4.0
性被害について考えさせてくれる作品
ヒロインの麗花もヒーローの陸斗も、直接的と間接的の違いはあれど、二人とも性暴力の被害者。その結果、外から見ただけでは分からないようなトラウマを抱えながら、日々生きることを強いられている。この物語は、そんな二人が、歩み寄り、寄り添い、支え合いながら、もう一度家族以外の異性を信じられるようになるまでを、丁寧に描いています。
被害を受けたのは、本人たちかもしれませんが、同時に家族をも巻き込み、傷付けていること、加害者は知っているのでしょうか。明るみにしにくい分だけ、当事者たちが傷付いたままの時間は、長くなっていそうな気がします。その中で、麗花パパの対応は、素晴らしい!信じて見守るって、こういうことなんだと、改めて思いました。こういう人が社長をやっている会社って、きっといい会社なんだろうな。
実際は、麗花と陸斗のようにハッピーエンドを迎えることなんて、そうそうあるものではないし、トラウマが残ったままのことだって少なくない。だからこそ、性被害について真摯に向き合ったこちらの作品、ユーザーさんみんなに読んでいただきたいなあと、切に願っております。
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