4.0
恋愛はある意味ファンタジー
物語の枠組みだけ見ると、「病がちなヒモ男に冴えないOLが捕まり、古道具屋の2階を格安で借りて同棲している」という、何だかしょっぱい話になってしまいますが、ファンタジー設定で、見事に美しい物語に昇華させてあります。極端に孤独で気高い男性が、弓の付喪神として表現してあり、それにふさわしく、鋭くしなやかな、美しいビジュアルが与えてあります(着流し姿が美しいのに対して、時々着ている現代的なファッションがちぐはぐな印象でややダサいのは、緻密に計算されているのでしょうか)。ヒロインは、地味な容姿で表情も乏しく、両親の関心も美人の妹に持っていかれている、というキャラクターで設定されていますが、脱いだらスゴい「婀娜めかしい」ナイスバディで描かれており、それを神様だけに捧げています。現実の人間関係として描かれているのは、ヒロインの家族くらいで、ヒロインが現実社会を生きている様子は、ほとんど描写されません。ヒロインと共に世知辛い現実からひととき離れ、ファンタジー世界で、憧れの溺愛恋愛物語に浸る事ができる作品です。
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