5.0
賛否両論の問題作品
テーマがテーマだけに、やはり後味の良さを期待するのは少し無理があるかもしれません。性と嫌悪感は完全に切り離すことは難しいものです。
きれいで華やかな短い時間だけをもてはやされ、悲しいことであるとどこかで感じながらもそこにしか居場所を見出だせない女性。
それを食い物にする社会。
需要と供給が一致してしまう瞬間。
傷が傷を生む。
その上に成り立つ快楽がこの世にはある。
読みながら「どう生きる?」「何を大切に生きる?」と生き方を問われているように感じられました。
この作品から何を読み取るかは人それぞれだと思います。
私は「やはり社会は怖い」と救いのなさを感じましたが、それと同時に、現実世界でのそれなりに穏やかな日常や優しい人について改めて認識しました。
社会の怖さを垣間見たことで、今ある幸せを大切にしたいと思うことができたような気がします。
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