1.0
知りたくなかった!貴様の存在をな!!
誤解を恐れずに言えば、私は猟奇事件が大好きである。
とにかく異常なほどに興味を惹かれる。
(これは多分、生まれて初めて本当に好きになった映画が「セブン」だったことが影響していると思う。)
私のような読者ほど、本作を読んで、怒りが込み上げてくると思う。
インターネットで適当に拾った事件の概要にふざけた絵をくっつけて、それが作品であるかのような顔をする、ふざけるなと言いたい。
やるなら、真面目にやれ。
信じられないのは、この低レベルな事件紹介を、終始「茶化して」やっていることだ。
今まで色んな実録事件モノの漫画を読んできて、安っぽい野次馬根性や興味本位を煽るような作品に何度も苛立ちを覚えてきたが、そのような作品群ですら、本作に比べれば数段マシである。
私は道徳心とか倫理観といったものが、通常の人間に比べて大幅に欠落している自覚があるが、その私ですら、この漫画のあまりの無神経さには吐き気を催した。
「知りたくなかった」とタイトルにある。
が、私には知りたくない事件などない。
そのくらいの覚悟は持って生きている。
しかし、この漫画の存在自体は、心の底から知りたくなかった。
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