ボーイズラブ(BL)とは。女子たちがハマる理由はなに?

更新日:2016/12/02 10:00

ボーイズラブ(BL)とは。女子たちがハマる理由はなに?

ボーイズラブ、略してBL。
知ってるけれど読んだことはない、ちょっと興味はあるけどどの本を選べばいいのかわからない、男女の恋愛漫画とどう違うの!?…という方々も多いはず。

今回はまだ足を踏み入れたことのない非・腐女子向けに、わかりやすくBLの魅力をお伝えします。BLの歴史からおすすめ漫画まで、これを読んであなたも腐女子の世界にハマってみませんか!?

ボーイズラブ(BL)漫画の意味

すっかり一大ジャンルとなったBLとは、男性キャラクター同士の恋愛模様や性的な表現を含む関係性を描いた作品ジャンル。主に女性が描き、女性が多く読んでいますが、その読者層は拡大してきています。

BLというジャンルを楽しみ、愛する女性たちは「腐女子」と呼ばれ、BL用語を使って作品について語りあったりしています。

では、歴史や魅力について少しおさらいしてみましょう。今回は愛知学泉大学で講師を務める、西原麻里先生に聞いてみました。

西原 麻里
同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程退学、博士(メディア学)。
現在は愛知学泉大学家政学部家政学専攻講師。専門は社会学、メディア研究。BLマンガなど女性のポピュラー文化(ポップカルチャー)について、メディア研究の視点からアプローチしている。著書に『マンガ文化 55のキーワード』(竹内オサムとの共編著、ミネルヴァ書房、2016年)、『マンガ研究13講』(小山昌宏・玉川博章、小池隆太共編著、水声社、2016年)など。

BLの歴史

一般的に“BL”と呼ばれるようになったのは90年代後半頃からといわれています。ただ、実はそれ以前にもジャンルとしては確立していなかったものの、多くの人に親しまれていたのです。

まず、1970年代頃から少女漫画ジャンルのなかで男性キャラクター同士の恋愛が表現されるようになりました。1978年には、『COMIC JUN』(3号からJUNEに改名)が創刊、美しい少年の性的な表現を含む物語が多く発表されるようになりました。

1980年代に入るとBL漫画ではない一般の少年漫画やアニメを原作に、ファンが男性キャラクター同士の恋愛物語を描く「やおい」と呼ばれるパロディ作品が人気を博し、80年代末から90年代にかけてやおい作家が続々とデビュー。

やおいとは「やまなし、おちなし、いみなし」の略でもともと同人誌という自由な発想の場で楽しまれていました。

その後、やおいのようにパロディ的な明るく楽しい恋愛を描いたオリジナル作品が商業誌でも描かれるようになり、「BL」というジャンルを形成するほどに成長しました。

そして、90年代半ば~末にかけて「ボーイズラブ・BL」という呼び方が広がってきたのです。

ひとつだけにとどまらない楽しみ方

現在発行されているBL雑誌・レーベルには、『BE×BOY』(libre)などの ビーボーイ、『BOY'Sピアス』『BOY'Sピアス禁断』(マガジン・マガジン)などのJUNEコミックス ピアスシリーズ、『AQUA★BOYS』(オークラ出版)などのアクアコミックスがあります。(2017年2月時点)

BL小説も幅広く展開されており、CROSS NOVELS(笠倉出版社)、プラチナ文庫(プランタン出版)などがあげられます。(2017年2月時点)

雑誌や小説だけでなく、TVアニメ・OVA、映画、舞台、ゲームなどさまざまなメディアを通してファンを増やしているのです。

また、ファンの人が1つの作品を制作する同人も盛んです。プロではないからといって侮ることなかれ。クオリティも高く、いまでは携帯・スマートフォンですぐに見ることができるのも魅力の一つです。

シチュエーションは多様化へ

「再会した幼馴染に告白されてそのまま無理矢理…!?」「女性にモテモテのイケメンが男に泣かされちゃう!」「起きたら毛布に襲われていて…?」などなど、現在さまざまなシチュエーションがあるカップリング(男性同士の組み合わせ)について、その移りかわりをみてみましょう。

1970年代頃は14~15歳の少年と成人男性、男子校の生徒同士のカップリングが主流で、美少年が愛し愛され誘惑をする作品が多く見られました。

1990年代には学園ものやリーマンものが広がり始めます。

黒沢とうっかりいいムードで脳内大慌てな馬場のシーン(ジャジャ馬ならし)
ジャジャ馬ならし
© 門地かおり/libre

1999年発行の「ジャジャ馬ならし」 (門地かおり/libre) では謹慎処分で男子寮入りとなったやんちゃ可愛い馬場。体育科の三木と黒沢というタイプの違うイケメンとの三角関係が危うくもキュンとします。

