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作品レビュー
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421 - 430件目/全498件

  1. 評価:3.000 3.0

    緊迫感のなさ

    ちゃらんぽらんだが、人の感情を「読む」能力(超能力的なそれというよりは、表情を読み取る力があり得ないレベルで高い、みたいな感じ)を持つ刑事が主人公のサスペンス。

    それなりに楽しく読めたのだが、どうにも入り込めなかった。
    理由はもう、はっきりしていて、良くも悪くもこの作品の色であるところの緊迫感のなさが、私はどうしても駄目だった。
    「金田一少年」や「コナン君」よりも対象年齢は高い漫画のはずなのに、明らかに緊張感に欠ける。
    サスペンス漫画において、一定の緊張感というのは生命線であると私は思うから、この漫画は「合わなかった」という他にない。

    主人公のふざけたキャラクターやポップな絵柄に反して、事件は、目をくりぬかれるとか、バラバラだとか、小指を持ち去るとか、かなり猟奇的なものが多い。
    このあたりはバランスの問題で、あまりに陰惨に過ぎるトーンをコメディ色で緩和しよう、という狙いはあってもいいとは思う。
    だが、個人的には、その割合が大きすぎて、結果「もうちょっと真面目にやってくれ」という思いが拭えなかった。
    決して完成度の低い漫画ではないと思うが、残念。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    漫画と原作について

    私のレビューは結構いい加減で、評価の軸がぶれていたり、気分によってかなり左右されたり、という有様だから、後から読み返すと「これは甘すぎたな」と思うことはちょくちょくある。
    ただ、逆はほとんどない。
    つまり「これは酷く言い過ぎたな」ということは少ない。
    仮にも他人の作品の悪口を言うことについては、私はわりに慎重になっているのだろう。
    まあ、それはいい。
    それはいいとして、「原作の小説がある」という漫画に関しては、私はわりに明確な評価指針を持っている。

    星一つ…原作を冒涜している。または、そもそも原作自体が腐っている。
    星二つ…原作の魅力を損なっている。または、そもそも漫画化する意義を感じない。
    星三つ…漫画として破綻はないが、原作の魅力には大きく劣る。または、再現度は高いものの、大して魅力的な原作ではない。
    星四つ…原作には及ばずとも、原作の利を活かし、原作の魅力を十分に引き出している。
    星五つ…「原作を上手く漫画化した」以上の特別な何かがそこにあり、原作とは別の意味で、ひとつの作品として素晴らしい。

    多分、今まで原作の小説がある漫画で星を五つつけたのは、「鉄鼠の檻」と「パノラマ島奇譚」だけだと思う。
    星四つは、「光媒の花」や「ユリゴコロ」や「夜行観覧車」や「絡新婦の理」、他にもあったと思う。

    本作は、迷いなく、三である。
    話としてはそれなりに興味深かった。
    しかし、どう考えても叙述が鍵になるタイプの作品で、この魅力を漫画でもって再現しようとすること自体、ちょっと無理があったような気もする。

    • 2
  3. 評価:4.000 4.0

    あることないことアンダーグラウンド

    相当に粗削りではあるけれど、この作者の特性みたいなものはばっちり表れていると思った。
    それはつまり、虚実ないまぜのアンダーグラウンドの世界を作品内に構築し、そこに妙なリアリティーと説得力を生む、ということだと思う。

    「闇金ウシジマくん」にしてもそうなのだが、私たちの多くは、本物のアンダーグラウンドの事実など、知らない。
    それを上手に利用し、「ここまではさすがにないだろうけど、でも、ありそう」という微妙なラインを突いて、フィクションとしてのアンダーグラウンドを編み上げることについては、圧倒的な力量があると思う。

    画力も、キャラクターの造形も、世界観の整合性みたいなものも、この作品の段階ではまだまだ緩いのだけれど、既に作者の本質が見えるという意味では、貴重な作品。

    • 1
  4. 評価:3.000 3.0

    漫画の台詞について

    ネタバレ レビューを表示する

    「子どもの頃にネット上に書いたことが大人になってから現実化してきてヤバい」というストーリー。

    正直、その設定自体も大してインパクトはないし、設定何でもありの不条理なサバイバル系漫画の亜種みたいなものとしてダラダラ読んでいた。

    が、事件が超常現象的なそれではなく、あくまで人為的に起こされたもの、つまり「犯人」がいる、という展開になってからは、ちょっと面白かった。
    ストーリーは、冷静に考えると突っ込みどころは多すぎるが、そこはまあ、勢いで何とかごまかせている。

