【ネタバレあり】[小説]孤独な勇者と選ばれた乙女【SS付】【イラスト付】のレビューと感想

意外と王道でした

異世界トリップもので時々ある、言葉がお互い通じない設定です。
便利な魔法を使えば意思の疎通も可能ですが、タイミングのいいところで(笑)効果が切れてしまいます。
肝心な部分が通じ会えていない状態で、それでもお互い少しずつ惹かれ会う…何だかんだで王道でしたが、王道らしく何だかんだ楽しんで読めました。
脇役もそれぞれ個性的で、敵役の義兄弟にはむしろもっと頑張ってほしかったくらいです。

勇者の生い立ちが切ない

孤独を抱える二人が惹かれあって、ちょっとした誤解ですれ違うのだけれども、愛を育むハッピーエンドストーリーです。

勇者の両親の話がとても切なく、薄幸極めてます。今まで誰もが誤解していたのだけれど、真実がわかって、勇者さまが救われたところがツボかな。

ヒロインのほうも孤独を背負っているのだけれど、勇者さまと比較するに、本人のコミュニケーション力や性格的なところもあるからか、あまり共感を誘発されず、少し残念。
また、助けてくれた人とはいえ、言葉も通じず、信頼関係も十分構築できていないところからのベッドインは、女性としてはなかなか受け入れられないのではなかろうか。
全般的に受け入れざるをえなかったようなセリフ回しが多いのですが、ヒロインの主体性が少し乏しいようで、星を二つマイナスにしました。

勇者もヒロインも心に闇を持っていて、素直にハッピーエンドにできない、もどかしい話でした。
もうちょっとお互い頑張れ！といいたくなったけど、無理なんだろうなぁと納得できるので、イライラはしません。
スカッとした話がいい人はダメかもしれないけど、面白かったです