4.0
面白い
裁判員裁判や裁判そのものの解説を加えてあるので、法廷ものでしたが分からないということはありませんでした。
1人の裁判官(主人公)を通してそれぞれの事件で裁判員達と事件との関わり方、向き合い方を描いた物語です。
強く司法における主義主張がある方、かつこの漫画の方向性とそれが合わない方は読んでもイライラするかもしれません。
やや加害者に寄り添うような傾向にあると感じられました。
私は一般化な目線で裁判員に感情移入でき、刑罰を下すということについて改めて考える切欠となり、大変面白く読めました。
ただ、現実でもそうなのかもしれませんが、勧善懲悪であったり、主人公が皆の心を完全に救ったり、といった漫画特有のスッキリ感はあまり得られません。
主人公が司法制度に鋭く切り込むとか、裁判員をリードして法廷を動かして主人公無双する話でもありません。
判決に裁判員がたどり着くまでの過程の心情を読む漫画です。
一つ一つの裁判がスッキリした気持ちで終わらないのは良いのですが、1つの作品として急に最終話になって終わった感じがしました。
主人公の裁判官も犯罪被害者で苦しんでいましたが、そこを乗り越える主人公の心情描写が少ないです。
もう少し丁寧に結びに持っていって欲しかったので星4としました。
もっと話数があっても買っていただろう漫画でした。
- 2