4.0
作者さんがすごいなぁと思う。
子供の頃の虐待に向き合って、自分の考え方とか人との付き合い方を省みることが出来て良かったなと思いました。下手をしたら自分も虐待の連鎖を繋げてしまうかもしれなかったのに…
最後は作者さんとお子さんの関係がとても良く、旦那様も素敵な方で良かったと思うラストでした。
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子供の頃の虐待に向き合って、自分の考え方とか人との付き合い方を省みることが出来て良かったなと思いました。下手をしたら自分も虐待の連鎖を繋げてしまうかもしれなかったのに…
最後は作者さんとお子さんの関係がとても良く、旦那様も素敵な方で良かったと思うラストでした。
父親の暴力、性的虐待、母は女でしかないという構成が自分と一緒でドッペルゲンガーかと思ってしまった。当時の私には反抗することすら出来なかったけど。
物心ついた頃から親の顔色を伺いながら生きてきたし、足音ひとつたてることや、呼吸をすることにすら気を遣った。
虐待による傷は一生癒えない。本当にそう思います。こんなご両親と連絡をとったり病院に行ってあげるぴろよさんは凄いです。
私は今も自分を守るために逃げるだけでいっぱいいっぱいで、今親がどこにいるかも知りません。お葬式すら出るつもりはないです。憎むことは執着することだと気がついてからは、忘れるためと自分の心を癒すことだけに時間を費やしてきました。
両親は頭がおかしかった。それは親の親がおかしかったから。それもわかります。私は結婚も出産もせずに生きていく予定です。自分に狂った血が流れていると思うだけで死にたくなるのに、こんな遺伝子を残すなんて罪だと思うから。
親と離れても、忘れようと自分に言い聞かせても突然のフラッシュバックに涙が溢れてしまうことがあります。この苦しみは生涯抱えていくものだと思っています。
作中のぴろよさんのように、幼い頃に愛されなかった悲しみを大人になった自分が受け止めてあげること。辛かった現実を直視し、幼い子供ではどうしようもなかったことを知ること。そして今の自分は過去とは決別する、それが今なら出来るのだと考える。これは私もとても効果的でした。
辛い過去を抱えている皆さんに知って欲しい。許さなくていい。両親が正しいとは限らない。
これだけボリュームのある内容を、よく21話でまとめあげたと感心する。
最初は、子供に対する虐待の実態を伝える作品なのかと思ったので、7〜11話は話の方向性が迷走しているように感じて読むのが辛くなったが、作者のプロットはもっと大きな視野で描かれていたようだ。
虐待の具体的な事実を訴えるのみならず、虐待の連鎖や虐待の構造、それらのもたらす影響についてまで、実体験を通して得られた気付きや分析に言及されている。
虐待・DVについてはもちろんのこと、それ以外にも生きていく辛さを味わっている人にとっての貴重な気付きや思考習慣の転換のヒントがいくつも折り込まれている。
ノンフィクションの貴重な情報として、社会的価値ある作品だ。
最終話は、救いと希望があって本当に良かった。
心から主人公には幸せになって欲しい。
作者さんが今は穏やかに暮らされていて、本当に良かったです。
父親も相当におかしいですが、母親も相当におかしい。
後半で母親が、作者の父親が自営業であることによる収入の不安定さや時間の不規則さに対して業種変えろだのなんだのと作者の父親に言っていたことが描かれていますが、理由が「自分の理想の家族像じゃないから」というもので、その浅はかさや身勝手さに引きました。
一度離婚して逃げ出しても、色々理由を付けて戻っているあたりにも、子どもより自分優先の身勝手さが出てるんだろうなという印象です。母親が働いてる描写もあまりないですし、専業主婦で悠々自適の子育てをしたかったんだろうなと感じました。
みんな見せないだけで、専業も兼業も家庭を守るためにたくさん頑張って苦労もしてるんですが...
