5.0
読んで損は無し
妻から、そして母から女へ戻る過程が無理無く丁寧に描かれていて、不倫がテーマな筈なのに拒否感無く読めます。
主人公が段々綺麗に変わっていく所は正に『恋』という感じで、好きな人の為に綺麗になりたいという願望は、それが幾つになっても、例え既婚でも未婚でも変わらなくて、それが『女』なんだなと気付かされました。
残念な点は
⚪龍が魅力的でない(少なくとも私には)
⚪不倫に積極的に加担する人多すぎ
の二点でした。
批判の多いラストは別に~って感じでした。とにかく心情が丁寧に、繊細に紡がれ、不倫はしなくとも共感できる部分はたくさんあると思います。
個人的に良かったのは特別篇の義行の場合です。泣きそうになります。表面に出すばかりが愛ではないのです。本編読了後は併せてお薦めしたいです。
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