    ただ、どうにも気になるのは台詞回しで、「いや、現実世界ではそんなこと言わないだろ」という台詞が多すぎる。
    もちろん、漫画なので、漫画なりの台詞というのはあっていいのだが、程度問題であって、ギャグ漫画でない限り、あまりに現実と乖離した台詞のオンパレードは、私は苦手である。

    • 2
  5. 評価:3.000 3.0

    姫を追う道の上で

    「オタサーの姫」がなぜ死んだのか、そして、彼女がどんな人間だったのか、を追いかける形式のゆるいミステリー。

    サスペンス的な緊張感や盛り上がりはまるでないのだが、まずまず面白く読めたのは、彼女の秘密を追う過程で、男たちが自らの愚かさに気づいてゆく、という図式が、なかなか上手く決まっていたからだと思う。
    ここは、新しかった。

    事件の真相には賛否あるだろうが、私はまあ、アリではないかと思う。
    ただし、「真相の後」のくだりは、本当に要らないと思うし、作品に余計なケチがついたとしか思えない。

    • 2
  6. 評価:2.000 2.0

    紙上の母たち

    いじめを扱った作品で、加害者の「保護者」にスポットを当てたものは初めて読んだ。
    その視点自体は、新鮮に感じた。

    ただ、その設定の「先」の広がりがあったのかとなると疑問で、イマイチ設定を活かせていないような気もした。

    また、母親たちの造形もどこか浅薄だ。
    子どもを守るためなら、どこまでも美しも醜くもなれるような、生々しい母の本能と情念のようなものを私は期待していたのだが、そういうものは表現されておらず、あくまで設定に基づいた紙の上のキャラクターが動いている、という印象が拭えなかった。

    あとは、些細な問題かもしれないが、どうにも似た顔が多く、画として人物の描き分けが中途半端なのも気になった。

    • 3
  7. 評価:2.000 2.0

    料理漫画の位置

    私が一番好きな料理漫画は「鉄鍋のジャン」という作品で、その影響からか、料理漫画、というのは、現実ではなかなか食べられなかったり、ちょっとあり得なかったりする料理を、魅力的に、しかも現実に十分ありそうに描いて、読者を唸らせるものなんだ、と思っていた。
    古い話だと、「ミスター味っ子」だってそうだった。

    だから、蕎麦屋のカツ丼とか回転寿司とか、我々庶民が日常の中で普通に食べられる食事を、まあ、言ってみれば「普通に」野原ひろしが食べるのを眺める、という漫画の何が面白いのか、私にはイマイチわからなかった。

    • 3
  8. 評価:3.000 3.0

    雰囲気と違和感

    同じ作者の「蔵のある家」という漫画を読んだときは、「情緒がある」という感想を持った。
    特別にひねりがあるわけではないが、独特の雰囲気があって、しみじみとした味わいがあった。

    ただ、本作については、いささか首をひねった。
    この作者独特の空気感みたいなものが、十九世紀末イギリスのブルジョワ家庭、という舞台設定に、イマイチ合致していないような気がしたのだ。
    そういう意味では、ちょっともったいない、という印象を抱いた。

    • 2
  9. 評価:3.000 3.0

    尖ったものが

    いじめられている主人公の高校にミステリアスな転校生がやって来て、主人公を救い出してくれるのだが、どうやらその転校生が尋常ではなくヤバい人だ、という話。

    「サエイズム」という漫画からコメディ要素を排除したような感じで、決してつまらなくはなかったのだけれど、終始「どこかで見た感じ」がつきまとってしまうのはなぜだろう。

    ストーリー展開にも、登場人物の造形にも、一度もハッとするような部分がなかった。
    手堅いと言えばそうなのかもしれないが、何もかもがあまりに類型の域を出ないと、読んでいてがっくりきてしまう。

    読者のワガママだが、何かひとつくらいは、尖ったものが欲しかった。

    • 2
  10. 評価:4.000 4.0

    文学へのリスペクト

    江戸川乱歩や夢野久作はともかく、太宰治や谷崎潤一郎がミステリを書いていたのを私は知らなかったので、そういう意味では新鮮に読めた。
    「あなたの知らない文豪の一面」を紹介する、というコンセプトは、きちんと成立していたと思う。

    漫画の表現も、原作の空気を壊さない中でコンパクトにまとまっていて、好感を持った。

    そして、この作者は、原作の文芸作品に対して、また、作家に対して、確かな愛着とリスペクトを持っているとも感じた。
    それがなぜ、「文豪ストレイドッグス」で「ああいう方向」に行ってしまったのか、それを考えると、ちょっと残念である。

    • 1
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