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作品レビュー
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1 - 10件目/全30件

  1. 評価:4.000 4.0

    来年も舞台化

    永遠を彷徨う吸血のバンパネラという一族の、二百年もの物語りが描かれている、実に幻想的で美しい作品です。
    こんなに洗練された漫画が、約50年も前に存在していたのはすごいと思います。

    一昨年、宝塚歌劇団で舞台化され、明日海りおさん演じるエドガーが本当に美しくて魅了され、原作に興味を持ちました。
    明日海さんは去年、宝塚を退団され芸能界入りされましたが、来年またエドガー役で舞台に立つ様です。

    この作品は、雰囲気はファンタジーの世界観そのものなのに、登場人物の存在感は妙にリアルで、その対比とバランスがすごいところです。
    序盤はテンポが独特で掴みづらく、多少の入り込みにくさがありました。
    舞台のポーの一族で、ストーリーの概要をわかっていたので大丈夫でしたが、そうでなければ早々に挫折して読めなかったかもしれません。
    それでも、バンパネラの放つオーラや不穏さ、エドガーとアラン、メリーベルのもの哀しさには惹き込まれました。
    バンパネラは、この作家さんが吸血ものの洋書を読まれた際に(おそらく)バンパイアのスペルを読み誤って生まれた言葉だそうですが、何だかいい響きです。

    豆知識ですが、作家さんの「望都」というお名前は本名だそうです。
    生まれながらにもうお洒落。
    ご両親にセンスがあると、やはりセンスのある方になるものですね。
    言葉のチョイス、絵柄、色々なものが日本人離れしているなぁと思います。
    お若い頃から、様々な文学をこよなく愛されてるらしいので、エドガー・アラン・ポーにちなんだ名付けも納得です。

    • 4
  2. 評価:4.000 4.0

    歴代の猫さん達

    コミックス持ってます。
    ファンなら知らない人はいないくらい、猫が大好きないくえみ先生の、歴代猫さん達を描いた漫画です。
    「そろえてちょうだい?」のレビューにも書いたのですが、いくえみ先生はコミックスの余白や巻末に、よくご自宅の猫さんの事を描かれてました。
    この漫画は、それをより詳しくした内容になっていて、出会いと別れを読めます。
    過去のお話なのでホロリとしてしまう場面も何度かあったり、ペット飼いの常識や事情が古かったりしますが、基本は微笑ましいエピソードが満載です。
    しかもいくえみ先生のお人柄やご家族の事まで覗い知れる、何だかお得な漫画でもあったりします。
    現在の事は「そろえてちょうだい?」の方がもちろんわかりやすいですが。

    私も複数の猫達と暮らしていて、毎日の様にそれぞれの猫の可愛さに癒され、個性に驚かされたりしていますが、漫画の中のどの猫さんも本当に可愛いし、個性があって笑わせてくれます。
    猫好きの方なら読んで損はないかと思います。

    余談ではありますが、猫漫画が配信されたので、犬漫画も配信されたら嬉しいです。
    「いくえみさんちの白い犬」だったかな?
    読めば、猫も犬も好きで、優しくて楽しい方だという事がよくわかります。

    • 4
  3. 評価:4.000 4.0

    焦点は能力の高さ

    この作品を読むまで私はこの斎さんという方を知りませんでしたが、こんなにすごい能力者が存在するのかと驚きました。
    残念ながら2年ほど前に癌でお亡くなりになった様ですが。

    表紙にある「怨念旅館」はほんの一例。
    あらゆる相談者のあらゆる霊関連のお悩みを、並外れた能力であっという間に解決に導いていきます。
    本当にあっという間。
    あっという間に原因を見抜いてあっという間に除霊します。
    タイトル通り、ほぼ強制的です。
    この作品を楽しめるかどうかは、その能力をどれだけ信じられるかに掛かっていると思いますが、この斎さんという方の言は、理に叶っていて説得力はあります。
    焦点は霊ではなく、あくまでも彼女の能力やお人柄の方にある作品です。
    作画が綺麗なので、そんなに恐ろしい描写でもなく斎さんの能力に注目して読む事が出来ます。
    それにしても、こんなにすごい能力を持つ方って、なぜ存在するんでしょう。
    そんな事も考えてしまいました。

