5.0
王道的少女漫画
自分の親友と同じ人を好きになったら...
中学生の主人公は、幼い頃、道に迷った自分に『あるもの』をくれた男の子を気にし続けてきました。
その男の子こそ、親友の真理子が好きになった久住くん。
いけないと思いつつも、久住くんに恋をしてしまいます。親友を裏切れない気持ちから、自分の心や周囲に嘘をついて振る舞おうとするのだけれどーーー
そんな経験、したことがある女の子って意外といるのではないでしょうか。
主人公を偽善だとか、卑怯だとか思う気持ちも分かります。真理子の気持ちももちろん理解できます。
この、モゾモゾ感。
そこに、久住くんの親友、司や主人公のもう一人の親友であるサキ(司の初恋で、家は隣同士)も関わってきます。
これぞ、少女漫画の王道ではないでしょうか。
もちろん、その気持ちはバレてしまいます。親友との仲はこじれ、久住くんとの関係も悪くなりますが、最後は全て上手くまとまり大円団。
このまとめ方が本当に自然で、無理矢理なこじつけ感はありません。
素直に、登場人物全員を応援したくなります。
香澄と久住くんの恋は、二人が幼い頃に出会ったすすき野原で成就します。その123話だけでもぜひ読んでもらいたいです。柊先生の画力とセンスに脱帽すること間違いなしです。圧巻です。(最初の頃の絵柄とは変わります。でもどちらも丁寧ですよ)
今の少女漫画にはないものがありますよ。
さすがリボン全盛期の頃の『250万乙女のバイブル』!
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