5.0
バスケ部マネージャーのゆきちゃんと、1年後輩の部員成瀬との、出会いからプロポーズまで、たっぷり楽しめました。
自分の気持ちを飲み込んで、我慢出来る、諦められると引いてしまう事に慣れてしまったゆきちゃん。
真面目にマネージャーの仕事をサクサクこなすその姿は部員から姐さんと呼ばれるほど。
でも本当は不器用で、それを知られないよう、一切表情に出さない。
そんなゆきちゃんを、ひょんな事から気になり出した成瀬は、どんどんゆきちゃんを好きになっていき、ひたすら一途に好き好きと猛攻撃をかける。
恋愛オンチで彼氏いない歴=実年齢のゆきちゃんは、当然のことながテンパりまくり、散々抵抗しつつも、他の人が気づかないようなゆきちゃんの心のうちをあっさり見抜いて、サラッと助けてくれたりする成瀬を、だんだん好きになっていく。
とは言え、自分の気持ちをなかなか認めたくないゆきちゃんが、成瀬に気持ちを伝えるまでは、本当に焦ったかったです。
成瀬に一途に思われながら、だんだん素直に自分の気持ちを出せるようになっていくゆきちゃんが、どんどん可愛くなっていくし、ただただ好き好きと纏わりついていた成瀬が、どんどん成長して頼れる男になっていく過程を、まるで自分も同じ空間にいるかと思うくらい、身近に感じながら読んでいました。
ただ「好き」だけが全てだったピュアな高校時代から、大学へ進み、新しい環境や広がる人間関係、恋とバスケのライバル、過去の恋、将来の事、バスケと言う2人の共通項を通して、様々な事を経験し乗り越えて、最後のプロポーズまで、キラキラした青春時代をたっぷり楽しませてもらいました。
あと、この作品に出てくる人達が、みんな個性豊かで魅力的、そして憎まれ役のような意地悪な人がいなかったのが、本当によかったです。
- 0