    様々なお悩みパターンがありますが、私はお稲荷様が苦しんで号泣するお話がかわいそうで涙ぐんでしまいました。

    • 3
  4. 評価:4.000 4.0

    正解かどうかなんて

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    とても重いテーマを描いている作品。
    しかもそのテーマはひとつではなくいくつもが盛り込まれていて、どんな人でもその様々な立ち位置で、感情移入出来る作品になっているのではないかと思います。

    私自身は生まれも育ちもどちらかというと都会的な地域ですが、認知症の祖母と2年ほどだけ田舎暮らしした経験があります。
    その経験を思い返してみると、この作品で描かれているあらゆる場面が決して単なるフィクションではないと感じます。
    その土地独自の空気、暗黙のルール、密な距離感。
    こう書くとネガティブに響きますが、その土地の人々からすれば、ごく自然にやっているし当然だとされている事が多々ありました。
    「良かれと思って」←魔法の言葉。
    そんな独特の雰囲気を思い出しました。
    でも作中の老夫婦にとって、そのすべてが救い以外の何物でもなかったんですよね。
    ちょっと乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、老夫婦や地域の皆さんがした選択、そしてその結果が正解かどうかなんて、正直どうでもいいとさえ思えてしまった自分がいます。
    それは作中の登場人物の皆が、その事実を受け入れ、最終的に納得しているから。
    社会的にとか倫理的にとか、そんなレベルの話ではないものが通るこの世界観は本当の意味での優しさと愛なんだと思います。

    この世できっと、一番苦しむであろう死に方を選んだ老夫婦は、それがせめてもの贖罪だと決意したのでしょう。

    • 2
  5. 評価:4.000 4.0

    ジョージ朝倉の素地

    この方の作品は、何を読んでもパンチがあるし、興奮するし、馬鹿馬鹿しいし、痛々しい。
    何とも言えない吸引力のある作家さん。
    若い頃の私は、この方のほとんどの作品を揃えていましたが、これもそのうちの1冊でした。

    初期の作品集の様なもので、ギャグ要素多め、シュールさが際立つ、アバンギャルドでアクティブでファンタスティックな内容ですw
    何というか、ジョージ朝倉の素地を感じられると思います。
    「原点」というより、もっと根本的に人を形成してる素地が。

    私はおふとんの話が好きです。

    • 2
  6. 評価:4.000 4.0

    よく練られたストーリー

    好きな作家さんなので、あまり深く考えず読ませて頂いたけど、いい作品でした。
    終始さらっとしている様で、実はとてもたくさんのテーマが盛り込まれていて、静謐な中の熱さを感じました。

    1編目の主人公は男子大学生。
    手のパーツモデルという少し珍しい職業を垣間見られると同時に、彼の恋やトラウマや気づき、それらによって得た成長が描かれています。
    彼が恋するお相手の彼女の健気さや、彼のマネージャーのひたむきさ、彼本人のまっすぐな素直さ、それはすべてが優しさで、3人のさりげない善良さが好きです。
    ただ彼女、危険な事故に見舞われ過ぎ?
    2編目は女子高生が主人公。
    彼女の背景がとてもナチュラルで、内容がすんなりと入ってきました。
    決して孤独ではないのだけれど、こういう環境だと感じがちな淋しさ、それ故の結果が無理なく描かれていると思います。
    ちょっと不穏な感じの描写も、楽しませてもらえました。
    途中、結構早い段階でオチがよめてしまったので、それだけが残念でしたが。

    どちらも少し重めなテーマですが爽やかさもあり、暗くなり過ぎていないのも、この作家さんのすごいところです。
    大変、読書好きな方なのでやはり構成力の高さを感じさせられます。
    色々と、練り方が巧みですよね。

