5.0
長編作品ですが、至福のひと時でした
金と地位があり、複雑な関係性があるがゆえ、一人一人の想いと過去と歴史が入り乱れ、翻弄されていく。30年間の孤独と苦しみ、母による性的虐待が生んだ女性への偏見。愛されたことも愛したこともない男性が人に恋をして愛そうとするときに生じる歪み。無自覚な歪な感情が愛する人を傷つける。お互いに持つ傷に惹かれ合うからこそ愛するのに、お互いの傷が生じさせる想いがお互いの気持ちを抉る。切なく、心が鷲掴みにされるような苦痛を味わいます。最後は、愛をもって許すということ…私にはできそうもないけど…大切なことに気づくような。。。
でも、作者さんの作品の中でこれほど性的描写でエッチな気持ちにならない作品はなかったな。そこがまたよかったです。
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