赤い雲さんの投稿一覧

レビュアーランキング 1784位

作品レビュー
投稿 71件 / いいね獲得 198件
話コメント
投稿 171件 / いいね獲得 146件
  • 新着順
  • 全ての内容
  • 全ての評価
並び順
ネタバレ
その他条件
評価
検索条件変更変更しないで閉じる

1 - 10件目/全65件

  1. 評価:3.000 3.0

    NEW
    第一話だけなんとなく読んでみたら

    ネタバレ レビューを表示する

    端正な線の絵なのに、見事なまでにドロッドロ。視点の違いで読者のミスリードを誘う見事な展開。登場人物たちが自分に都合よく世界を見ているだけなのだが、さもそれが真実であるかのような語り口が素晴らしい。一気にそれがオセロのようにひっくり返される瞬間がクライマックスなのだが、そこに至るまでの居心地悪さが、アガサクリスティの小説みたいだ。ただ、視点持ち回り制の中で父親の視点だけが無いから、それが残念。どうしようもない父親を創り出した古い家の構図は、そのまま主人公の弟と母親の関係に当てはめられる。弟は男の子だからという理由だけで甘やかして育てた結果、どうしようもないクズ息子に育っている。そして父親も全く同じように育てたられたと容易に想像がつく。しかし、家で自分のことを何一つやらない、妻を労わることもしない、実の母親に罵倒される娘を庇いもしない、弟ばかり贔屓して叱ることもしない、そんな男が、学校で子どもを導く教師?ちょっとリアリティに欠けるかな。普通ならとっくに離婚されてるだろうし、学校でも嫌われてると思う。そこらへん、掘り下げて欲しかった。あと、クズの弟の内面も。口先だけの自己愛男だということはわかったのだが、女の話だけにしないで、コイツの断罪もして欲しかった。将来、クソ親父と全く同じになるのか、そこまで見せて欲しいな。コイツのクズ加減は、「姉ちゃんの性格はよくわかってる。承認欲求が強いから、自分こそが母さんの世話をしたいはずだ」と全部自分に都合よく確信して押し付けようとしたところにある。いや、こいつホント、母親も姉のことも微塵も心配してないよね。金にもだらしないようだし、弟の嫁はすぐに逃げ出した方がいいぞ。
    第二話以降はあまり興味を惹かれなかったので読むのをやめた。既婚男に騙されて付き合ってた女が法に訴えようとしてる導入部…なんか萎えました。

    • 0
  2. 評価:2.000 2.0

    NEW
    ハマらなかった漫画

    ジャンプ漫画では私はハマるものとハマらないものがキッパリ別れる。何百万部売れていても、世界中にファンがいても、麦わら帽子の海賊や、ラーメンの上に乗ってるアレの名前の忍者には全くハマらずに数話で読むのをやめた。この漫画も3話くらいで読むのをやめた。何故なのかは実はいまだに自分でもよくわからない。ただ、読みたくはならないのだ。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    NEW
    そういう星の下に生まれたマリさん

    ネタバレ レビューを表示する

    ヤマザキマリさんの「リスボン日記」で、お姑さんのヤバさの片鱗はうっすら感じていたが、これもなかなか。そう、全く意図しないのに、マンガのネタになっちゃう家に嫁いだのって、マリさんご引き寄せだとしか思えない運命を感じる。マリさんの今の夫さんに出会うまでの人生も波瀾万丈というか激しすぎるから、なまじ耐性があるから我慢できちゃうんだね。「結婚だけでいいの?他には?」がありえないくらい切羽詰まった感じで良かった。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    NEW
    オリンピックは平和の祭典

    ネタバレ レビューを表示する

    テレ東でやってた粘土アニメ「別冊」を先に見ました。パンデミックのせいで日本のオリンピック需要が全部ポシャってしまったのがまた、あのアニメのトホホなテイストに合ってて良かった。ほとんど狂気を感じさせる熱唱の「ウィリアム・テル序曲」のオープニングから、吟遊詩人ホニェーロスの古代ギリシャトリビアつきのエンディングまで、5分間とは思えない、最高に濃くてバカな内容。(謎のお菓子トリヨンの歌は私のヘビロテ)片桐さんの演じるドケチでせこい村長のイメージがあったので、原作を読んだ時に「あれ?原作、村長まともな人だ」と驚きを隠せませんでした。
    アニメの話ばかりしてしまいましたが、この作品も本当に凄い漫画です。「テルマエ」はローマという大文化都市、タイムトリップ先は現代、西暦2000年代の日本。ローマ帝国至上主義の真面目で仕事熱心な堅物男の技師ルシウスが主人公。風呂がテーマなのでタイムトリップは水、またはお湯の中でした。今回の舞台は古代ギリシャ。タイムトリップ先は東京オリンピックで盛り上がっている1960年代の、おそらく東京の住宅街。ギリシャ文化を研究する大学教授かなんかの家にお邪魔します。気が弱くて内気で争い事が嫌いなオタクの職人デメトリオスが、雷や花火といった眩しい光(ゼウスの武器は電撃)がキーとなってタイムトリップします。テルマエファンにとってもたまらないです、こーゆーの。テーマがスポーツだからなのか、オープニングからギリシャの太陽と大自然の中でのびのびと躍動する身体、そしてデメトリオスの笑顔がとても開放的でこの作品を象徴しています。東京オリンピックで沸いていた当時の東京の人々の、明るく楽観的な様子も和やかで、デメトリオスの心を癒します。老学者先生の解説もいいですね。特に盆踊りの回。そういう意味があったのか、とこの漫画でしみじみ理解しました。今生きている人の楽しい様子を見せることが、死者への何よりの捧げ物であると。東京2020の閉会式も盆踊りやってましたけど、悪いけれどアレ見てもなんか何ひとつ刺さりませんでした。どんなに大掛かりなことをやっても、伝える力が上っ面では決して伝わりません。この作品では、気弱なオタク青年の心情を通して、楽しそうにスポーツに興じる人々の笑顔を通して、世界平和を一途に願う強い思いがきちんと伝わります。あと、デメトリオスの萌え絵の壺、欲しい!

