってくれ。

    私は特に、というか全く信心深い人間ではないが、宮古島の人々が本作を知ったときの心中を察すると、怒りを禁じ得ない。
    本当にね、こんなことやってると、罰が当たると思うよ。
    頑張れパーントゥ、この作品の制作者全員に罰を与えてくれ。

    • 11
  5. 評価:4.000 4.0

    同じであり、別である

    私はもう、完全に「もうひとつのディアボロス」として読んだ。
    しかし同時に、「ディアボロス」とは明確に別の作品だ、とも感じながら読んだ。

    刑事モノであり、裏社会モノであり、バディーモノであり、という多くの作品の枠組みを「ディアボロス」から継承していながら、「同じじゃん」というネガティブな印象を抱かせないところは、なかなか大してものだと思う。
    このあたりは、「PO」といういささか風変わりな題材によるだけでなく、「ディアボロス」の二人とは全くことなる主人公二人のキャラクターをパリッと描けている部分が大きいかと思う。
    (まあ、主人公二人に関していうと、私は「ディアボロス」の二人の方が好きだったのだが。)

    これだけ技量のある作者だから、全然別の作品を描こうと思えば、きっと描けるのだろう。
    しかし、思うに、この作者には、明確に描きたい一貫したテーマがあるのではなかろうか。
    それは、いささか陳腐な言い方をすれば、人間の光と影、ということになるかと思う。
    それを描くのに、表社会と裏社会、というモチーフを「得意技」として用いる、ということなのではなかろうか。

    手を替え品を替え、何度も何度でも、同じものを描く。
    自分が本当に描きたいものを描き続ける。
    小説でも映画でも漫画でも、作品に対するそのようなアプローチというのが私は嫌いではないし、支持したいと思っている。

    • 8
  6. 評価:1.000 1.0

    知りたくなかった!貴様の存在をな!!

    誤解を恐れずに言えば、私は猟奇事件が大好きである。
    とにかく異常なほどに興味を惹かれる。
    (これは多分、生まれて初めて本当に好きになった映画が「セブン」だったことが影響していると思う。)
    私のような読者ほど、本作を読んで、怒りが込み上げてくると思う。
    インターネットで適当に拾った事件の概要にふざけた絵をくっつけて、それが作品であるかのような顔をする、ふざけるなと言いたい。
    やるなら、真面目にやれ。

    信じられないのは、この低レベルな事件紹介を、終始「茶化して」やっていることだ。
    今まで色んな実録事件モノの漫画を読んできて、安っぽい野次馬根性や興味本位を煽るような作品に何度も苛立ちを覚えてきたが、そのような作品群ですら、本作に比べれば数段マシである。

    私は道徳心とか倫理観といったものが、通常の人間に比べて大幅に欠落している自覚があるが、その私ですら、この漫画のあまりの無神経さには吐き気を催した。

    「知りたくなかった」とタイトルにある。
    が、私には知りたくない事件などない。
    そのくらいの覚悟は持って生きている。
    しかし、この漫画の存在自体は、心の底から知りたくなかった。

    • 11
  7. 評価:3.000 3.0

    余命○○アレルギー

    最初に謝罪しておく。
    以下に述べる内容は全て、私の性格が捻じ曲がっていることに由来するものであり、漫画に責任はない。
    申し訳ない。

    私は、「余命○○」という設定が、根本的に好きではない。
    だったら読むなよ、という意見はごもっともなのだが、死神、というトリッキーな主人公に惹かれて、思わず読んでしまった。
    結論としては、まずまず楽しめたのだけれど、「余命○○アレルギー」の私はやはり、イマイチ入り込めなかった。

    やはり、「余命○○」という設定だけでもう、私は駄目だ。
    繰り返し、素直な心をどこかに置き忘れて大人になってしまった私は、「そんなの感動するに決まってんじゃん」と思ってしまうからだ。
    他の作品名を明示するのは避けるが、例えば「○日後に死ぬワニ」とか、タイトルを聞いただけで、「ハイ反則ー」と思う。

    いや、感動はするよ。
    私とて人の子であるから、余命○○の人やワニが死に向かいながら生きているのを見て、感動はする。

    ただ、そういう感動が、私は嫌いだ。

    ひとつは、感動の押し売りをされているような気分になるからだ。

    二つ目は、そんな、どういったって感動するしかないような設定に頼って、恥ずかしくねえのかよ、と天邪鬼なことを思うからだ。

    三つ目は、余命を知って日々を慈しむ、という構図自体が、そもそも嫌いだからだ。
    これは、図式としては、恋人を失ってから「失って初めて気づいたよ」系のことを言う男に似ている。
    私はそれが、大嫌いである。
    そんなもん、先に気づいとけや、とほとんど憤怒すら感じる。
    そういう人間にだけは絶対にならないと決めて長い間生きてきたから、これは、変えられない。

