3.0
昆虫版「E.T.」
ある日、宇宙から(?)飛来した奇妙な昆虫(?)「オゲハ」と、主人公の少年の交流を描いた作品。
簡単に言うと、ちょっとグロめの「E.T.」という感じの話、と思ってもらっていいかと思う。
アイデンティティーとしては、主人公の少年がいい奴でも何でもない(少なくとも作品開始時は)、というところだろうか。
オゲハを大して可愛がるでもなく、それこそ面白半分で虫を籠に囲う残酷な子どものように、生き物を飼う、というよりは、半ば玩具のように見ているようにしか感じられず、スーパーで購入したキャベツにくっついてきた芋虫すら真剣に育てていた私としては、てめえは生命をナメてんのか、と非常に印象は悪かった。
が、結果的には、この主人公像がなかなか功を奏している。
この「別にいい奴でも何でもない」少年が、オゲハと共に時間を過ごす中で、何となく情や愛着を覚えていく、何となく守りたくなってしまう、その過程は、感動的というほどでもないが、まずまずリアリティーがあったように思う。
人間による他の生命との付き合い方なんて、現実的には結構そんなものなのかもしれないし、その「そんなもの」がわりと大事なのかもしれない、とも思った。
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