    • 0
  5. 評価:4.000 4.0

    NEW
    大正モガ版「風と共に去りぬ」?

    大正モガファッションや、当時のアールデコ調家屋といった細部が丁寧で良かった。女性は下ぶくれ気味のややぽちゃで、大きな目とぷっくり唇、うーん、どうかな?と思ったけどリアルでこういうタイプの可愛い子ちゃんいるな、とだんだん慣れてきた。男性の顔がまだ今ひとつ馴染めない。でもストーリーはしっかりしてる。時代考証も無理がない。(最近やたら目につく転生だ溺愛だ略奪だ令嬢だ貴族だのを試しに読むと、騎士とお姫様が令和のサラリーマン上司とOLのやりとりみたいな庶民的な会話をしてたり、メチャクチャな時代のドレスを着てたりする。漫画だから描きたいから好きなモノ描きたいだけだから「何でもいい」ってわけじゃないんだよ。漫画だからこそ、王子様や騎士や伯爵や領主が出てくるのなら、そういうのが好きなら、少なくとも歴史ちゃんと勉強してから描いて他人に読ませてみてって思う。絵が下手なのは我慢して読み続けるけど、浅い世界観はその場で即閉じる。どうしようもなく萎えるのだ)主人公の才気がこの後、夫の右腕になって商売へと発揮されるのかな?主人公は慧眼の持ち主で、たとえ肉親といえど他人の声やウワサは信じない。自分自身の目で見た感性と信念のままに、言葉を発する。夫が初対面で彼女のそこに惚れたのがいい。あと、憧れの人の自分への一言で、その本性を喝破した時も良いなと思った。普通の女の子なら恋をしてるとき、なんか引っかかってもまあいいか、と許しちゃうし、好きな人の言うことだからとポジティブに捉えようとしてしまう。それが無いのがいい。

    • 2
  6. 評価:4.000 4.0

    NEW

    いじめの漫画って本当に色んなバリエーションがあるね。それだけ深刻化してるってことね。知識は確かに必要。中学生、高校生は自分にとって都合の良い屁理屈こねる年代なんだけど、いじめられた側にとっては知性こそが力になる。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    犬馬難鬼魅易

    レビュータイトルは中国の故事。皇帝から「何を描くのが一番難しいか」と問われた宮廷絵師曰く
    「犬や馬といった、誰もが見慣れているありふれたものはごまかしがきかないので描くのが難しい。ゆえに、鬼のような化け物などは描くのが容易です」。
    猫もまた、どこにでもいる見慣れた生き物ゆえに絵描きの画力が問われる対象物であろう。デフォルメしてかわゆく描かれたり写実的なリアルタッチで描かれたり擬人化されて二本足で立ったり、漫画の中に無数に登場するさまざまな猫を見てきたが、漫画の中の猫はなぜか、必ずどこか違和感を感じることが多い。私の中の、「猫」という生き物へのイメージが強すぎてそうなってしまうのかもしれない。
    ヤマザキマリさんも、猫と作家をテーマにした対談集の中で、猫を描く難しさについて語っておられた。それを読んで、強すぎる愛が絵の邪魔をすることもあるのかも、と思った。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    豪華絢爛という言葉はこの漫画のためにある

