5.0
才能が結びつけている関係の難しさ
BLの切なさの1要素として、同じ性であるからこそのライバル関係、というのがあるとおもうんですよね。
だからこそ、同一人物に対する愛憎や憧憬が共存するし、それを肉体に結びつけて描きやすいわけで。
この作品もまさにそれ。切磋琢磨するときが過ぎ、競い合うことに限界が来たときに選択した結果に、どちらかが納得がいかなかったら、どうすり合わせるの?どうやって一緒にいきていくの?という、ある意味BLの一大ジャンル、ライバル愛のその後を描いた作品として、深ーく深く感じるものがありました。
時系列が前後して、現在の関係、から進む話と、過去編と、と進んでいきます。
思春期から大人になるまで、それは才能の伸び盛りから、限界を感じるまで。
その間、かわりゆく関係と立場で、同じ人に同じ気持ちを持ち続けるのは難しく、ときに二人は離れたりしますが、相手に気持ちがあれば、相手を変えるんじゃなく、自分が変わらないと、主人公二人が、お互いを思いやり、ともに成長していく姿は号泣必至です。
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