5.0
人生を変える恋愛、愛おしい作品
派手なキャリア肉食系と、地味な清純系、
正反対の親子の恋愛物語を軸とした、
多面的でとても深みのある作品。
本気になった恋愛は、
否が応でも自分と向き合わされ、
こんなに人を変えて、
人生に大きな影響を与える。
仕事や社会、男と女の違い、
様々な価値観を織り交ぜながら、
好きから恋、恋から愛への変化、
人としての成長、
そのプロセスやドラマが、
笑いやドタバタも交えながら、
巧みに描かれています。
大人の幸せな恋愛は、人間として成熟しないとできないのかもしれない。
でも、未熟ながらも本気で人を好きにならないと、人としても成熟しないのかもしれない。
優しくてみっともなくて、時にスリリングで美しい、一筋縄ではいかない人と人。
作品の肝は、美津子さんのこのセリフに集約されている気がします。
「とんなに不完全でも、弱くっても、
ひとりの人間として
自分の力で立っている人が愛おしい」
タイトルが最初、謎でしたが、読み終えて、あの名曲へのオマージュなのだなぁと腑に落ちました。
今を生きて、未熟なからも人を好きになったり、葛藤する人への愛おしさが、じんわりと響いてくる作品。すごくオススメします。
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