4.0
慎二に感情移入
試し読みだけでレビューを見たときは、なぜ慎二を擁護する意見が多いのかわからなかった。全部読んで、なるほど!納得。
主人公は八方美人だったけれど、脱しようとする強さとか、行動力があるから「すごーい」といつしか傍観してしまう。しかし、この慎二というどうしようもない男は、空気の読めるエリートなんだけれど、好きな女の子に意地悪してしまうという構って気質があり、プライドも高め。こういう気持ちって皆隠してるけれど、持っているんじゃないかな。だから、「この男最低だな!モラハラな上にストーカーかよ!」と思っていたはずが「もう!そんなに好きなら早く素直になりなさい!!」と気がつけば感情移入し、応援してしまう。
主人公はさ、あの一言で慎二から裏切られたと思っているのだろうけれど、彼の肩書きをカードとして持っていた時点で、彼の事は見ていなかった訳でしょう。対する慎二は、態度に出せなかったけれど、主人公が癖毛だと知っても好きでいてくれた。
「ありのままの私を愛してくれないのなら~」という台詞もあるが、本当に分かっていないのは主人公なのかもしれない。
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