4.0
実名でかなりネタバレなので…
(→レビュータイトルから続く)自分で読み解きたい方は、読まないでください…とお断りしておきます。
まず前半は、美千花と恭平が、スイーツを媒介にどんどん距離を縮めて、甘々なシーンをこれでもかというくらい繰り広げ、読者を胸焼けさせます?ただ、よく気をつけて読むと、恭平の言動の幾つかに、伏線が…「もし、僕に秘密があったらどうする?」そう、恭平は、美千花も勤める渋神銀行頭取の長男で、後継者候補の一人だったというオチ。
後半は、前半とうってかわって、重〜い雰囲気。嶺沢から本名の渋神に戻り、専務に就任した恭平は、仕事に忙殺されて思うように美千花に会えず、二人の関係に暗雲が立ちこめます。まあ、仕事が忙しいだけだったら、まだ我慢できるんだけどね。そこに、特定の誰かの「悪意」が入ってきたもんだから、ああ面倒くさい!今回のラスボスは、恭平の継母で、頭取夫人の昌子氏。正直、この人が出てきたら、このお話、一気に陳腐なものになってしまいました。
とっくに財閥解体されているんだから、たかが一頭取夫人が、銀行の人事に口出しなんかできないはず!にも関わらず、「貴女を全力で潰すだけよ❤︎」なんてのたもうもんだから、あー、勘違いも甚だしい。そもそも、自分が夫に顧みられない鬱憤を、前妻の息子の恭平に向けるなんて、大人の風上にも置けない。中学校から全寮制?死んだ母親の旧姓を名乗れ?理不尽にも程がある💢それを許した、父親も父親だけれど…。こんな親の風上にも置けないような人物たちを両親にもちながら、恭平と異母弟の絋平がまともに育ったのは、奇跡に近いよね。
結局、最後は恭平の一発逆転ホームラン?で、大団円を迎えるわけですが、「気持ちは変わらない」と言っていた美千花が、恭平のために身を引こうとした流れは???そこは、恭平を信じて頑張って欲しかったよ、美千花。タイトルどおり、恭平の強さと溺愛っぷりが際立っている作品なので、そこを楽しんでいただきたいと思います。
- 7