    別に余命を宣告されようとされまいと、私たちは皆、緩やかに死に向かっている。
    それを、いついつがリミットですよ、なんてわかりやすく示してもらえないとクリアに生きられないなんて、ちょっと残念すぎないか。
    大切なのは、残り少ない命を知ってどう生きるか、ではなくて、どれだけ残りがあるかわからない命をどう生きるか、ということなんじゃないの、と、私なんかは思うのだけれど。

    • 9
  8. 評価:4.000 4.0

    禁忌と勇気

    世の中の恋愛には色々な種類のタブーがあるけれども、娘の友達、というのは、読者の生理的嫌悪感を煽る設定としては、最大限に近いそれではないかと思う。

    この漫画に関しては、多くの批判、というか非難を読んだ。
    「いい大人が娘の友達と恋に落ちるのが生理的に気持ち悪い」
    「友達の親を誘っているようにしか見えない女も気持ち悪い」
    「不登校の娘よりも娘の友達との恋愛をとるなんてあり得ない」
    「社会人としても家庭人としても失格である」
    そういう全て、理解できるし、正直、私もそう思う。

    ただ、声を大にして言いたいのは、作中の登場人物が気に入らない、ということと、漫画という作品に対する評価というのは、難しいけれど、ある程度切り離して考えるべきではないか、ということだ。
    これは自戒を込めてだが、私はそう思う。
    人間の愚かさを描いているからといって、その愚かさが気に入らないからといって、作品までもが愚かである、ということにはならない。

    客観的には、理性的には、どう考えても守らなくてはいけないものが他にたくさんあるのに、一時の熱情に流されて全てを失う道を選んでしまうのも、また、人間なんじゃないの、と。
    そして、その熱情から不意に退屈な日常に帰れるのも、また、人間なんじゃないの、と。
    主人公の選択の是非はさておいて、この作品が描こうとしたものは、私は、肯定できる。

    私自身はこの漫画の主人公のような選択をおそらくしないし(あるいは出来ないし)、多くの良識ある読者にとっても、そうなのだろう。
    しかし、そのような人間を頭ごなしに否定することも、また出来ない。
    程度が違うだけで、あるいは種類が違うだけで、この主人公が持つような愚かさと全く無縁で生きている、と言える自信が、私にはないからだ。

    おそらく、この漫画の設定や展開が読者に喚起する反感、嫌悪、軽蔑、そういった全てをとっくにわかっていて、それでも作者は、描いたのだろうと思う。
    それは、いくぶん甘い見方かもしれないが、ひとつの勇気であったのではないかと思う。
    だから、作品として極めてリスキーなタブーに踏み込んだこの冒険の是非を、私は問わない。

    • 8
  9. 評価:3.000 3.0

    ホラーとミステリの難しさ

    冥婚、という(現代日本の通常の感覚で言うと)奇妙な風習をモチーフにしたホラー漫画。

    実質、ホラー・ミステリ、というような感じで、初期の「リング」的というか、恐怖の正体を探る展開は、なかなか面白かった。

    イマイチ高く評価できなかったのは、ホラー漫画としての「画」のインパクトが薄かったのと、ホラーとしてはちょっと因果関係みたいなものがカッチリし過ぎているように感じたからだ。

    ミステリは大いに結構なのだが、そのアプローチは、意外と、ホラーとの相性は難しい。
    原因があって、結果があって、つじつまが合う。
    それは、ホラーとしては、微妙なのだ。
    わけがわからないことほど恐ろしいことは、ないからである。

    • 9
  10. 評価:4.000 4.0

    いるはずのない彼ら

    この作者の「幽霊塔」という漫画は、それはもう、夢中で読んだのだが、本作にはどうにも入り込めなかった。

    安定してクオリティは高いし、サイコキラーとの心理戦は実にスリリングで、漫画としての見せ方も抜群に上手いと思う。

    しかし、申し訳ないが、根本の設定に、どうしても冷めてしまった自分がいる。
    「連続殺_人犯から情報を聞き出すために獄中結婚する児童相談所の職員」。
    そんな奴、いるわけねえのである。

    そしてそのサイコキラーは、女性だ。
    ちなみに「殺_人ピエロ」と呼ばれた連続殺_人犯は、アメリカに実在した。
    ジョン・ウェイン・ゲイシーは、普段はパーティーなんかでピエロの格好をして子どもを楽しませていた地元の名士だったが、三十人以上の少年たちを殺めたサイコ野郎だった。
    もちろん、男性である。
    ピエロに扮して次々と男を葬る女性のサイコキラー。
    これまた、いるわけねえのである。

    これがファンタジーの世界ならいい。
    不気味で可愛らしい女性のサイコキラーがいても、魅力的で破天荒な主人公がそのサイコキラーと結婚しても、構わない。
    しかし、本作はあくまで「現実枠」内の物語である。
    そういう種類の漫画において、「いるわけねえ」主人公(しかも二人)というのは、私にとっては致命的であり、そこにどっぷり浸かって夢中になれるほど、私に読者としてのキャパはなかった。

    • 8
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