2000年代半ばから、おやじ受け、ヘタレ攻め、年下攻め、やんちゃ受けなど、受けっぽくない受け、攻めっぽくない攻めなど、徐々にバリエーションも増え多様化へ。

現在では簡単にジャンル分けできないくらい、さまざまなバリエーションが生まれています。人によってそれだけ萌える要素に違いがあるということかもしれませんね。

だからこそ、「ボーイズラブはちょっと…」なんてイメージだけで遠ざけてしまうなんてもったいない!作家によって作風やストーリー性にも個性があり、純粋に作品を楽しんでいただきたいのです。

“BLあるある”や王道の萌えシチュエーションについては、下記の記事もご参照ください。
ありきたり?そこがいいんです!BL界の「あるある」設定
BL漫画『王道萌えるシチュエーション』に胸の高鳴りが止まらないっ!

BL漫画に女子がハマる理由

なぜこんなにハマるのか!?「俺と上司の恋の話」 (ナナメグリ/日本文芸社) のシーンと共に魅力を紹介します。

男性を好きになってしまう心の葛藤

上司の徳永が好きな人の話をするシーン(俺と上司の恋の話)
俺と上司の恋の話
© ナナメグリ/日本文芸社

異性を恋愛対象とした漫画と違う部分、それは同性を好きになってしまった心の葛藤があるということ。これは男女の関係では見られないものです。さまざまな問題や葛藤を乗り越えて相手に向かうプロセスは魅力の一つだと思います。

純粋に好きな気持ち

ノンケだからとか部下だからでなくシンプルに考えるよう高梨が言うシーン(俺と上司の恋の話)
俺と上司の恋の話
© ナナメグリ/日本文芸社

男女の恋愛は、ゆくゆくは結婚、妊娠、男は仕事…など、現実におけるいわゆる男女の役割イメージや価値観に話が左右されやすくなります。

しかしBLはそれらに縛られにくいので、「恋愛している感情」がシンプルに描かれます。そしてそれが女性に「純愛」として受け止められるのです。

続編・スピンオフ作品でまた楽しめる

BLは長編もありますが、どちらかというと他の少年漫画、少女漫画に比べて短め。その代わり、両想いになった後が描かれた続編や、脇役が別の漫画で主人公になるスピンオフ作品が多く見られます。

「ああ、またあの二人に会えた~!」と追っかけているうちにすっかりBLにハマっているのです。

今はSNSで簡単にBLというものを見たり触れたりできるのでハードルが下がり抵抗感も少なくなってきているかもしれませんね。

漫画を読む前に知っておきたい基礎ワード

BL作品を楽しむ前に、知っておきたい基礎ワードをいくつか紹介します。「 知っておきたいBL用語集。これさえ分かれば玄人腐女子!」という記事で詳しく紹介しているのであわせてご覧ください!

攻め

男女の恋愛でいう男性側である人。A×Bと表記される場合、左のA。

受け

男女の恋愛でいう女性側である人。A×Bと表記される場合、右のB。

カッコイイと思ってた同級生がウケだったとわかったシーン(ルールそのいち完全版)
ルールそのいち完全版
© 村上左知/日本文芸社

リバ

リバースの略。攻めと受けの役割が逆転すること。もしくは攻め・受けの役割を固定しないこと。

BL入門!まずはこれを読もう

いままでBL漫画を読んだことがないという方へ、BL入門におすすめの漫画を筆者がご紹介します。

同級生/中村明日美子

カッコイイと思ってた同級生がウケだったとわかったシーン(同級生)
同級生
© 中村明日美子/茜新社

同級生」 (中村明日美子/茜新社) の草壁光は、合唱祭の練習中に佐条利人が歌っていないことに気付きます。そんななか、一人放課後に歌の練習をする佐条を見かけると思わず声をかけてしまい、そこから二人の交流がゆるやかにはじまります。

