他にたくさんある
退屈ではなかったが、復讐モノとしては、二番煎じどころか、いったい何番煎じなんだ、という感が否めなかった。
特に、序盤の見せ場である「結婚式での復讐ビデオ」は、某有名復讐漫画のネタをそのまんま踏襲しており、リスペクトとかオマージュとかいうレベルの話でもないと思うし、私はただただ「節操がない」という感想を持った。
オブラートに包まず言えば、ジャンルまで同じ最近のヒット漫画をパクるなんて、どういう神経してんだ、ということだ。
復讐者サイドのキャラクターにも、私は入り込めなかった。
復讐は、どんなに激しくても思い切っていても、本質的にはどこか悲しいものだと私は思う。
まともな復讐モノの漫画は、どんなに残酷な描写に溢れていても、どんなにエンターテイメントに傾いていても、根底には悲しみが流れている、と思う。
(この漫画に結婚式のビデオをパクられた漫画にしても、そうである。)
本作には、その悲しみを、感じない。
サイコ野郎のような復讐者は、あまりに「作り物」の感が強く、そのせいもあって、過激でドラスティックな復讐が、どうにも安っぽく思えて仕方がなかった。
酷い漫画とまでは言わないが、これを読むなら、他に読むべき復讐モノの漫画はたくさんあるだろう。
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2.0