5.0
正妻を尊敬する金蓮はいつも瓶児と小競り合
ストーリーの中で西門家をパロディにした演劇が催され人気を博すのですが
===その一節から===
私は薬商を営む西門家の主、金はザクザク男前。
家業は人任せ、私は女遊び。
女を喜ばせるのはお手のもの、私のひょうたんはいつも満杯、今日も街へ出て女遊び。
東の廓の女とは…、西の未亡人とは…、こんなに遊んでも私のひょうたんからは一滴も漏れんぞ。
私の妻は全部で6人、みんな私のひょうたんが大好きだ。
正妻は箱入り娘、膝に乗せて…。
2番目の妻はお金が大好き、…する度銀子をねだる。
3番目の妻は占い好き、いつも体位は占いで
、今日の頭は東北東。
4番目の妻は料理好き、睦事の最中も鍋の心配。
さて、5番目の妻は6人の中で一番の色事好き。
この女に捕まるとひと晩くらいじゃ許して貰えない。
朝な夕な…、私のひょうたんも心許なくなって…主:「しまった!ひょうたんがこぼれた!」金蓮:「あれ〜旦那さまぁ〜」
困った、これでは6番目の妻に行けない、瓶児:「私のことは良いのです」主:「いやいや、それでは男がすたる、しからば…」
瓶児:「あぁん、旦那さまぁ○×△⭐︎☆」
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男前の旦那さまの寵愛を奪い合う、金蓮と瓶児の小競り合いがかなり面白いのだけど、結果は機転が利く金蓮と、浅はかな瓶児では勝負にもならず、毎度金蓮の圧勝ですっきりする。
瓶児は本当に頭わる過ぎやし、頭のおかしい勘違い女に描かれていて、金蓮は意地が悪いのに人情に厚く、間違いなく悪女なのに憎めない女に描かれている。
6人の奥様方はみんな良いキャラで、たまに春梅がさらわれたり、瓶児は西門家に出入りする人間に良くおかされるけど、嫌よ嫌よと言いながら、毎回普通によがってて気持ち悪い。
人間のドロドロした部分に焦点を当てた物語で、いろいな作家さんが描いている金瓶梅だけど、この作品は秀逸です。
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