草壁が佐条に告白するシーン(同級生)
同級生
© 中村明日美子/茜新社

バンドをやっている草壁光と優等生の佐条利人。全く違うタイプの二人が心を通わせる過程がみずみずしく描かれます。

卒業生—冬—」 、「卒業生—春—」 で一旦完結なのでぜひここまで読んでください。筆者が初めて購入したBL本です。私もこれでBLにはまりました。

ひだまりが聴こえる/文乃ゆき

表紙(ひだまりが聴こえる)
ひだまりが聴こえる
© 文乃ゆき/プランタン出版

ひだまりが聴こえる」 (文乃ゆき/プランタン出版) は、難聴のせいで周囲と馴染めない大学生の航平が、明るく真っすぐな太一と出会っておきた心の変化を丁寧に描かれています。

航平が自分の考えを太一に言うシーン(ひだまりが聴こえる)
ひだまりが聴こえる
© 文乃ゆき/プランタン出版

聴覚障害を持ったことで感じる不安と葛藤、閉ざしていった世界に明るく光差すような太一の言葉。とても切なく、でも読めば心があたたかくなるこの作品は、BL漫画というより一本の青春映画を見ているような感覚です。

続編には「ひだまりが聴こえる-幸福論-」 (文乃ゆき/プランタン出版) があるのでそちらもあわせておすすめします!

ジャンル別おすすめ漫画

萌えの数だけジャンルがあるほどたくさんのBLのジャンル。今回はその中から4ジャンルの筆者おすすめマンガをご紹介します。

ヘタレ攻めならこれ!「花とうさぎ」

うさぎの相澤さんにマスカットティをごちそうになる梶山のシーン(花とうさぎ)
花とうさぎ
© 嘉島ちあき/海王社

花とうさぎ」 (嘉島ちあき/海王社) の主人公・配達員の梶山は担当地区のお得意様・相澤さんがうさぎのかぶりものを被っているのが気になって仕方がない…。

相澤さんは普段からうさぎの頭をつけているという究極のヘタレ。素顔はイケメンなのに純で可愛いのです。ほのぼのキュンとするお話しでこちらもBL初心者におすすめです。

人外ならコレ!「坊主と蜘蛛」

蜘蛛の妖怪に(坊主と蜘蛛)
坊主と蜘蛛
© ハジ/プランタン出版

人外とは人でない生き物。人外×人、人×人外、人外×人外というバージョンがあります。

坊主と蜘蛛」 (ハジ/プランタン出版) に登場するのは、蜘蛛の妖怪とその蜘蛛に懐かれた情を交わす坊主の宗玄。蜘蛛ー!?お坊さん!?…と思わずぜひ読んでみてください。

妖怪より生きている人が怖い、と思う宗玄の生い立ち、蜘蛛の特性が存分に生かされた描写(エロさも含め)にひき込まれます。

オヤジ受けならこれ!「両想いなんて冗談じゃない!!」(カサイウカ)

神田が25年片思いをしている相手と同居することになったシーン(両想いなんて冗談じゃない!!)
両想いなんて冗談じゃない!!
© カサイウカ/プランタン出版

両想いなんて冗談じゃない!!」 (カサイウカ/プランタン出版) では、親友へ25年間片思い中のおじさん・神田時造が主人公。

こじらせすぎの片思いを抱えた42歳のおじさんなのに、妙に可愛く応援したくなります。おじさんの恋を見守るバイト・宇田くんの立ち位置が絶妙でニヤニヤしながら読めるコメディです。

アラブならコレ!「王子と小鳥」

鈴木がハーリド皇子に片言のアラビア語でお願いをするシーン(王子と小鳥)
王子と小鳥
© 山中ヒコ/芳文社

王子と小鳥」 (山中ヒコ/芳文社) は、アラブものといっても濃厚な恋物語ではなく、奴隷として第二王子・ハーリドに買い上げられた日本の貧乏美大生・鈴木圭一が、日本への慕情を思いながらもしだいに王子に惹かれていく繊細な物語。ハーリドの第二王子としての立場、鈴木の一途さが相まってしんみりと心に響きます。

BL漫画の魅力を知るにはまず読んでみることから。今回紹介した作品を読んで、あなたも奥深いBLの世界に足を踏み入れてみませんか?

男性同士の恋愛はちょっと…と思っていても、作品ごとに違う世界観にきっとハマってしまいますよ。あなただけの萌えを見つけてみてくださいね。

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書いた人

チェキア

チェキア

神奈川県在住。遥か昔の高校時代、漫画家になろうと思い立ち、少女マンガを雑誌に投稿した経験有り。もちろん漫画家になれることもなく、もっぱら読む事を楽しむ毎日です。 座右の銘は、人生山あり谷あり!実生活は子育てで翻弄されてますが、漫画はいつも優しく迎えてくれます!

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