父親は、暴力暴言だけでなく、娘に手を出そうとするわ、お金は巻き上げるわで漫画読むだけでもトラウマになるレベルに酷い。
でもなにより作者さんを苦しめてるのが世間が作った「あるべき」姿。
「子は何をされても親を求める」「親は子を愛してる」みたいな世間が作った理想みたいなのに苦しんで罪悪感を持ち、時には自分を責める。
こんな両親愛せなくて当たり前だし、罪悪感も持つ必要はない。
だからそんな気持ちを乗り越えられて本当に良かったと思った。
今は穏やかに暮らされている描写と、優しい旦那さんが本当に救いで、これからも穏やかに幸せに暮らせるように心から祈ってます。
家族や恋人(夫)からの暴力や暴言等の虐待の被害とは無縁で生きてきました。
そんな中で新しい命を授かり、“もし子どもが親からの虐待を受けたらどんな人生になったのか”が気になり拝読しました。
とにかく辛い。被害についてはもちろんですが、思考や行動の端々に思い出したくない父の姿が過り日常生活に支障を来す。周りに理解してくれる人がおらず心を蝕まれる毎日。
頼みの綱であり、罪悪感を払拭できずにいた母も実は自分に対して歪んだ感情を持っていた。
共に育った兄弟が大人になっても、心の病を抱えていた。
本当に虐待は地獄。
そう感じずにはいられませんでした。
私と似たような境遇の方では作者さんの後々の思考や行動に対して「然るべき施設で適切な処置を受けようよ」と言いたくなると思います。
でもそうはいかないのでしょうね。
ただただこの世から虐待という行為がなくなるのを願うばかりになる作品です。
心が疲れている方には向かないとは思いますが、読むと自分の中で考えの幅が広がると思います。
トラウマは一生消えない。子供の頃、怖かったこと嫌だったこと、悲しかった記憶は一生消えない。ましてやそれが家庭内だったなんて。男の人が怒鳴る声、暴力は思ってる以上に子供を萎縮させてしまう。
けっこう身につまされる…。前半はつらくて読むのが大変だった。
この手のエッセイ系では一番のめりこんでよんでしまったかも。作者は自分の置かれた状況や心理状態に真摯に取り組んでいるので、心から応援したくなる。最後の話はこちらも救われた。
作画がかわいい(特に赤ちゃんの息子さんが可愛かった)ので、漫画家としての今後に期待しています。
私も昔、父の暴力をずっと見ていました。
記憶が飛んでしまって小さい頃の記憶はあまりないです。
父と母が離婚して喧嘩からDVに…という流れが無くなったので、暴力をする姿はみていませんが
未だに大きな声、音が怖いです。
ちょっと分かるところもあるので
読んでいて胸が締め付けられそうになりました。
「キモイ」というご意見もありますが。私はこの主人公の気持ち、よく解ります。ここまでされたら歪んで育ってしまうのは当たり前です。児相案件どころかすでに警察沙汰です。親父もおかしいけれど、その親(ジジババ)はもっと変です。どういう家庭で育った3人(ジジババと親父)なのでしょうか?
でも一番理解できない人は母親です。主人公が3歳のときに離婚しておきながら、6年後にはよりをもどすなんて馬鹿げてます。余計に子どもたちは傷だらけになります。母親は「子供たちに学歴を与えたいから」と言ってるけれど、そんなのきれいごとです。本音は?
これ以上書くとネタバレになるのでやめときます。
いつも不思議に感じるのですが、モラハラDV男と結婚した女性ってほぼ子供産んでますよね。新婚当時はモラも暴力もなかったのかなー?この家は兄が2人いるので子供は全部で3人です。3人も子供をもうけているのにモラでDV?それっていつからなの? 主人公は自分の性格が歪んでいることを自覚しつつ、それでも頑張って生きていきます。「性格悪いのは親父のせいではなく生まれながらだ」というご意見もありますが、私は違うと申し上げたいです。人は生まれ持った気質と環境とが合成されて人格が形成されます。その人格形成期に「親父を殺したい!」とまで思うほどの虐待を受けたのです。それでも彼女は「自分が親殺しをしたら母が、兄達が、世間から後ろ指をさされるようになる。自分の人生も破綻する」と考えて思いとどまっています。つまり彼女はサイコパスでもなく馬鹿でもなく、冷静に考える力を備えていたことが分かります。「さぞお辛かったことでしょう。よくぞ堪えてくれました」と私は拍手を送りたいです。
共感できるところがたくさんありました。私も父を殺さなくて良かったです。今は幸せです。
現在、途中までしか読んでいないのですが、毒親育ちの私にとって自分と向き合う作品になっています。
私は派手な身体的な暴力はなかったけど、人格否定や言葉の暴力があり、何かあれば出ていけと言われる環境で育ちました。
そんな虐待をした母は亡くなり、自分と向き合うことで母を許すことができたのですが、生活をしているなかで時々生きづらさを感じることがあります。恵まれた家庭環境の人と比べて悲しくなったり、母に対する怒りが湧いてきたり。そんな時にこの作品に出会いました。
この作品の主人公とは状況が少し違うけれど、主人公の考え方や行動など過去の自分と似ている部分があり、生きやすくなるための学びがあるのではないかと自分と向き合いながら読み進めています。
同じような悩みがある方におすすめですし、このような悩みがなくても、こういう人もいると、こういう育ち方をするとこういう思考回路になると知っていただきたく、色んな人へ読んでいただきたい作品です。