    • 2
  7. 評価:4.000 4.0

    サイダーはポジティブ

    CM漫画にレビューするのもいかがなものかと思いますが、結構好きですw
    絵がとてもキレイな作家さんですよね。

    1話目は、仕事を辞めるのを踏み止どまる女性が更に跳躍する兆し。
    2話目は、女子が潔く部活を辞める決意をするけど爽やか。
    どちらも同僚男性、先輩男子の言葉に救われているという、ほんのり恋のテイストがあります。

    どの道を行こうと、それは途で、また未知でもあるという感じでしょうか。
    前向きでさえあれば、大丈夫という趣旨でポジティブさがサイダーとの相性良しですよねー。
    確かにちょっとネガティブな時にサイダーはチョイスしませんわ。

    • 1
  8. 評価:4.000 4.0

    正しくタイトル通り

    かっこいい。
    シンプルにそう思う作品です。
    様々なジャンルの職業に就いている人物それぞれにスポットを当て、その人物の仕事に対するポリシーやスタイル、生き様が描かれてます。
    それがそれぞれにかっこいいんです。
    正しくグッジョブです。
    時には泥臭く、時にはスマート。
    職業に好き嫌いや向き不向きや得手不得手はあっても貴賤はない、という事を改めて感じます。

    職業別の読み切りなので、気になった職業から入れる読み易さもいいと思います。
    どうしても職業=人生になってしまうから人生観もおのずと付随してくるので、その奥深さもじわじわきます。

    社会に揉まれた大人が読むには、綺麗事に感じる部分も若干ありますが、私は楽しく読んでます。
    今後もたくさんの職業でたくさんの人生を描いて頂きたいです。

    • 1
  9. 評価:4.000 4.0

    死も生も愛も

    ネタバレ レビューを表示する

    死者が視えてしまう彼女と死者の声を聴いてしまう彼のお話。
    ホラーを楽しみながら2人が強い絆で結ばれていくラブストーリーも楽しめます。
    あらゆる死者に対峙しながらも、支え合う2人の愛がなかなか素敵です。

    死者に苦しめられていた彼女の悲痛な声を彼は出逢う前から聴き続け、探していたという背景があるので、彼女を見つけてからの彼の溺愛ぶりは見ていてニヤニヤするレベルですし、常に彼女を守ろうとする姿はかっこよく頼りがいがあります。

    時間軸が行ったり来たりするので、たまにわかりづらい時もありますが、本当に様々な死者が出てきて、生と死について色々と考えさせられるストーリーです。
    ホラーでありながらヒューマニズム感もかなり感じられます。
    死者は怖いもの、という単純な概念ではなく、生きていたからこその悲哀や、死者になってからの孤独、無念が描かれていて、死者は未来の自分なのだと、身近に死を感じさせられて、なかなか深いです。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    ほのぼのと平和に

    色々と想像が広がるタイトルが好きです。
    でも恋愛至上主義系だったら苦手だしなぁと、なかなか手を出せずにいた作品。
    まさか彼といたくて会社休んじゃうの?とか、会社休んでデート行くんちゃうんとか社会人にあるまじき女性だったら見たくないと思ってしまって。

    いざ読んでみたら私の心配をよそに、基本きちんと仕事をこなす真面目な女性のほのぼの恋愛漫画でした。
    タイトルの台詞も、本当にここぞという場面でしか使われません。
    真面目な皆さん、安心して下さい。

    30数年も恋愛経験がない人が実際、どんな感じなのかはわかりませんが、主人公はとても素直な可愛い女性で、最初の彼がいい人で良かったねぇって感じでしょうか。
    恋愛の楽しさや安らぎに、ほんの少しの切なさや不安をプラスしていて、ほっこりしたい時に読むといいと思います。
    こんなに安心して読める恋愛漫画もアリ。
    それもこれも、主人公とつき合うと決めてからの彼は、いつもブレずにどっしりし続けていてくれるから。
    イケメンで男らしく包容力も兼ね揃えてて明確な言葉をくれるから。
    ツッコミどころはたくさんあるけど、敢えてスルーして、素直に彼を信じて素直に読めばあら不思議、素直になれます。

    • 1
全ての内容:★★★★☆ 1 - 10件目/全30件

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