5.0
人間は愚かだけど、強くて暖かい❣️
人間のいろいろな面が田舎の桃農家を通して
描かれています。
ヒロインの千里は、桃農家の谷川家の未亡人。
夫が事故で亡くなった後も婚家に残り、朝から晩まで無給で働いているのに、彼女が過去に水商売をしていた、というだけでスゴい偏見を持って接してくる村人たち。
そんな中でも優しく友達付き合いをしてくれる人もいたけれど、その人も千里が谷川家の次男・海斗と怪しい、と噂が出ただけで事の真偽も確かめずに気持ち悪いと言い出すし。。。
その人は自分も子どもの担任と不倫してた過去があり、人によっては子どもの担任と不倫する方が気持ち悪いと感じるかもしれないだろ、とツッコミたくなりますが、このように人間は自分勝手な生き物だな〜、とつくづく思い知らされます。
海斗のことが好きで押しかけてきた女の子も、
卑怯な人は許せないから、と最初は千里に偏見を持って接する村人たちを嫌っていたのに、海斗の気持ちが千里にあることを察してからは、逆に村人に頼んで千里が居辛くなるように仕向ける始末。
嫉妬で闇落ちしていく人間の弱さを思い知りました。
その一方で、いつも嫌味ばかり言って元ホステスの嫁に偏見持ってるように見えていた姑が千里の味方になってくれていたり、亡き夫の両親は
千里を大切な家族と思っていてくれたことが分かって心が暖かくなりました。
千里は親の虐待etc.苦労しただけあって、人間には良い面も醜い面もあり、関係性は育んでいくものだ、ということがよく分かっている女性だと思います。
あまりにも、偏見を持った人たちの言動が酷すぎて読むのが嫌になる部分もあるけれど、
千里のように人間の全てを受け入れて生きていきたい、と思わせてくれる作品です。
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