5.0
ハンチョウ・ビギニング
懐かしの『カイジ』シリーズでは、これが文句なしにお薦め。
というのは、これを知らないで『ハンチョウ』にハマッてる人もいるだろうと。
あの美食家ハンチョウはもちろんのこと、変なロン毛の沼川も、限りなく大雑把な石和も、親しみやすいキャラどころか悪人も悪人、極悪人。
ハンチョウ前日譚、もうひとつのハンチョウとして大いに楽しめます。
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懐かしの『カイジ』シリーズでは、これが文句なしにお薦め。
というのは、これを知らないで『ハンチョウ』にハマッてる人もいるだろうと。
あの美食家ハンチョウはもちろんのこと、変なロン毛の沼川も、限りなく大雑把な石和も、親しみやすいキャラどころか悪人も悪人、極悪人。
ハンチョウ前日譚、もうひとつのハンチョウとして大いに楽しめます。
大沢在昌氏の小説は何作も読んでいて、この作品もハードボイルド作家らしい序盤に引き込まれたのですが。
途中で「ぎょえっ」と声を出して驚く展開に、そうか、やっぱりミステリ作家でもあるのだなと感服。
そして血沸き肉躍るクライマックス、すべてが収斂する快感。
全部読んでも「ちょうどいい長さ」で、強力にオススメです。
一旦終了した作品の再発進で『リ・ブーーート』とは洒落がキツイ。未知やすえ姐さんに怒鳴られますぞ。
「異世界に転生した悪女」モノですが、少々ユニークなのは。
ヒロインには【ぽっちゃり】というハンデがある。しかしそのハンデを克服するための創意工夫が、やがて国益につながる、街づくりに広がる。と書けば壮大な話のようですが、けっこう壮大な話です。
なので『ドラクエ』『トルネコ』的RPGよりも『プリンセスメーカー』と『シムシティ』を足したようなSLGの世界観に近いと思います。
徹頭徹尾、尋常ならざる重さと暗さで支配されている。
目を背けたくなるのに目が離せないのは、展開が決して一本道の繰り返しではないからだろう。
このキツイ内容を読み続けられるのは、絵柄が読み手の代わりに「泣いてくれている」からだろう。
もちろん、その涙は赤い。
登場人物がそれぞれ「マウント女にされたイヤなエピソード」を語る漫画かと思ったら、そこから一気にトンデモ展開へ。
4話まで読みました。
これだけ魅惑的なヒキも、そうそうないですね。早く続きを! 何卒!
ありがち「ブリッ子のウザイ女をとっちめる話」かと思いきや。奥行きが違う。
その「ウザイ女」は読者の想像を一段、二段と超えていく「したたかな女」。
途中から応援……は、したくなりませんが、見守ろうという気になります。
探偵さんは探偵さんで、こちらも奥が深い、根が深い。
私立探偵小説、小さな事件を調べていると巨悪にブチ当たる展開ってありますよね。
それに近いテイスト。さあ大変、乞うご期待、ってところです。
かつての愛読者が懐かしく読み始めるケースがほとんどのはず。
そして、自分もそうなのですが、連載途中で「もういいかな」とリタイア/卒業してしまった人も多いはず。
今回は気楽に、アクセルもブレーキも踏まず、心に余裕を持ってダウンヒルしてみようと思います。
スピンオフであると同時に前日譚で、はたまたザッピングでもあるような、要するに本編ファンには堪らない作品な訳ですね。
逆に言えば、本編がハマらなかった人は、こちらも厳しいでしょう。
ただ、本編未読ながら興味を持った人がこちらを先に読むのは、それはそれで楽しいルートかも。
扉絵の異様な暗さに尻込みしてはいけません。中身はもっとポップな絵柄です。
出てくるキャラが(主人公の旦那ですら)曲者に次ぐ曲者、クセのカタマリ人間だらけ。
さらに展開が「これでもか」と、ヒキに次ぐヒキ。これは堪りません、止まりません。
ちなみに『ワタシってサバサバしてるから』原作者とらふぐ氏の作品です。
彼も彼女も素晴らしく【いい子】です。ダウンタウン『ええ子コンテスト』ならブッチギリ同点優勝です。
勉強も運動もできる、性格は純粋、好きなものは花。
こんなふたりにキュンキュンして「頑張れ」と応援するのは、すでに我々(誰?)が親目線だから、という気がします。現役の若者なら「もう少し地味だったり、欠点があったりしたほうが」と反発するかも。
まあ、自分が現役でないことを嘆いても始まらないので、ふたりの恋路を見守るとしますか。
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