    各メンバーで一番好きな回
    ・清四郎→悠里と婚約する回。清四郎の合理的すぎて冷たくてやや傲慢なところ、実は結構やなヤツ?なところがよく表現されていたと思う。でもやっぱり秀才は天才に敵わないのよね…・弥勒→グループ内で喧嘩して、3-3で敵と味方に分かれてクイズ大会に出場する回。常日頃から清四郎へのわだかまりが溜まってたのが爆発。いつもらクールで飄々とした弥勒の人間臭いとこが見られて良き回だった。・美童→豪華客船旅行中の船上パーティーで、自分にそっくりのプリンセスに一目惚れしちゃう回。「僕はしがない大使の子」とかなんとか言いながら己に酔いしれてたな。美童はナルチシズムの権化だが彼女はそうではなかったというオチがいい。・可憐→中東の王子様と恋に落ちる回。イケメンの玉の輿に乗れるビッグチャンスだったが、さすがの可憐も野望のために一夫多妻制を受け入れることはできなかった。・野梨子→小等科〜中等科時代の有閑倶楽部の回。「わたし 宝石を見つけたわ」の笑顔がキラキラしてて素敵。・悠里→和尚の初恋の女性の霊に身体を乗っ取られる話。やたら積極的になり、乙女の表情がカワイイ。
    登場人物全員がお酒の名前ってのが本当に気が利いてる。黄桜、白鹿、剣菱など、その名のイメージと容姿がピッタリ。特に美童(ビドー)!よくぞ!って感じ。一条先生の美的センス全開である。
    この漫画の最強キャラは、やっぱり悠里のお母さんだろう。初期のお母さんは悠里を心配して涙を見せて狼狽する上品なマダムだったが、途中からなぜか風格と迫力出まくり。夫と娘の命を救うためなら大物ヤクザの家にも単身乗り込み、顔色一つ変えずにガチのロシアンルーレット勝負を受けて立つ男前に豹変を遂げた。美童のおばあちゃんもキレると過激だったし(斧を振りかざして家宝の家具をブチ壊す)、ええとこの奥様が結構エキセントリックなのも有閑倶楽部ならではだったなー。
    あと、ファッションが素晴らしいのよね。聖プレジデント学園の制服がオシャレ!男子の夏服が蝶タイなとこがかわいかった。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    蘭丸くんの健やかさが割と救いです

    ネタバレ レビューを表示する

    とにかくヒロイン2人の格差がひどい。「お嬢さまのシオちゃんが没落と共に闇堕ちしてゆき、健気で貧乏なモエちゃんがスターダムにのし上がるの?」と思わせといて、実はモエちゃんの方が闇堕ち担当。貧乏になった直後、シオちゃんには超太客の若社長が近寄ってきて、金にモノ言わせて婚約者という名のパトロン契約をしてくれます。美しいけれども人に対して無関心無愛想だったシオちゃんは、逆境の中で少しずつ人の情けを知り、自分自身のドロドロの嫉妬心を知り、承認欲求の渇望も知り、プロとしてお金を稼ぐ厳しさも知り、叶わぬ恋の苦しさも知り…と、結果的に人間的に良い方へと成長してゆく。対してモエちゃんは成長というよりは、意地悪した人に仕返ししたり、シオちゃんに嫌味を言ったり、ドンドンすれていっちゃう。いや、この子はシングルマザーの母ちゃんが超アレだし、小さい頃からお金の苦労してて気の毒だとは思うんだけど、恋人にすると重すぎてめんどくせえ女じゃないかなあ。押し切られてやっちゃってましたけど若社長。「男ってこういうタイプの女に情で迷うこともあるもんなのよ」と一条先生に諭されてる気もします。にしてもな、この2人の留学先での雲泥の差よ。ホントに一条先生、残酷。モエちゃんのイタリア留学先は、下宿が手違いで住めない、大家はアバウトで責任取らずにモエちゃん放り出される、しかも下宿先手配した若社長んとこは完全シカト。これだけでも相当不運なのに、こっから更に…ちょっともう…言葉を失うほどの人間不信トラウマ確定コース。片やウイーンのシオちゃんは、若社長の秘書が同行して何もかも手配してくれて、特別枠の空席オーディションにも合格して、豪華なアパルトマンで留学生活のスタートを切るセレブコース。その後もなんやかんやで良い師匠に巡り合い、仲間もでき、チャンスを掴むために必死で努力し、報われてゆくとこは心があたたまります。
    しかし、問題は賛否両論のラストです…さすがはあの「デザイナー」の一条先生、「砂の城」の一条先生ですよ。一筋縄の単純なハッピーエンドにしていただける訳がございません。いーい感じにモヤモヤ〜っとする終わり方なんだよなあ。まさかのモエちゃん●●!私同様に驚嘆した読者も多かったことと思います。
    ちなみに私の推しは、蘭丸くんが弟子入りする境界性人格障害ぽい天才女性ピアニスト。こいつの性格マジ最悪笑 でもそこが好き笑

    • 4
  10. 評価:3.000 3.0

    私には絵が合わなかった

    全ての漫画に共通するけれど、絵だけは人の好みがきっぱり分かれます。漫画だから致し方ない。とりあえず私がバレエ漫画に求めるものが、ここには無かった。レビュアーさんの中には有吉京子さんのSWANを例に挙げてる方がいましたが、あれは別格です、SWANの絵はもうほとんど美術館クラスの代物です。ただ、バレエ漫画を読みたい人の多くが既にもう「SWAN」や「アラベスク」を知っていて、無意識にあの画力と同レベルを期待してしまう、そのことだけは覚悟しておいて間違いないのです。しかし尚、それでも全ての、「バレエ漫画を描きたい」漫画家さんは、その志を止めずに書き続けていって欲しい。ダイヤモンドは最初はどれも土に埋まってます。掘って掘って掘りまくり、磨きに磨きあげなくては、ダイヤモンドにはならないのです。

    • 0
全ての内容:全ての評価 1 - 10件目/全65件

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています