5.0
鮮やかな結末
長崎先生が好きです。
ボーダーは、単発のドラマを観たような満足の読後感。
先生らしい、どこかにいそうな人間の、ちょっとした心の隙間や闇を、鮮やかに表現した予想外の結末でした。
無邪気に罪を重ねていく美しい拓哉。
家族を捨て、彼と生きる事を心に決めた時、普通の主婦の弓子がヒロインになった瞬間だった。
ありえない結末と書いている人もいたけど、そんな事ないと思う。
破滅とわかっていても後悔しないくらいの、誰にでも人生で決断を迫られる一瞬が、くるかもしれないと思った。
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